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指導者像
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指導者像
貴其所長、忘其所短
(三国志
(さんごくし)
)
その長ずる所を貴
(たっと)
び、その短なる所を忘る
士不可以不弘毅
(論語
(ろんご)
)
士は以
(も)
って弘毅
(こうき)
ならざるべからず
「弘」とは広い見識、「毅」とは強い意志力
寛而見畏、厳而見愛
(宋名臣言行録
(そうめいしんげんこうろく)
)
寛にして畏れられ、厳にして愛せらる
「寛」とは寛容な態度、温情主義であり、「厳」とは厳しい態度、信賞必罰の方針
綸言如汗
(礼記
(らいき)
)
綸言
(りんげん)
、汗の如し
「綸言」とは天子のことば、一度発した言葉は汗の如く取消しがきかない。
敗軍之将、不可以言勇
(史記
(しき)
)
敗軍の将は以って勇を言うべからず
徳者事業之基
(菜根譚
(さいこんたん)
)
徳は事業の基なり
善将者愛与威而已
(尉繚子
(うつりょうし)
)
善く将たる者は愛と威とのみ
「愛」は愛情、恩情、思いやり、「威」は重圧感を与えるような強さ、きびしさ
為政之要惟在得人
(貞観政要
(じょうがんせいよう)
)
政をなすの要はただ人を得るに在り
善吏者樹徳
(韓非子
(かんぴし)
)
善く吏たる者は徳を樹
(う)
う
疑勿用、用勿疑
(通俗編
(つうぞくへん)
)
疑わば用うるなかれ、用いては疑うなかれ
推赤心置人腹中
(後漢書
(ごかんじょ)
)
赤心
(せきしん)
を推
(お)
して人の腹中に置く
下手な駆け引きを弄さず、誠意を態度で示す
泰山不譲土壌、故能成其大
(史記
(しき)
)
泰山
(たいざん)
は土壌を譲らず、故によくその大を成す
守一隅而遺万方
(淮南子
(えなんじ)
)
一隅を守りて、万方
(ばんぽう)
を遺
(わす)
る
諂諛我者吾賊也
(荀子
(じゅんし)
)
我に諂諛
(てんゆ)
する者は吾が賊なり
「諂諛」は、こびへつらうこと
用兵之害猶予最大
(呉子
(ごし)
)
兵を用うるの害は猶予最大なり
「猶予」とはぐずぐずためらうこと、優柔不断
士為知己者死
(戦国策
(せんごくさく)
)
士は己を知る者のために死す
天時不如地利、地利不如人和
(孟子
(もうし)
)
天の時は地の利に如かず、地の利は人の和に如かず
「天の時」は実行のタイミング、「地の利」は立地条件、「人の和」は内部の団結で、最も大事なのが「人の和」である
言行君子之枢機
(易経
(えききょう)
)
言行は君子の枢機
(すうき)
なり
「枢機」は肝心かなめのポイント
法三章耳
(史記
(しき)
)
法は三章のみ
漢の高祖劉邦が秦
(しん)
を滅ぼした直後、従来の煩雑な法令を廃し、法律は三カ条だけにとどめた。
人を殺した者は死刑、人を傷つけた者、盗みを働いた者は処刑する。
流水清濁在其源
(貞観政要
(じょうがんせいよう)
)
流水の清濁はその源に在り
惟賢惟徳、能服於人
(三国志
(さんごくし)
)
これ賢これ徳、よく人を服す
賢と徳、この二つが人を動かす
将大有為之君、必有所不召之臣
(孟子
(もうし)
)
まさに大いに為
(な)
すあらんとする君
(きみ)
は、必ず召さざる所の臣あり
将来、大事業を成し遂げようとする君主には、必ず呼びつけにできない臣下がいる
問鼎之軽重
(左伝
(さでん)
)
鼎の軽重を問う
しかるべき地位についている人物に対して、その資格を疑い、退任をせまること
鞠躬尽力、死而後已
(三国志
(さんごくし)
)
鞠躬
(きくきゅう)
尽力、死して後
(のち)
已
(や)
まん
「鞠躬」は上の者の命令をかしこんで承る。(この場合は、諸葛孔明にとっての劉備の遺言)
明極則過察而多疑
(近思録
(きんしろく)
)
明
(めい)
極まれば、則ち察に過ぎて疑い多し
「明」は洞察力
善用人者為之下
(老子
(ろうし)
)
善く人を用うる者はこれが下となる
人使いの名人は相手の下手に出る
運用之妙存乎一心
(十八史略
(じゅうはっしりゃく)
)
運用の妙は一心に存す
(兵法の定石はもちろん必要だが、それよりも肝心なのはむしろ)臨機応変の運用である。
故旧無大故、則不棄也
(論語
(ろんご)
)
故旧
(こきゅう)
は太故
(たいこ)
なければ則ち棄
(す)
てず
「故旧」は昔なじみ、「太故」は大きな悪事
居安思危
(貞観政要
(じょうがんせいよう)
)
安きに居
(お)
りて危うきを思う
毋私小恵而傷大体
(菜根譚
(さいこんたん)
)
小恵
(しょうけい)
を私
(わたくし)
して大体
(だいたい)
を傷
(やぶ)
るなかれ
小さな私恩を売ることに汲々として全体の利益を犠牲にしてはならない。
諍臣必諌其漸
(貞観政要
(じょうがんせいよう)
)
諍臣
(そうしん)
はかならずその漸
(ぜん)
を諌
(いさ)
む
「諍臣」とは、トップに過失が有ったとき敢然として諌める臣下、「漸」は兆(きざ)しの段階。
泣而斬馬謖
(三国志
(さんごくし)
)
泣いて馬謖
(ばしょく)
を斬る
呉越同舟
(孫子
(そんし)
)
現在では、仲の悪い者同士が同じテーブルにつくという意味だが、原典では
「憎み合っている呉の人間と越の人間でも、同じ舟に乗っているときに大シケにあって難破しそうになれば、
助かりたい一心で一致協力するにちがいない」という意味。
人之其所親愛而辟焉
(大学
(だいがく)
)
人はその親愛する所に之
(お)
いて辟
(へき)
す
「辟す」とは、偏ること、公平な判断ができなくなって片手落ちの態度をとること。
忌則多怨
(左伝
(さでん)
)
忌
(い)
めば則ち怨
(うら)
み多し
「忌む」は嫌うこと。
人道悪盈而好謙
(易経
(えききょう)
)
人道
(じんどう)
は盈
(えい)
を悪
(にく)
みて謙を好む
「盈」は満ち足りた状態、昇りつめた状態で、ここでは、さらにそれから派生して、
驕慢(きょうまん)と傲慢という意味。「謙」は謙虚、謙遜の意。
望之似木鶏
(荘子
(そうじ)
)
これを望めば木鶏
(もくけい)
に似たり
見たところまるで木で作った鶏のようだ(動ずるところがない)。
立派な徳やしたたかな計謀、能力を胸に秘めながら、ただ黙ってにらみをきかせていること。
与其殺不辜、寧失不経
(書経
(しょきょう)
)
その不辜
(ふこ)
を殺さんよりはむしろ不経
(ふけい)
に失せよ
「不辜」は罪のない人、「不経」は法律に合わないこと、超法規的処置。
聖人之治蔵於民不蔵於府庫
(韓非子
(かんぴし)
)
聖人の治は民に蔵して府庫に蔵せず
将軍之事、静以幽
(孫子
(そんし)
)
軍に将たるの事は静にして以って幽
(ゆう)
なり
「軍に将たるの事」とは軍を率いるときの心構え、「幽」とは測り知れないほど奥が深い。
先和而後造大事
(呉子
(ごし)
)
先ず和して而
(しか)
る後に大事を造
(な)
す
「和」とは衆心の一致。「和」は二つのことを含む。
第一にトップの意志が末端まで浸透していること、第二に下からの支持である。
先天下之憂而憂、後天下之楽而楽
(文章軌範
(ぶんしょうきはん)
)
天下の憂いに先だって憂い、天下の楽しみに後れて楽しむ
「先憂後楽(せんゆうこうらく)」の語源。
草創与守成孰難
(貞観政要
(じょうがんせいよう)
)
草創と守成
(しゅせい)
といずれか難
(かた)
き
「草創」とは創業、「守成」とはすでにあるものを守っていくこと。
善戦者求之于勢不責于人
(孫子
(そんし)
)
善く戦う者はこれを勢に求めて人に求めず
戦いに巧みで善く勝つ将軍は、一人ひとりの能力や働きに過度の期待をかけず、組織全体の勢いの方を重視する。
宰相不親細事
(漢書
(かんじょ)
)
宰相は細事に親しまず
騏之衰也、駑馬先之
(戦国策
(せんごくさく)
)
騏
(きりん)
も衰うるや、駑馬
(どば)
これに先だつ
「騏」とは駿馬(しゅんめ)、「駑馬」とは平凡な馬。
臨下以簡、御衆以寛
(書経
(しょきょう)
)
下
(しも)
に臨むに簡を以ってし、衆を御するに寛を以ってす
「簡」とは簡略、「寛」とは寛容、寛大。
喜怒不形於色
(三国志
(さんごくし)
)
喜怒を色に形
(あらわ)
さず
喜怒哀楽の感情を顔にださないで、いつも淡々と事態に対処する。
治国猶如栽樹
(貞観政要
(じょうがんせいよう)
)
国を治むるはなお樹
(き)
を栽
(う)
うるが如し
唐の太宗(たいそう)が語ったことばで、その理由は「木根(ぼくこん)揺るがざれば、則ち枝葉茂栄(もえい)す。
君よく清浄ならば、百姓(ひゃくせい)なんぞ安楽ならざるをえんや
(上に立つ君主が身を慎めば、人民の生活もおのずから安定するはずだ)」
明不及察、寛不至縦
(宋名臣言行録
(そうめいしんげんこうろく)
)
明なれども察に及ばず、寛なれども縦
(しょう)
に至らず
すばらしい洞察力を持っているにもかかわらず、あまり細かいところまでは眼を光らせない。
寛容ではあるが、締めるところはちゃんと締める。
桃李不言下自成蹊
(史記
(しき)
)
桃李
(とうり)
もの言
(い)
わざれども下自
(おのずか)
ら蹊
(みち)
を成す
桃や李(すもも)の樹は何も言わなくても、人が自然に集まりその下には道ができる。
衣食足則知礼節
(管子
(かんし)
)
衣食足りて礼節を知る
国将興、必貴師而重傅
(荀子
(じゅんし)
)
国のまさに興らんとするや、必ず師を貴
(たっと)
びて傅
(ふ)
を重んず
恩若己出、怨将誰帰
(宋名臣言行録
(そうめいしんげんこうろく)
)
恩もし己より出
(い)
でなば、怨みははた誰
(たれ)
にか帰せん
人に恩を着せるのはいいが、では人の怨みは誰が引き受けてくれるのか
下之事上也、不従其所令而従其所行
(礼記
(らいき)
)
下
(しも)
の上
(うえ)
に事
(つか)
うるや、その令する所に従わずして、その行なう所に従う
木従縄則正、后従諫則聖
(書経
(しょきょう)
)
木は縄に従えば則ち正しく、后
(きみ)
は諫
(いさ)
めに従えば則ち聖なり
「縄」は墨縄の意。
大人者言不必信、行不必果
(孟子
(もうし)
)
大人
(たいじん)
は言
(げん)
必ずしも信ならず、行
(こう)
必ずしも果
(か)
ならず
大人は必ずしも「言必信」(約束したことを守る)、「行必果」(やりかけた事を最後までやり通す)にこだわらない。
(大人の第一義に重要なことは「義」である。「義」の前には前言を取り消しても差し支えない)
忠信以得之、驕泰以失之
(大学
(だいがく)
)
忠
(ちゅう)
信
(しん)
以ってこれを得、驕
(きょう)
泰
(たい)
以ってこれを失う
「これ」は人々の支持、「忠」は自分をあざむかないこと、「信」は嘘をつかないこと、
「驕」は人を見下すこと、「泰」は気まま勝って、でたらめの意。
枉己者未有能直人者
(孟子
(もうし)
)
己を枉
(ま)
ぐる者にしていまだ能
(よ)
く人を直
(なお)
くする者はあらず
自分の原則を曲げて相手に迎合するような人間で、人を正しい方向に導けた人間はいない。
其身正、不令而行
(論語
(ろんご)
)
その身正しければ令せずして行わる
自分の行いが正しければ命令するまでもなく実行される。
(「その身正しからざれば令すといえども従わず」と続く)
有術則制人、無術則制於人
(淮南子
(えなんじ)
)
術あれば則ち人を制し、術なければ則ち人に制せらる
「術」とは「人君(じんくん)の国を宰(さい)し、臣下を統御するの道」。
黙而成之、不言而信、存乎徳行
(易経
(えききょう)
)
黙してこれを成し、言わずして信あるは徳行
(とっこう)
に存
(ぞん)
す
「徳行」とは立派な行い。あえて命令しなくても仕事が順調に運び、
黙っていても人々の信頼を集めることができるのは、その人の徳行による。
興一利不若除一害
(十八史略
(じゅうはっしりゃく)
)
一利を興すは一害を除くに若
(し)
かず
用法務在寛簡
(貞観政要
(じょうがんせいよう)
)
法を用うること、務
(つと)
め寛簡に在り
(一度死んだ者は生き返らない。だから、)法の適用はなるべくゆるやかにすることが望ましい
智貴免禍
(三国志
(さんごくし)
)
智は禍
(わざわい)
を免
(まぬが)
るるを貴ぶ
水清無大魚
(後漢書
(ごかんじょ)
)
水清ければ大魚
(たいぎょ)
なし
寛者不為苛急耳、簡者不為繁砕耳
(宋名臣言行録
(そうめいしんげんこうろく)
)
寛とは苛急
(かきゅう)
を為さざるのみ、簡とは繁砕を為さざるのみ
「苛急」とは苛酷な押しつけ、「繁砕」とは繁雑なたらい回しの意。
明主之所導制其臣、二柄而已矣
明主のその臣を導制する所は二柄
(にへい)
のみ
「二柄」は二つの柄(え)(ハンドル)で、「刑」(罰を与えること)と「徳」(賞を与えること)
太上、下知有之
(老子
(ろうし)
)
太上
(たいじょう)
は下
(しも)
これあるを知る
「太上」とは最も理想的な指導者。部下がそれらしい人物が座っていることは承知しているが、
それ以上でもそれ以下でもない、あり方が理想である。
惟有道者、能備患於未形也
(管子
(かんし)
)
ただ有道者
(ゆうどうしゃ)
のみ能く患
(わざわい)
をいまだ形
(あらわ)
れざるに備う
「有道者」とはすばらしい徳と能力を持った人物、立派な指導者。
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