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人との交わり

  1. 君子之交淡若水(荘子(そうじ)

    君子の交わりは淡きこと水の若(ごと)


  2. 卑譲徳之基也(左伝(さでん)

    卑譲(ひじょう)は徳の基(もと)なり

    「卑譲」は謙虚の意。


  3. 巧詐不如拙誠(韓非子(かんぴし)

    巧詐(こうさ)は拙誠(せつせい)に如(し)かず

    「巧詐」は、へたな考えをめぐらして表面を取り繕うようなやり方、「拙誠」は、つたなくても心のこもったやり方。


  4. 人生感意気、功名誰復論(唐詩選(とうしせん)

    人生意気に感ず、功名誰(たれ)かまた論ぜん

    人生は男同士の意気に感ずるもの、功名などは問題とするにあたらない。


  5. 知不知、尚矣、不知知、病矣(老子(ろうし)

    知りて知らずとするは尚(しょう)なり、知らずして知れりとするは病(へい)なり

    知っていても知ったかぶりをしない、これが望ましいあり方である。
    知りもしないのに知ったかぶりをする、これは重大な欠点だ。



  6. 夜郎自大(史記(しき)

    夜郎自大(やろうじだい)

    自他の位置を正確に測れない視野の狭さを笑ったことば。
    (漢の時代、西南地方のはずれに夜郎という小さい国があった。
    あるとき、この国に漢の使者が立ち寄ったところ、王様は
    「わが国と貴国とでは、どちらが大きいか」と尋ねたという。)



  7. 用兵之道、攻心為上(三国志(さんごくし)

    用兵の道は心を攻むるを上(じょう)となす

    力で押さえ込んでも心服はされない。


  8. 益者三友、損者三友(論語(ろんご)

    益者三友(えきしゃさんゆう)、損者三友(そんしゃさんゆう)

    孔子は、つき合ってためになる友が三、ためにならない友が三あるという。
    「直(ちょく)を友とし、諒(りょう)を友とし、多聞(たぶん)を友とするは益なり。
    便辟(べんぺき)を友とし、善柔(ぜんじゅう)を友とし、便佞(べんねい)を友とするは損なり。」
    「直」は剛直な人、「諒」は誠実な人、「多聞」は教養のある人、
    「便辟」は易きにつく人、「善柔」は人ざわりばかりよい人、「便佞」は口先だけうまい人の意。



  9. 和為貴(論語(ろんご)

    和を貴(たっと)しとなす

    礼(社会生活の規範)の実践にあたっては、和の心が根本になければならない。


  10. 人而無信、不知其可也(論語(ろんご)

    人にして信なくんばその可(か)なるを知らざるなり

    「信」とは、嘘をつかない、約束を守るの意。信を欠いていたのでは人間として評価に値しない。


  11. 満招損、謙受益(書経(しょきょう)

    (まん)は損を招き、謙(けん)は益を受く

    「満」は慢心、「謙」は謙虚。


  12. 君子和而不同、小人同而不和(論語(ろんご)

    君子は和して同せず、小人は同して和せず

    「和」とは、自分の主体性を堅持しながら他と協調すること、「同」とは付和雷同の意。


  13. 暴虎馮河、死而無悔者、吾不与也(論語(ろんご)

    暴虎(ぼうこ)馮河(ひょうが)、死して悔いなき者は、吾(われ)(とも)にせず

    素手で虎に立ち向かったり、歩いて黄河を渡ろうとするような命知らずとは行動を共にしない。


  14. 君子交絶不出悪声(史記(しき)

    君子は交わり絶ちても悪声(あくせい)を出(い)ださず

    「悪声」は悪口、非難の意。君子は交友関係を絶ったとしても非難めいたことを口にすることはない。


  15. 管鮑之交(史記(しき)

    管鮑(かんぽう)の交わり

    「管」は、斉(せい)の国の名宰相であった管仲(かんちゅう)、
    「鮑」は重臣の鮑叔(ほうしゅく)。熱い友情を讃えたことば。
    (管仲は鮑叔の友情について、こう述懐している。
    「私はむかし貧乏だったころ、鮑叔と組んで商売をしたことがあった。
    もうけを分ける段になって、自分の方が余分に取ったが、彼は欲張り呼ばわりしなかった。
    私が貧乏なのを知っていたからだ。また、のちに私は幾度か仕官して、その度にお払い箱になったが、
    彼は無能呼ばわりしなかった。私が時節に恵まれないことを察していたからだ。
    また、私は戦にでる度に逃げ帰ってきたが、彼は臆病者呼ばわりしなかった。
    私に年老いた母がいることを知っていたからだ。」
    相手の身になって考えることが友情の本質である。)



  16. 接人則渾是一団和気(近思録(きんしろく)

    人に接しては則ち渾(すべ)てこれ一団の和気(わき)

    人に好かれるのは、温かさを持った人物である。


  17. 存乎人者、莫良於眸子(孟子(もうし)

    人を存(み)るものは眸子(ぼうし)より良きはなし

    相手の人物を判断するいちばんよい方法は、相手の眼を観察することだ。


  18. 二人同心、其利断金(易経(えききょう)

    二人(ににん)心を同じうすれば、その利、金(きん)を断つ

    二人の人間が心を合わせて、一致協力すれば、堅い金属でも断ち切るような威力を発揮する。


  19. 君子之愛人也以徳、細人之愛人也以姑息(礼記(らいき)

    君子の人を愛するや徳を以ってし、細人(さいじん)の人を愛するや姑息を以ってす

    「細人」はつまらぬ人間、「姑息」は一時しのぎで当面を取り繕うこと。


  20. 無友不如己者(論語(ろんご)

    (おのれ)に如(し)かざる者を友とするなかれ

    友を選ぶときは必ず自分よりすぐれた人物を選べ。


  21. 不知其子、視其友(荀子(じゅんし)

    その子を知らざれば、その友を視(み)

    自分の子供の考えていることが判らなければ、その友達を見なさい。


  22. 勧君金屈巵、満酌不須辞、花発多風雨、人生足別離(唐詩選(とうしせん)

    君に勧(すす)む金屈巵(きんくっし)、満酌(まんしゃく)辞するを須(もち)いず、
    花発(ひら)けば風雨多く、人生別離足(た)

    「金屈巵」は金の杯(さかずき)、「足る」は多いの意。
    (井伏鱒二の名訳がある。
      コノサカヅキヲ受ケテクレ   ドウゾナミナミツガセテオクレ
      ハナニアラシノタトエモアルゾ 「サヨナラ」ダケガ人生ダ)



  23. 攻人之悪、毋太厳(菜根譚(さいこんたん)

    人の悪を攻むるには、太(はなは)だ厳(げん)なることなかれ

    人を叱るときには、あまり厳しい態度で臨んではならない。


  24. 愛者憎之始也、徳者怨之本也(管子(かんし)

    愛は憎しみの始め、徳は怨みの本(もと)なり


  25. 信言不美、美言不信(老子(ろうし)

    信言(しんげん)は美ならず、美言は信ならず

    真実味のある言葉には飾り気がない、飾り気のある言葉には真実味がない。


  26. 巧言令色、鮮矣仁、剛毅木訥、近矣仁(論語(ろんご)

    巧言令色(こうげんれいしょく)、鮮(すくな)し仁、剛毅木訥(ごうきぼくとつ)、仁に近し

    「巧言令色」とは、さわやかな弁舌、人をそらさぬ応対の意。


  27. 投我以桃、報之以李(詩経(しきょう)

    我に投ずるに桃を以ってすれば、これに報ゆるに李(すもも)を以ってす

    受けた恩義に必ずお返しをする。


  28. 交友須帯三分侠気(菜根譚(さいこんたん)

    友と交わるには、すべからく三分(さんぶ)の侠気を帯(お)ぶべし

    「侠気」は男気(おとこぎ)。


  29. 処変当堅百忍以図成(菜根譚(さいこんたん)

    変に処しては、まさに百忍(ひゃくにん)を堅くして以って成るを図るべし


  30. 無嬰人主之逆鱗則幾矣(韓非子(かんぴし)

    人主(じんしゅ)の逆鱗(げきりん)に嬰(ふ)るなくんば則ち幾(ちか)

    上の者の逆鱗に触れないように話すのが説得の極意である。
    (「竜」は馴らせば人が乗れるほどおとなしい。
    だが、喉(のど)下に一枚の鱗(うろこ)が逆さに生えていて、
    これに触れると、必ず人を噛み殺す。)



  31. 好称人悪、人亦道其悪(説苑(ぜいえん)

    好んで人の悪を称すれば、人またその悪を道(い)

    「人の悪を称す」は悪口を言うこと。


  32. 怨豈在明、不見是図(書経(しょきょう)

    怨み豈(あ)に明らかなるに在(あ)らんや、見えざるをこれ図れ

    人の怨みは明らかになってからでは手遅れである、目に見えない段階でそれを察知し、慎重に対処せよ。


  33. 一貴一賎、交情乃見(史記(しき)

    一貴一賎(いっきいっせん)、交情すなわち見(あら)わる

    貴賎の差で人の出入りが変わるさまを皮肉ったもの。


  34. 韜晦無露圭角(宋名臣言行録(そうめいしんげんこうろく)

    韜晦(とうかい)して圭角(けいかく)を露(あらわ)すなかれ

    「韜晦」は包み隠して外に現さないこと、「圭角」はとがったかどのことだが、ここでは才能の意。


  35. 有而不施、窮無与也(荀子(じゅんし)

    有りて施(ほどこ)さざれば、窮(きゅう)して与えらるることなし


  36. 不責人小過、不発人陰私、不念人旧悪(菜根譚(さいこんたん)

    人の小過を責めず、人の陰私(いんし)を発(あば)かず、人の旧悪を念(おも)わず

    小さな過失はとがめない、隠しごとはあばかない、古傷はわすれてやるの意。


  37. 怨不期深浅、其於傷心(戦国策(せんごくさく)

    怨みは深浅(しんせん)を期せず、それ心を傷(そこな)うに於いてす

    ささいな怨みでも、相手の心を傷つければ、手ひどい報いを受ける。


  38. 処朋友、務相下則得益、相上則損(伝習録(でんしゅうろく)

    朋友に処するに、務(つと)めて相(あい)(くだ)れば則ち益を得(え)、相上(あいしの)げば則ち損ず

    「相下る」とは謙虚な態度でつき合うこと、「相上ぐ」とは相手を見下すこと。


  39. 挙人、須挙好退者(宋名臣言行録(そうめいしんげんこうろく)

    人を挙(あ)ぐるにはすべからく退(たい)を好む者を挙ぐべし

    「退を好む者」とは、控えめな人間、「挙げる」は推薦するの意。


  40. 以利合者、迫窮禍患害相棄也(荘子(そうじ)

    利を以って合(がっ)する者は、窮禍患害(きゅうかかんがい)に迫られて相棄(あいす)

    利害関係で結ばれた者は、苦境や困難に直面すると、たちまち相手を見棄ててしまう。


  41. 与人不求備(書経(しょきょう)

    人と与(とも)にするには備わらんことを求めず

    他の人と接する場合には、相手に完全さを期待してはならない。


  42. 忠告而善道之、不可則止(論語(ろんご)

    忠告してこれを善道(ぜんどう)し、不可なれば則ち止(や)

    相手が過ちを犯したときは、誠意をもって忠告する。それでダメなら、しばらく様子を見るが良い。

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