その-7

表参道のイルミネーション

今年も表参道のケヤキ並木がキラキラと輝いて、カップルやファミリーの夢を運び、シャンゼリゼ商店会にも大きな潤いをもたらしたようです。

ケヤキの木が可愛そうと、地元住民が起こした訴訟は却下されました。
判決文には、「一過性のものであり、受忍限度を越えているとは認められない」とあり、シャンゼリゼ商店会がゴミ拾いなどの努力をしていることをあげています。また「繁華街という地域性を考慮し」ともありました。

繁華街は、人々が日常を離れて刺激的な幸せを求めに来るところ。
住宅街は人々が日常の中で落ち着いた幸せを味わうところ。
あちらの幸せと、こちらの幸せが混在し正面衝突しているのが、表参道という地域なのでしょう。結果として経済効果の大きい方に軍配があがるのも、ますます深刻さを増していく、この不況の時代を考えれば仕方のないことでしょうか。
けれど、結局は街を訪れる人たちのマナーの問題です。住宅街の路地に入り込んで、ゴミ箱やトイレのかわりに人家を使用する通行人を、警察がビシビシ取り締まってくれればいいのにとも思います。

とにもかくにも、訴訟においてのケヤキは脇役に過ぎなかったようです。
木質腐朽病で倒壊の恐れがあるということで、ケヤキが切り倒される所を見ました。翌日には小さな切り株となって、青いビニールシートをかぶせられていました。
クレーン車を使って、ケヤキにイルミネーションを飾りつけているところも見ました。それは丁寧な作業で、イルミネーションは釘や鋲で留められているのではなく、細い縄でくくりつけられているのでした。

ケヤキは表参道に植えられたというだけで充分かわいそうに思えますが、イルミネーションの与える影響がどうなのか、本気で議論してみませんか。

1998.12.27(み)


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