西安から敦厚へ 中国シルクロードの旅


 10年ぶりに中国西安(人口700万)を訪れて、その超発展ぶりに腰を抜かすほどビックリした。高層ビルが乱立し、幹線道路は自動車で溢れ各所で大渋滞を起こしている。市内では、1日当たり700台のマイカーが売れ実に驚異的であるという。道路の拡張が追いつかず、自転車専用道を車へと開放している。更に広く地下鉄工事も進んでいる。  西安は、漢代の遠い昔「長久平安」を祈り長安と命名された。以降、唐代の都として栄えた長安の都市計画をわが国の本格的な首都である、奈良の「平城京」や京の「平安京」に用いられてきた。  地元奈良県では、平成22年平城遷都1300年祭として平城宮跡地へ、極色彩の巨大な木造建造物である大極殿や朱雀門を建立し、2キロにも及ぶ朱塗りの回廊でぐるりと囲んでいる。



 1974年3月、地元の農民たちが井戸を掘削中に陶製の人形の破片を発見したことによる。始皇帝陵の兵馬俑数千躰で20世紀最大級の発見といわれる。広大な屋根で覆い、今も掘削調査を続けている。
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 一人ひとりの表情が異なり、本来は武器を手にしていたという。
軍馬や軍団を掌る将官将軍俑もあり、始皇帝陵を護る沈黙の大集団。
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 唐代の玄宗皇帝と楊貴妃の避暑地である華清宮の源泉。
有料の足湯に浸ることもできる。
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 西安の大慈恩寺の大雁塔、玄奘三蔵縁の寺。唐代に完成、煉瓦造り7層64メートル。
約300段。有料30元(450円)で最上階まで登ることができる。遠くから望むと塔が左側へ少し傾いている。
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 西安の城壁がぐるりと町内を囲んでいる。鐘楼が夜明けを知らせ、鼓楼が日暮れを告げる。わが国では城主を護るのが城なのに、この国では住む家々や人々を護る長大な城壁で取り囲む。
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 西安から676キロ、シルクロードの要所である蘭州(人口300万)。
黄土高原から混濁して流れる黄河に架かる鉄製の中山橋は1900年代初期に完成、大河の黄河第一橋として有名。
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 蘭州から敦煌まで1133キロ、特快13時間。軟臥「1等寝台4名の個室」、400元(6000円)わが国との物価換算で5万円相当か。2006年敦煌まで鉄道が営業開通している。近くに空港もあり北京へ3時間。
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 敦煌(人口14万)のゴビ砂漠。フタコブ駱駝、食べ物を反芻するので息が臭く気に入らないとハーとその悪臭を吹きかけてくる。ラクダに乗る、ほんとに楽だ。砂漠の船とは妙を得ている。
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 文字どおり沙州シルクロード要路の敦煌莫高窟、入場料120元(2000円)。現在は約500箇所の石窟が保存、全てが施錠されガイドが同行して説明してくれる。1日平均10箇所を公開、広大な寺院で1000年間にわたり掘削されていったという。
 これは9層の北大仏窟で高さ33メートルの弥勒佛を収める。他に南大仏は 26メートルの弥勒佛と長さ16メートルの涅槃佛が有名。奈良東大寺の大仏の倍以上の規模を誇る。
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 石窟内は写真撮影厳禁、石窟内の壁画のコピー。本物は1000年余を経て顔料が劣化して黒ずんでいる。清朝末期、欧米露日他各国のシルクロード探検隊によって大量の古文書や壁画、仏像が持ち去られたという。一方、略奪されなければ貴重な文物が逸散したのではないかという見方もある。
 わが国の、平山郁夫さんが多額の寄付をしたというので感謝文の顕彰額が掲示してあった。
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