日本神風 は吹いた!!
−− 日本奇跡への軌跡 −−



'98 フランスワールドカップ アジア最終予選B組
国名  日 本  ウズベキスタン  UAE   韓 国  カザフスタン  勝ち点 総得点 得失点差 最終順位
 日 本  6○3  1▲1  1●2  5○1  13  17    8  2位
 1▲1  0▲0  2○0  1▲1
ウズベキスタン  1▲1  2●3  1●5  4○0   6  14   −5  4位
 3●6  1▲1  1●2  1▲1
 UAE  0▲0  1▲1   0●2  4○0   7   9   −5  3位
 1▲1  3○2  0●3  0●3
 韓 国  0●2  2○1  3○0  3○0  19  18   12  1位
 2○1  5○1  2○0  1▲1
カザフスタン  1▲1  0●4  3○0  1▲1   6   7  −12  5位
 1●5  1▲1  0●4  0●3
     上段がホームゲーム、下段がアウェーのゲーム。

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緒戦 日本−ウズベキスタン
 直前になってセントラル方式からホーム&アウェイ方式に変更されたアジア最終予選、 緒戦日本はホームの国立競技場にウズベキスタンを迎えた。
 試合は終始日本のペース。前半3分、カズがPKを決めると、23分にもカズのゴール、 40分の中田、44分の城と大量4点差で折り返した。しかし、後半11分中盤からの縦パス1本で裏を取られシャツィフがゴール。その8分後カズがハットトリックとなるゴールで4点差に戻す。 後半24分には川口がウズベキスタンFWと接触、PKを取られこれが決まり再び3点差に。 後半32分にもシャツィフにゴールを許し2点差になったが、35分にカズがトラップをミスしながらもDFをかわしカズにとって4点目を決めた。
この試合では大量6点を奪い、課題であった決定力不足について成果を出した形となったが、前半の4点差をキープできずに終了するなど、守備面、メンタル面での課題が残った。また、後半13分に西沢を起用されたが、結局36分に下げられ結果を出せなかった事も問題であろう。
 とはいえ、緒戦を快勝したことによりリズムに乗るかに見えた、が・・・・・・。

  試合結果
      日 本−ウズベキスタン
(国立競技場) 
  前半    4−0
  後半    2−3
_____________
TOTAL    6−3



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第2戦、日本初アウェー UAE−日本
 日本代表にとって初めてのアウェー戦。序盤はUAEの攻撃に苦しむも徐々に攻撃のリズムとつかむが、1点が取れない。後半29分FKを井原がゴール右スミに流し込むも、オフサイドポジションの小村が押し込んだためノーゴール。結局攻めきれずに0−0に終る。
中東の暑さの中でよく戦い勝ち点1を拾ったともいえるが、2点を落としたとの見方もあった。実力的には勝てないこともないチームに対して積極的な攻めが少なく、日本の不甲斐なさを感じさせるゲームだった。 この時点で1位は無敗韓国。2位は得失点差でUAE。3位が日本。

  試合結果
      UAE−日本
() 
  前半    0−0
  後半    0−0
___________
TOTAL    0−0



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第3戦、宿敵韓国戦 日本−韓国
 前半の天王山、韓国戦。これに勝てばフランスへの道のりがぐっと近くなる大事な試合。この試合から日本帰化し代表入りした呂比須が先発。
 前半は互いに譲らず0-0のまま終える。後半22分韓国DFの不用意なボールキープを奪いゴール前に切れ込んだ山口が切り返しでDFを外し前に出たGKの頭上を越す芸術的なスーパーループシュートで1点を先制。その後先制点を許した韓国イレブンに混乱が見られ、日本がいいリズムで試合を進める。韓国はリズムを変えるため、スピードのあるキム・デヴィを投入、これに対し日本は呂比須を下げ秋田を投入、マークにつけた。だが、この選手起用が結果的に凶と出る。攻撃のリズムに乗っているところにFWを下げDFが入ったことで選手に混乱が生じ、その隙を突かれ後半39分同点にされる。あわててFW西沢を投入するも機能せず、逆に後半41分、秋田はキム・デヴィが下がるためずるずると引き摺りあげられて空いたスペースに、前半呂比須をマークしていたイ・ミンソンが走り込み強烈なミドルシュートを放ち、これがコールネットを揺さぶる。
宿敵韓国に対して勝利目前であった日本にとって残り16分間の悪夢となった。有利と見られていたホームでの敗戦のショックは大きい。
 この結果日本は勝ち点4のままで首位争いから一歩後退、逆に韓国勝ち点9は一歩リードした。また2位UAEにも勝ち点7と水を空けられた。

   試合結果
      日本−韓国
(国立競技場) 
  前半    1−0
  後半    0−2
__________
TOTAL    1−2



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第4戦、中央アジア遠征 カザフスタン−日本
 韓国戦に敗れた日本としては5チームの中では比較的力が劣ると見られる中央アジア 2チームに対して星の取りこぼしをしないようにしたいところ。
 この試合でも先制したのは日本。前半22分、名波のCKを秋田が頭であわせゴールを決める。しかし、日本は再三のチャンスに得点出来ず、ロスタイムにズバレフの振り向きざまのシュートが決まりまさかの引き分けに終る。
 同節行なわれた韓国-UAE戦は韓国が勝ち、勝ち点を12と延ばした。この結果、B組は韓国の1位が濃厚となり、2位を日本(勝ち点5)UAE(勝ち点7)が争う展開となった。
 試合終了後、遠征中にもかかわらず成績不振を理由に加茂監督更迭。後任は岡田コーチが昇格。遠征中の急な監督人事による混乱を懸念するマスコミやサッカー関係者も多かった。まるで4年前を見ているような同点劇に今後の日本代表に対する不安感、不信感が高まるばかりである。
 試合結果
 カザフスタン−日本
() 
  前半  0−0
  後半  1−1
________
TOTAL  1−1



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第5戦、リーグ戦折り返し ウズベキスタン−日本
 カザフスタン戦で星を取りこぼした日本としては、緒戦で6点を挙げたウズベキスタン相手に きっちりと勝ち点3を獲得しライバルに追随しておきたいところ。
 前半33分日本も城が素晴らしいヘッドでゴールネットを揺らすも、疑惑のオフサイド判定。ビデオではどう見てもオンサイドであり、一番近い副審も旗をあげずにセンターサークル方向に動いていたが、主審の笛を聞いて戻りながらあげていたため、日本では不当ジャッジではないかと騒然となった。
 前半31分、CKからこぼれたところをカムバラリエフに決められ、最終予選で初めて先制点を許した。その後も守りを固めるウズベキスタンに対し決定的チャンスのほとんどない日本。焦る日本はしっかりしたビルドアップが出来ず苦しい展開。
  後のない日本は、後半に入ると森島、斉藤に代えて中田と呂比須を投入。さらに、秋田を前線に置く超攻撃的フォーメーションにシフトし、ロングボールでFWに合わせる攻めを繰り返した。そして、日本中のだれもが負けたかもしれないと思っていた後半40分、井原のロングボールに呂比須が頭で合わせ、詰めてきたカズにキーパーがつられたところをカズがスルー(触れなかっただけ?という気もしないではない)、ボールは転々とがら空きのゴールに転がり込む。日本待望の同点ゴール。そして呂比須の代表初ゴール
 結果は前節と同じ引き分けであるが、岡田監督が語ったように、終了間際に点が取れることを 証明し、次につながる引き分けだった。しかし、この試合終了時点で日本は1勝1敗3分けで勝ち点6、UAEは2勝1敗1分けで勝ち点7。UAEが日本戦以外の残り3試合を全勝した場合日本が残り3試合を全勝しても勝ち点で及ばず、自力優勝の可能性が消えた。
 なお、試合後日本はFIFAルールにのっとり試合終了後すぐにマッチコミッサリーに城のオフサイド判定に正式に抗議した。

 試合結果
 ウズベキスタン−日本
() 
  前半  0−0
  後半  1−1
________
TOTAL  1−1



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第6戦、直接対決 日本−UAE
 前節でUAEがカザフスタンにまさかの敗北を喫したため、再び日本の自力2位の可能性が出た。日本は、UAEとの直接対決はぜひとも勝っておきたいところ。反対にUAEにとっては勝ち点差をキープできればいい。
 なお、前回のオフサイド判定に日本が抗議したことに対し、審判のジャッジが最終的な判定であると正式に回答した。ただし、審判団をこれまでのアジア人の審判から欧米・南米の審判にかえることを決定した。
 前半3分、パスを受けた呂比須がDFを一人かわし、角度がないためセンタリングかと思われたが素晴らしいシュートを左サイドネットに突き刺し先制。しかし、その後追加点が取れず、逆に危ない場面も幾度かあり苦しい展開となった。前半36分にはFKからハッサンスハイルが頭で合わせ同点ゴールを許してしまう。その後日本が攻めるも点が取れず結局引き分け。
 試合後、先制しながらも同点を許し、攻めながらも点の取れない代表の不甲斐なさに一部サポーターの怒りが爆発。選手に生卵が投げられたり、グラウンドに発煙筒や空缶が投げ込まれた。また、選手送迎バスもサポーターに取り囲まれた30分以上も動けないなどの騒ぎとなった。
 またしても自力優勝のなくなった日本。これ以上の敗戦は許されないが、次節は日本が相手だと燃えるBグループトップの韓国との対戦。これに対し、UAEはBグループ最下位のウズベキスタンとの対戦。勝ち点差が開く可能性は会っても知事丸可能性はかなり低い。奇跡が起きない限り日本のBグループ2位は無理か?

 試合結果
 日本−UAE
() 
  前半  1−0
  後半  0−1
________
TOTAL  1−1




第7戦、吹くか!?神風!宿敵韓国 韓国−日本
 既にW杯出場を決めている韓国であるが、日本戦だけは勝つとかなりの意気込みで望んでいる。 対する日本ももう後がない。日本は過去、韓国のホームでは13年前の1勝しかしておらず、韓国の圧倒的有利と見られていた。韓国は攻守の要、リベロのホンミョンボを出場停止で欠く。
 日本は立ち上がり2分に相馬が左サイドをオーバーラップし、低いセンタリング。 カズには合わずにスルー。その右に走り込む呂比須も少し入り込みすぎ。呂比須は更に右後ろから走り込んでいる名波にヒールで流す。韓国DFはカズ、呂比須に集中し、名波はフリー。名波はダフり気味ながらも呂比須につられていたキーパーの逆をついて先制ゴール。しかし、前節まさかの同点に追いつかれたこともあり、追加点の欲しいところ。日本はペースをつかみつつも点の取れない時間帯が続いたが、37分オーバーラップした相馬がゴールライン付近でボールをキープ、うまく韓国ディフェンスをかわしセンタリング。呂比須がきっちりと決め、待望の追加点!韓国も攻勢に出るが45分にFWチェ・ヨンスが秋田とゴール前で競ったときに鼻骨をぶつけ、出血が止まらないためフィールドに復帰できず、後半からキム・ドフンと交代。
 後半も点の取れない韓国はラフプレイが目立ち始め、後半8分、チェ・ヨンイルがカズに悪質なファウル、カズと言い争いになり両者にイエローカード。カズは累積2枚目で次節出場停止となる。後半10分には呂比須もロングボールを競った際にイエローカードをくらい、こちらも累積2枚目で次節の出場は出来ない。後半34分にチェ・ヨンイルがこの試合2枚目のイエローカードを受け退場、11人対10人となり試合を決定付けた。結局、このまま2−0で日本が勝ち国立の雪辱をはらし、B組2位に望みをつないだ。
 同節UAEはウズベキスタンとの試合を一方的に攻めながらも決定力に欠き、ついにゴールマウスを割ることが出来ずにまさかの0−0引き分けに終った。このため、第7節終了時点で日本の勝ち点がUAEを上回り、次節カザフスタン戦を勝てばB組2位が確定する。
 奇跡はもうすぐそこだ!  

 試合結果
 韓国−日本
() 
  前半  0−2
  後半  0−0
________
TOTAL  0−2




第8戦、B組2位争い 日本−カザフスタン
 この試合に勝てばUAEの試合結果いかんに関わらず日本のB組2位が決定し、 第3代表決定戦に進むことが出来る。出場停止のカズ、呂比須の代役に呼ばれたのは ドーハ経験者の中山と高木。
   日本の注目の先発ツートップは中山、城。前半12分、FKから秋田があわせ、先制ゴール!4分後に中田が左足でシュートはGKがボールに触りながらもゴール。散々はずしまくった中山も44分にヘッドでゴール!中に着ていた11番のユニフォームをアピールするパフォーマンスを見せた。
前半で3−0とリードした日本は後半27分エフテエフのFKで1点を奪われるも、21分の井原、33分途中出場の高木の追加点で5−1と快勝!!3位決定戦進出を決定した。特にカズ、呂比須が出場停止で抜けた穴を、急遽呼ばれたドーハ組中山、高木がよく埋めたことが大きい。ゴールデン方式の第3代表決定戦を前に点の取れるFWが加入したことは心強い。

 試合結果
 日本−カザフスタン
() 
  前半  3−0
  後半  2−1
________
TOTAL  5−1


 



第3代表決定戦 日本−イラン

 11/12に行われたA組最終戦カタールvsサウジアラビア戦でサウジアラビアが勝利した 結果、アジア第3代表決定戦の日本との対戦相手はイランに決定した。
イランは直前の11/14にマレーシア入り、また中盤の要であり、イランのほとんどの得点を たたき出しているバゲリをカード累積による出場停止で欠いている。なお、試合前日 FWアジジが怪我をするシーンがカメラに捉えられたが、タイミングといい、ベンチの態度といい、 かなりうそ臭い感じがした。
 リーグ戦を2連勝で終えた日本に対し、3試合連続無得点、監督更迭のイランは勢いが 違う。日本は、引き分けなしのこの試合にFWを6人連れて行き、得点する意図が明確に 現れていた。そして11/16運命の日はきた。
   オウンゴール?
 試合開始直後に日本の入れたクロスにイランのDFがクリアしようと頭で合わせたボールが イランゴールのネットを揺らし、オウンゴールか?と思った瞬間、判定はオフサイド。 オフサイドポジションにいた選手がクロスボールに反応していたための判定であろう。
   立ち上がり
 とりあえず命拾いしたイランは3トップの布陣で日本のゴール前に襲い掛かる。日本も このところノっている相馬のオーバーラップで攻めるも、イランも日本の左サイドをケア している為、決定的なチャンスは作れない。イランも鋭いミドルシュートを放つも、キーパー 川口の好セーブで得点を許さない。
   先制点!!しかし・・・
 そんな中、3?分に中山がDFから抜け出しキーパーの脇を抜くシュートを決める。日本待望の 先制点。前半はこの1点を守り折り返す。  後半開始早々イランの怒涛の攻撃、井原のミスからペナルティエリア内に持ち込まれ、 イランの強烈なシュートを 川口が止めるも、こぼれ球をイランに押し込まれ同点とされる。その後もDFを交わしたイラン の選手に秋田がつきに行ったところをセンタリング、ダエイの頭に 合わされ逆転を許す。日本の点を取られたときに守備が乱れて点を取られる最悪パターン。
   城、呂比須投入!!
 岡田監督はカズ、中山に替え城、呂比須を投入。リズムを日本に取り戻すのが狙いか? NHK(BS)の解説も言っていたように中山は残した方がよいのではないかと思ったが、 この選手起用は見事に当たる。城のヘッドで日本は同点に追いつき勝負を延長戦に持ち込む。
   延長戦、岡野投入!!
 延長戦に岡田監督は北澤に代え岡野を投入。ゴールデン方式のため点を取りに来るイラン に対し、DFの後ろに空いたスペースに岡野を走らせる狙い。この狙いは功を奏し、岡野は2度の 決定的チャンスを得るが、どちらもゴールマウスを割ることが出来ず、そのあとの1対1の 場面では横に流しイランDFに引っ掛かりチャンスをつぶした。後半戦に入った時点で 日本、イランともに3人の交代選手を使いきり、これ以上の選手交代は出来ない。
   決着!!!
 延長後半に入り、城のダイビングヘッドを止めに行ったイランキーパーがゴールポストに 激突ホントかウソか分からないが、かなり痛めた様子。 度重なるシュートチャンスを逃す岡野の投入が失敗かと思った矢先、DFからわずかな隙間を ついて、中田のシュート、イランキーパーを襲う。キーパーがはじいたところに岡野 が走り込み、シュート!!決まった!! 日本が延長でイランを下し、W杯出場を決めた。
 おめでとう、日本代表!ありがとう、日本代表!

 
試合結果
  日 本 − イラン 
  前半  1−0
  後半  1−2
延長前半 0−0
延長後半 −0
________
TOTAL  3−2

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