ひろさんのたわ言(7)

梅酒と梅干し

二宮に友人がいる。
会社を退職して、一反四歩の土地で農業を始めた。
始めてすぐ、隣接地の一反二歩の耕作の依託を受け、いまでは、二反六歩の農家になった。
その他に、実家の水田(松田)、妹の嫁ぎ先のミカン園(曽我)、同じく醤油製造などを引き受け、毎日晴耕雨読の優雅人になった。

月に一回ほど、農業の手助けといいながら友人数人が集まり、手伝った後、弁当を食べながら酒盛りをやる。

この二宮の土地の境界に梅の木が十数本あり、6月は梅モギの手伝いになる。
梅酒用は加賀、梅干しは十郎という種類だそうだ。
近年、和歌山の南高梅という品種が、梅酒、梅干しともに出回ってきたが、曽我を中心とした地区は、加賀、十郎をかたくなに守っているらしい。
収穫時期は、梅酒と梅干しで約二週間違ってくる。

梅酒は、漬けて二年目位から味も色もよくなってくる。
砂糖の量を若干減らし、年数を経たものがひろさんの好み。
ただ、古くなるとくどくなるというジレンマがある。

梅干しは、ここ数年前からのチャレンジで、毎年もらう二宮産の梅干しとまだ大きな差がある。
友人の曰く「塩は普通で良い。減塩の必要は無い。二年もすれば自然に塩分が析出して、減塩になる。」とのことだが、まだ手探り状態だ。
紫蘇をいれるかどうかも好みが分かれるところ。

梅雨が明けて、三日三晩干すと良いとされている。
一日中付き切りで、梅を裏返すとき、みな同じ顔つきなので、どこまで裏返したかわからなくなる。
どうでもよいことに夢中になるのは、年寄りの証なのか?




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