花の四姑娘山

屬山皇后と親しまれ中国十大名山に数えられる、四姑娘山(スークウニャンシャン)6250メートル。この地域は、最近になって私たち外国人に解放されてきた。
史実を書き換える重要な古代遺跡の発見等、未知の魅力を秘めるこの国の限りない懐の広さを実感する。
3000メートルから4000メートル圏内に広がるお花畑には、幻の花ブルーポピーを始め、世界的に貴重なエーデルワイスの大群落があり、それらは放牧しているヤクの餌になっているようである。
成田からJALへ搭乗、所要3時間で上海東浦空港着。今年から海を埋め立て新設されたものでアジア最大、今までの虹橋空港は主に国内専用となり上海市内の高速道路をバス1時間、かえって不便になった。
四川航空のエアーバスへ乗り継ぎ、2時間30分で四川省の成都へ到着する。
日本との時差1時間。K女ツアーリーダーは中国人がビックリする中国語の達人、現地ガイドの鄭は四姑娘山の植物に詳しい専門家で、まさに鬼に金棒である。
登山口の日隆鎮(リーロン村)まで240キロ、車で8時間。成都は標高500メートル、巴郎山(バールンシャン)4523メートル峠越えが高山病対策の最大の関門となる。

2000年7月の紀行

中国 花の四姑娘山
成都から150キロ地点の臥龍(ウォーロン)1960メートル。近くには、パンダ(大熊猫)の野生保護区の施設があり現在25頭。遠くから、バスで遠足に来た小学生たち。
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パンダ
犬歯が発達しているから、昔は肉食獣であったといわれる。栄養のなさそうな、笹や竹をバリバリ食べている。高地山岳地帯に住み暮らす、上野動物園の獣舎がクーラー付きなのも理解できる。
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巴郎山(バールンシャン)4523メートル峠越えると、初めて四姑娘山連峰が望まれる。主峰の頭部は雲の中。
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車を利用し、半日の予定で双橋溝(谷)へ向かう。入口は狭く高い峡谷であるが、奥は大きく開けた森林帯と草原、湿原が交錯した渓谷で、五色山、尖山子、老鷹岩、牛心山といった4,500メートル級の山水画的な岩峰や険峰が続く。人参果坪3500メートルは、ピンクのサクラソウに限りなく埋めつくされた大湿原で、長靴がほしいミニ尾瀬である。
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姑娘(クーニャン中国語で娘のこと)の馬方が強引に、小川を渡ろうとしている、履物に注目。山岳地帯に生きる小型馬で、乗らないかと盛んに勧めてくる。落馬して怪我したら、障害保険の適用は?
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この時期は、インド亜大陸のモンスーン(雨期)の影響を受けて雨天が多い。7月だというのに、段々畑には菜の花が満開。
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山道では、物資の運搬等は専ら馬が担当する。ネパールやブータンと同じ。
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朝起きると小雨、雨具で身支度を整えて弁当(ゆで卵と蒸したジャガイモ)持参で鍋庄坪へ向かう。3500メートル圏内で高く広がる幾つかの高原がある。見どころは、新雪のようなエーデルワイスの大群落が限りなく続いている。細長い花茎に白い苞葉が狭く、ホソバウスユキソウと類似している。
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鍋庄坪のエーデルワイス。雨の中、興奮の余りカメラのシャッターを40回も押してしまう。土地の人にとっては少しも貴重な群生地ではない、昔からウマとヤクの放牧地だったのである。ゴミは少ないが、路傍に捨てられたペットボトルを拾いながらくだるとビニール袋一杯になった。
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鍋庄坪のエーデルワイス。ヨーロッパアルプスでは、根こそぎ採取されてしまい見ることは難しく貴重である。
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村のバス停の看板、成都まで約10時間。中国では、自動車のことを汽車と書く。
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チベットアツモリソウ、3800メートル。クマガイソウはなかった。
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イエローポピー、4000メートル。
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巴郎山(バールンシャン)峠近くのエーデルワイス、4000メートル。高所のため、茎が低く花が小さい。
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巴郎山(バールンシャン)峠近くのエーデルワイス、4000メートル。
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ムラサキサクラソウ、4400メートル。
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山上の小さな氷河湖4500メートル。
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巴郎山(バールンシャン)峠4523メートル、高度計では4300メートルを示す。
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幻の花ブルーポピー、背丈は風雪に耐えて短い10センチ、4400メートル。
昨年行ったインドヒマラヤのブルーポピー、もっと大きく花数が多い。
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レッドポピーとイエローポピー、4000メートル。
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お花畑に遊ぶ、高山性の牛、ヤク。チベットは、4000メートルで草は少なく岩石地帯。緯度が南のこの地では、4000メートル付近まで花草が豊に繁茂している。
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絵はがき 四クーニャン山6250メートル。
四姑娘山 一覧-1 四姑娘山 一覧-2


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