その日もあの頃と同じように、彼女は犬の散歩をしていたし、それはあの頃と同じように夕暮れのひとときだったのだけれど、おれの体重が増えたようにずっと遠くで暮らしていた彼女はあの頃とは変わってしまっていて、二人とも口にこそ出さなかったけど、もうおれたちは元へは戻れないということはどうしようもない事実だった。 |
現在までの捜査協力プロファイラーによる推理は次のようになっている:
プロファイラー名 | 犯人の性別 | 犯人の年齢 | 犯人の職業 | 以上の推理の理由および他に読みとれること |
---|---|---|---|---|
ぽよっさん |
男 | 20くらい | ぷー | 絵がうまいのぉ〜。 |
ろんさん |
男 | 28くらい | 絵描き | 背景の赤の使い方より、相当の腕があることが見とれる。しかしそこに描かれる、彼女と思しき人物は実は私。 |
カウパーさん |
男 | 30くらい | 女子校教師 | 女生徒との恋愛のもつれにより殺害。 その死体処理には野良犬をつかう。 |
ひゃっこさん |
男 | 26くらい | 市役所(文化振興課) | かたや地元に戻り、手堅い役所勤めの生活にもすっかりなじみ、そろそろ体重が増えつつあることがさしたる悩みの、安穏の日々。比べて彼女は、どこか遠い場所に嫁いだのか、学生時代の住処にそのままとどまっていたのか、久しぶりに実家へ戻ってはきたものの、友人と会うでもなくひとり犬を散歩させている。夕焼けをバックに殆どシルエットの状態の中で、白いハイライトの粒を乗せているこの絵は、犯人が、客観的に彼女を観察してしまったことにあとで気付いた後ろめたさか、どこかよそよそしいまぶしさを看取したことが所以か。少し喋って妙に明るく笑っては、すぐ、顔を背けて俯いてしまうんなら、そんな無理はしなければいいのに、という胸中の犯人も、言葉少なげ。 (情景と心情描写の配分にバランスがとれてるところから、犯人は、物事を客観視することが得意な人なのかも。うまいですね。) |
マッキさん |
男 | 25くらい | 会社員 | 「体重が増えた」「ずっと遠くで」から,犯人は,地元から離れた大学に進学するとともに運動部をやめた.という推測が成り立つ.抽象的に描いていることから,割と昔の想い出,もしくは美化したい想い出ではないかと思われる. |
性別:男 年齢:29 出身地:横浜 現在の居住地:柏 職業:高校教員
自分自身についての犯人の供述:
1年ぶり再犯の Mantis です。前はマンティスと仮名で書いていたかな?ちょっと恋愛のもつれた犯罪だけど、近いうちに愉快犯も計画しているのだ。