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仕事のやり方
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仕事のやり方
愚公移山
(列子
(れっし)
)
愚公
(ぐこう)
、山を移す
長期的な展望に立って、あせらず、あわてず、着実な前進を心がけることが成功のもとである。
(むかし、愚公という老人がいた。家の前に二つの大きな山がそびえ立っており、出入りに不便で仕方がない。
あるとき、愚公は思い立って、山を切り崩しにかかった。息子と孫と三人がかりでモッコをかつぎ、
北の海に土を捨てに行くのだが、往復するのに半年もかかる。
それを見て、近くに住むものが笑ったところ、愚公はこう答えた。
「わしが死んでも息子がいる。息子には孫ができる。
孫がまた子供をつくり、子々孫々受け継いで絶えることがない。
一方、山はいま以上高くならない。平らにできないことがあるものか。」)
功崇惟志、業広惟勤
(書経
(しょきょう)
)
功
(こう)
の崇
(たか)
きはこれ志
(し)
、業
(ぎょう)
の広きはこれ勤
(きん)
「志」は目標、「勤」は持続的な努力の意。
立派な仕事を成功させるには、大きな目標が必要、
大きな事業を成功させるには、持続的な努力が必要である。
胆欲大而心欲小
(近思録
(きんしろく)
)
胆
(たん)
は大ならんことを欲
(ほっ)
し、心
(しん)
は小ならんことを欲す
大胆かつ細心であれ
智者之慮必雑利害、雑利而務可信也、雑害而患可解也
(孫子
(そんし)
)
智者の慮
(りょ)
は必ず利害に雑
(まじ)
う、
利に雑りて務
(つと)
め信
(まこと)
なるべきなり、
害に雑りて患
(うれ)
い解くべきなり
智者は利と害の両面からものごとを考える。
利益を考えるときは損失の面も考慮に入れると、ものごとは順調に進展する。
損失を(こうむ)被ったときはそれによって受ける利益の面を考慮に入れると、無用な心配をしないですむ。
不入虎穴、不得虎子
(後漢書
(ごかんじょ)
)
虎穴にいらずんば虎子を得ず
知彼知己、百戦不殆、不知彼知己、一勝一負、不知彼不知己、毎戦必殆
(孫子
(そんし)
)
彼を知りて己を知れば、百戦して殆
(あや)
うからず、
彼を知らずして己を知れば、一勝一負
(ぷ)
す、
彼を知らず己を知らざれば、戦う毎に必ず殆うし
見可而進、知難而退
(呉子
(ごし)
)
可
(か)
を見て進み、難
(かた)
きを知りて退
(しりぞ)
く
有利と見たら進み、不利と見たら退く
見小利則大事不成
(論語
(ろんご)
)
小利
(しょうり)
を見れば、則ち大事
(だいじ)
成らず
小利にまどわされると、大きな仕事を達成することはできない。
愚者闇於成事、智者見於未萌
(戦国策
(せんごくさく)
)
愚者は成事
(せいじ)
に闇
(くら)
く、智者は未萌
(みほう)
に見る
「成事に闇い」とは、ものごとが形になって現れてきても、まだそれに気づかない、
「未萌」とは、ものごとが形になって現れてくる前の段階の意。
争天下者必先争人
(管子
(かんし)
)
天下を争う者は必ず先
(ま)
ず人を争う
「人を争う」は、一、人材の招致、一、人心の掌握の意。
世有伯楽、然後有千里馬
(文章軌範
(ぶんしょうきはん)
)
世に伯楽あり、然
(しか)
るのち後に千里の馬あり
一日に千里を走る駿馬は、伯楽(馬を鑑定する名人)がいてこそ見いだされる。
膠柱而鼓瑟
(史記
(しき)
)
柱
(ことじ)
に膠
(にかわ)
して瑟
(しつ)
を鼓
(こ)
す
琴柱(ことじ)を膠で固定してしまったのでは、出てくるのは同じ音ばかりで音楽にならない。
つまり、融通のきかない硬直した思考を笑ったことば。
処事不可有心
(宋名臣言行録
(そうめいしんげんこうろく)
)
事を処するには心あるべからず
「心」は下心の意。
善戦者勝于易勝者也
(孫子
(そんし)
)
善く戦う者は勝ち易きに勝つ者なり
「勝ち易きに勝つ」とは、余裕をもってらくらくと勝つの意。
弗慮胡獲、弗為胡成
(書経
(しょきょう)
)
慮
(おもんぱか)
らずんば胡
(なん)
ぞ獲
(え)
ん、為さずんば胡ぞ成らん
役に立つ教えも自分の頭でよく考えないと身に付かない、
考えてばかりで実行しなければものに成らない。
以備待時、以時興事
(管子
(かんし)
)
備えを以って時を待ち、時を以って事を興
(おこ)
す
周到な準備を整えて好機を待ち、好機到来と見るや直ちに行動を起こす。
為山九仞、功虧一簣
(書経
(しょきょう)
)
山を為
(つく)
ること九仞
(きゅうじん)
、功
(こう)
を一簣
(いっき)
に虧
(か)
く
九仞の高さの山も最後のツメを怠るとガラガラとくずれてしまう。「仞」は八尺、「簣」は土を運ぶ器のこと。
疑謀勿成
(書経
(しょきょう)
)
疑謀
(ぎぼう)
は成すなかれ
計画に疑問点があるうちは実行に移してはならない。
人莫鑑於流水、而鑑於止水
(荘子
(そうじ)
)
人は流水に鑑
(かんが)
みるなくして止水
(しすい)
に鑑みる
流水はいつもざわついており人の姿を映し出すことができない、
静止した水はいつも澄みきっているので、あるがままに人の姿を映し出す。
「明鏡止水」の語源。
百戦百勝非善之善者也、不戦而屈人之兵善之善者也
(孫子
(そんし)
)
百戦百勝は善の善なるものに非
(あら)
ず、戦わずして人の兵を屈するは善の善なるものなり
百回戦って百回勝ったとしても最善の策とは言えない。戦わないで勝つのが最善の策である。
無急勝而忘敗
(荀子
(じゅんし)
)
勝
(しょう)
を急にして敗を忘るるなかれ
勝とうとするあまり、敗れることもあることを忘れてはならない。(敗れた場合のことも考えよ)
顧小利則大利之残也
(韓非子
(かんぴし)
)
小利を顧
(かえり)
みるは則ち大利
(だいり)
の残
(ざん)
なり
目先の利益につられると大きな利益を失ってしまう。
遠水不救近火也
(韓非子
(かんぴし)
)
遠水
(えんすい)
は近火
(きんか)
を救わず
遠くにあるものは急場の役にはたたないことのたとえ。
始如処女、後如脱兎
(孫子
(そんし)
)
始めは処女の如く、後
(のち)
には脱兎の如し
始めは処女のように振る舞って敵の油断を誘い、
そこをすかさず脱兎のような勢いで攻めたてれば、敵は防ぎようがない。
大行不顧細謹、大礼不辞小譲
(史記
(しき)
)
大行
(たいこう)
は細謹
(さいきん)
を顧みず、大礼
(たいれい)
は小譲
(しょうじょう)
を辞せず
「大行」は大きな仕事、「細謹」は細事をつつし謹むこと、
「小譲」は小さな謙虚の意。大事を前にしては小事にこだわる必要はない。
識時務者在乎俊傑
(三国志
(さんごくし)
)
時務
(じむ)
を識
(し)
るは俊傑
(しゅんけつ)
に在
(あ)
り
「時務を識る」とは、現代の時代の流れをしっかりとつかみ、その中で何をなすべきかを知っていること。
徳者才之主、才者徳之奴
(菜根譚
(さいこんたん)
)
徳は才の主
(しゅ)
、才は徳の奴
(ど)
なり
「徳」は人格、「才」は才能。
小人溺於水、君子溺於口、大人溺於民
(礼記
(らいき)
)
小人
(しょうじん)
は水に溺
(おぼ)
れ、君子は口に溺れ、大人
(たいじん)
は民
(たみ)
に溺る
「溺る」は失敗を招くの意。「民に溺る」とは、民は道理などを解さない無知な連中なので、
バカにしてかかると、かえって大ヤケドをするの意。
矜其能、喪其功
(書経
(しょきょう)
)
その能を矜
(ほこ)
れば、その功を喪
(うしな)
う
「能」は、才能、能力。
小不忍則乱大謀
(論語
(ろんご)
)
小
(しょう)
忍ばざれば則ち大謀
(たいぼう)
を乱る
小さな我慢ができないようでは大きな仕事を仕損じる。
以疑決疑、決必不当
(荀子
(じゅんし)
)
疑を以って疑を決すれば、決必ず当たらず
あやふやな根拠にもとづき、あやふやな心によって判断を下せば、必ず見当外れな結果が導かれる。
福生於微、禍生於忽
(説苑
(ぜいえん)
)
福
(さいわい)
は微
(かすか)
なるより生
(しょう)
じ、禍
(わざわい)
は忽
(おろそか)
にするより生ず
「微」は些細な善行、小さな親切。
疑行無名、疑事無功
(史記
(しき)
)
疑行
(ぎこう)
は名なく、疑事
(ぎじ)
は功なし
「疑行」「疑事」とは、確信を欠いたあやふやな行動、「名」は名誉、「功」は成功。
無遠慮、必有近憂
(論語
(ろんご)
)
遠慮なければ必ず近憂
(きんゆう)
あり
遠いところまで見通して対策を考えておかないと、近いところで足をすくわれる。
奇貨可居
(史記
(しき)
)
奇貨
(きか)
居
(お)
くべし
掘り出し物だ、仕入れておこうの意。このチャンス、のがすべからず。
君子以作事謀始
(易経
(えききょう)
)
君子以って事を作
(な)
すには始めを謀
(はか)
る
君子は、行動を起こす前に、よく調査研究し、計画を練り上げる。
縁木而求魚
(孟子
(もうし)
)
木に縁
(よ)
りて魚
(うお)
を求む
手段方法が間違っていたのでは目的を達する事はできないの意。
人一能之、己百之
(中庸
(ちゅうよう)
)
人、一
(ひと)
たびしてこれを能
(よ)
くすれば、己
(おのれ)
これを百たびす
他の人間が一回でできたことは、あきらめずに百回も挑戦すればやり遂げることができる。
兵形象水
(孫子
(そんし)
)
兵の形
(かたち)
は水に象
(かたど)
る
戦いの方法は、水の如く臨機応変であれ。
三十六策、走是上計
(南斉書
(なんせいしょ)
)
三十六策
(さく)
、走
(にぐ)
るをこれ上計
(じょうけい)
とす
「三十六策」とは、たくさんの戦略戦術、「上計」とは、もっとも上手な戦い方の意。
勝てぬと判断したら、さっさと撤退して戦力を温存すれば、勝てる機会はいつか巡ってくる。
「三十六計、逃げるにしかず」の語源。
善戦者致人而不致于人
(孫子
(そんし)
)
善く戦う者は人を致
(いた)
して人に致されず
「人を致す」とは、こちらが主導権を握ること。
履霜堅氷至
(易経
(えききょう)
)
霜を履
(ふ)
みて堅氷
(けんぴょう)
至る
秋になって霜が下(お)り始めると、やがて堅い氷の張りつめる厳しい冬がやってくる。
どんな大事件でも、その前触れとなる出来事、前兆がある。それを見過ごすことなく、
直ちにその動きを察知して、早めに手を打たなければならないの意。
事以密成、語以泄敗
(韓非子
(かんぴし)
)
事
(こと)
は密なるを以って成り、語は泄
(せつ)
なるを以って敗る
計画を成功させるには秘密のうちにとり運ばなければならない、外に漏らしてしまっては失敗を免れない。
賢士之処世也譬若錐之処於嚢中
(史記
(しき)
)
賢士
(けんし)
の世に処
(お)
るは譬
(たと)
えば錐
(きり)
の嚢中
(のうちゅう)
に処るが若
(ごと)
し
有能な人物は袋の中(嚢中)に置かれた錐が切尖(きっさき)を現わすように、必ず頭角を現してくる。
先発制人、後発制於人
(漢書
(かんじょ)
)
先発すれば人を制し、後発すれば人に制せらる
鶏肋
(三国志
(さんごくし)
)
鶏肋
(けいろく)
たいしては役に立たないが捨てるには惜しいの意。
事予則立、不予則廃
(中庸
(ちゅうよう)
)
事予
(あらかじ)
めすれば則ち立ち、予めせざれば則ち廃
(はい)
す
なにごとも、十分な準備をしてとりかかれば成功し、それを怠れば失敗する。
建功立業者、多虚円之士
(菜根譚
(さいこんたん)
)
功を建て業を立つるは、多くは虚円の士なり
事業を成功させ、功績を立てるのは、素直で機転のきく人物である。
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