ENTRANCE>TRPG-LABO>REPORT#07
TRPG REPORT No.07 「自己流 シナリオ作製術」/編集:かに
[戻る]
Update 2003/05/02

「自己流 シナリオ作製術」

普段、私がシナリオを作成するときの方法とかをまとめてみました。
初めてGMでシナリオ自作するといった人はもちろん、既に作ってるという人にも参考になればと思います。

1.ネタ集め
まずはともあれ、シナリオにするネタを集め、考えるのが最初です。
その方法はいくつもあるのですが、私は。
・小説やマンガなどから
・適当なキーワードから連想
・キャラクター設定から
などなど

最初の「小説やマンガから」はいたって単純な話です。
読んでいていい話だと思った個所を使ってシナリオを考える事になります。
もちろん、そのまま使うとはしないで自己流にアレンジする事は忘れないです。
元ネタはそのほかにも
「リプレイ」・「ドラマ」・「ニュース(新聞)」・「ゲーム」
など、尽きる事はありません。

次の「適当なキーワードから連想」というのは
 魔剣の出るシナリオにしよう
 どんな魔剣?・・・・・触ると人を洗脳する
 何故洗脳するの?・・・過去の復讐
 何の復讐?・・・・・・国を滅ぼした人間
  :
  :
といった感じで、1つの単語から連想していく方法です。
続けていけば、物語に必要な設定や人物が出来上がるはずです。
3月だからひな祭りをネタに・・・というのもこの方法に当てはまると思います。

最後の「キャラクター設定から」というのは先にプレイヤーのキャラクターが出来てないと使えません。
キャラクターをよりストーリーに絡めるためには効果的です。
例えばある団体に復讐を誓っているという設定を持つキャラクターが居るのであれば、 今回の事件にその団体が関与しているとすれば、そのキャラクターは積極的に行動するでしょう。
事件の当事者になった方がプレイヤーも動きやすいです。

これらを組み合わせてシナリオを作成するという形になります。
一つで使うよりも効率よく作れるはずです。

他には
・出したいキャラクター・敵キャラを元に連想
・TRPGシステムの世界観から
・夢

白紙の状態からシナリオを考えるのは非常に難しいです。
シナリオを考えるための出だしを決めるのがここでの作業です。

TOP
2.予告作製
シナリオの詳細を決める前に私は予告文を作ってしまいます。
難しい事を考えず適当に作ってしまっても構いません。
(もちろん、既にシナリオが固まってるならそれを書けばいいだけです。)
適当に作った場合には、予告が「シナリオ作成のネタ」になります。

予告文のポイントは
・起きている事件の概要
・キーとなる言葉を混ぜるようにする
・細かい事までは書かない
という点に気をつけるべきだと思います。
最初の「起きている事件の概要」は余り説明する必要は無いと思います。
今回のシナリオが人探しなのか、ダンジョン探索なのか、そういったのを伝わるようにします。
次の「キーとなる言葉を混ぜる」というのはプレイヤーの注意を促す事にもなります。
予告に「月と太陽」という言葉が入っていれば、シナリオ中に「太陽の剣」が登場した時点で それが重要なアイテムなんだ、という事を暗黙的にプレイヤーに伝える事が出来ます。
この場合、さらに月に関わる何かもあるはず、というのも予測がつくでしょう。
プレイヤーが注目し、重要な言葉はキーとして予告に混ぜておきましょう。

最後の「細かい事までは書かない」は1・2番目の逆のような気がします。 テーブルトークの場合、予期せぬ事でシナリオが大きく変わる事も有りますし、細かく決まってると「一本道のシナリオ」になってしまいます。
そういう意味で予告ではぼかした表現で乗り切るというのも重要でしょう。
 例:湖の主が滅びた時→湖が赤く染まる時
 後の方なら、「湖の主」は死ななくても良い、血によって染まるという事も考えられるから。
 赤い月が昇って赤く染まるというのもありですね。

TOP
3.シナリオ作成
本来シナリオを作成するときは時系列順に書くべきだと思うのですが、適当でいいです。
最近のシーン性のゲームならなおさらの事。
プレイしてもし順番が逆になった時は「時はさかのぼって」という方法があります。
箇条書きで必要最小限のことをまとめていきましょう。
・導入シーン
・最低限起こるべきイベント
・演出したいシーン
・必要最低限プレイヤーに与える情報
はまとめて置くべきだと考えています。
逆に不必要に詳細なイベントを書き出すとシナリオ展開が予期せぬ方向に向かった時、無駄になります。
(GMが予期したのと違う展開になる事は良くある事ですので。)

エンディングは最良と最悪のエンディングを最低でも考えておきます。
エンディングは細かく変わる場所なので書き出す必要はないというのが私の意見です。

TOP
4.設定書き出し
登場するNPC、データが必要なアイテムは書き出しておきます。
人物なら名前、年齢、性別、性格、外見など、
アイテムなら名前、形状、効果
など必要に応じて書き出します。

当日のシナリオで使わない裏設定なども書き出しておきましょう。
後日続きのシナリオを考える時などに役に立ちます。

また、シナリオの舞台の設定も必要に応じて書き出します。
登場する町の重要な場所、簡単な地図があればイメージが伝わります。
ダンジョンが登場するなら、ダンジョンマップの作製が必要でしょう。

TOP
5.ハンドアウト作製
ここまで決まった所でハンドアウトを作成します。
プレイヤーの人数分用意すればいいのですが、+1作れれば理想的です。
プレイヤーの人数が当日増減するという事は想定しておいた方がいいです。
コンベンションで行うシナリオなら5人分用意しておけばいいでしょう。

ハンドアウトに最低限書いておきたいことは
・シナリオ参加への動機付け
・重要NPC(まれにPC)との関連付け
・そのキャラクターへ与える独自の情報
・推奨される職業(クラス)
・特殊な設定

上のを全てのキャラクターが全て満たしている必要は無いです。
ただ、上の3つはあるとないとで大違いだと思います。最低2つは満たしておきます。

TOP
6.ボスを作る
最後にラスボスを作ります。ラスボスとの戦闘はTRPGの華だと思うので無しはお勧めできません。
ラスボスを作る際、プレイヤーとのバランスをうまく取るかが鍵です。
プレイヤーからの攻撃を適度にくらい、防御力は高すぎないように注意すること。
絶対に倒せないボスは作らない事、ぐらいでしょうか。 この辺はシステム固有のバランスがあるので慣れることが肝心です。

バランスを取る時は「命中」「回避」「HP」を直すのが基本です。
システムによっては能力(奇跡とか加護とか)の数を調節します。
ゲーム開始前に全キャラクターのシートを回収し、戦闘能力を確認しておきましょう。

TOP
◆便利な道具
私がシナリオ作成時に使う道具を紹介します。
・パソコン
 ハンドアウトを印刷したり、シナリオをまとめたりで使っています。
 各種シートのフォーマットを作っておくと便利です。
・ノート
 思いついたシナリオのネタをメモしておくのに使ってます。
 最近はパソコンに保存しておく事が多い。
・辞典
 名前を付けたりする時に使う。最近はもっぱらWeb辞書。
TOP
◆便利なHP
覚えておくと便利なHPを載せておきます。
検索サイトなどで自分にあったHPを置くといいと思います。

・システムの公式HP
 最新情報やエラッタ・FAQなどがあり便利です。
・名前の由来のHP
・ゲームなどの登場人物をまとめたHP
 キャラクターの名前を付ける時に便利です。
・リプレイを載せているHP
 シナリオ作成時のネタを探す時にどうぞ。
・神話や伝承に関するHP
 北欧神話を元にしたシステムは多いです。
 シナリオのネタにも使えます。
・ゲーム関連のHP
 モンスターのイラストはモンスターのイメージを膨らます時に役に立ちます。

TOP
[戻る]