活動記録-付録5 第27回「炎群月夜」追記 |
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GMから頂いたシナリオ資料などを掲載しています。
文章は編集していませんが、レイアウトの関係で改行を付けたり句読点つけたりはしています。
また、一部掲示板の書き込みを流用しています。
第27回コンベンション・アルシャード
ハンドアウト:PC1/チェイシングドラグナー
コネクション:恋人
「無事戻ってこれたら結婚しよう」
それが君が彼女にかけた最後の言葉だった。
街が燃えていた。逃げ惑う人々を書き分け行き着いたのはひときわ大きな炎の塊。かって君たちの家と呼ばれていたものだ。飛び込むと同時に汗が渇き、衣服が燃え上がった。愛しき人を呼ぶ咽が瞬間的に焼け爛れる。そして君は光に包まれた。
君は力を手に入れ、全てを失った。彼女を含む全てを守るために求めた力は誰にも祝福されることなく君の中に生まれた。
それから3年、シャードに導かれるままただひたすら戦い続けた。全てを忘れ、戦闘機械として生きてきた。
目の前に一枚の写真があった。奈落の調査に赴いた仲間が撮ったものだ。そこには一人の女性が写っていた。
ハンドアウト:PC2/エイリアスエイリアン
コネクション:なし
燃えていた。炎がまわりの温度をどんどん上昇させていく。木々の燃える臭いが辺りを包み、熱気が八方から押し寄せる。気が付くと君は焼けた大地に立っていた。
ここはどこだろう? なぜこんなところにいるのだろう? 答えるものはない。
そして自分はだれだろう?
ハンドアウト:PC3/モンスターハンター
コネクション:ノルン
きみはノルンに所属する一流の狩人だ。人に害を成す魔獣を退治することにかけては第一人者といって言い。そして依頼は舞い込んだ。鬼と竜の住まうと噂される魔岳――ウザーラ山脈。人界に被害が少ない為放って置かれたのだが近頃竜が人を襲い始めたらしい。しかも依頼人は娘を奪われたオーガだというからこれまた飛び切り替わった話だ。ドラゴンスレイヤー。その称号を口ずさみ君は1人、ほくそえんだ。
ハンドアウト:PC4/シャープエージェント
コネクション:帝国
「プライムローズの新兵器。そのようなあってはならないものが墜落したらしい。今の戦力バランスを覆すほどの力を持ったアームドギアではないかと予想される。君は速やかに現地に赴き、ターゲットの奪取、もしくは破壊を行なってもらいたい」
気軽に言ってくれるものだ。まあ逆らった所で給料が下がるだけ、結局いかされるのだ。まあ、たまには山の空気を吸ってくるのも悪くない。
ハンドアウト:PC5/ブラコンヒーロー
コネクション:お兄様
「さあ、準備は整ったぞ。早く用意したまえ。どこに行くかだと? 決まっているではないか先日落ちた隕石を拾いにだよ。星の欠片。ああ、なんともロマンチックではないか。さぁさぁっ。兄弟2人で楽しいピクニックとしゃれこもうじゃないか。
安心しろ。ちゃんとお前の分も探してやるから」
選択の余地がないことはもうわかっていた。血は水よりも濃いと言ったバカはどこのドイツだ?
その2 真のエンディング?
おまけ アルシャード「炎群月夜」真エンディング
「ここは・・・」
何もない中、月だけが明るい。
「どこ・・・」
辺りを見回す。
「お父様・・・!!」
下生えの中に横たわる変わり果てた父親の姿。
記憶が甦る。
旅立ちの前与えられた10年間の猶予。これから消滅するであろう世界、滅びるしかない人間を見て廻ろうと思ったのは母親の影響だろうか。幸いにも父の血を引かなかった為人界に溶け込むのは容易だった。
あの人に会ったのはいつだったか。最初はただの人間の1人にしか見えなかった。その'この世界を守る'という言葉を聞いた時、私はきっと冷笑していたはずだ。あと数年で滅びることを囁いたら彼はどんな顔をするだろう。そして私はその男といっしょに暮らすことにした。いつか決められた運命を告げることを夢見ながら。
「・・・お前に一度、我らの故郷を見せてやりたかった・・・。どこでおかしくなってしまったのだろう・・」
「だめ、もうしゃべらないで! 血が、血が止まらないの!!」
「・・・ワシはもうだめだ・・・。お前の母親と違って男を見る目だけはあるようだな・・・」
生物的に劣る種族と暮らして私は毒された。平穏というこれ以上ない猛毒だ。永久にこの時が続けばいいと願っていた。だが、時が迫っていた。早くなんとかしなければこの星は滅びる。私の一族の手によって。それだけは防がねばならない。あの人が守っているこの平和を脅かしてはならない。手段を選んでいる暇はない。
「お父様・・・」
そう、私は父親を裏切ったのだ。一族を、はるか過去より続いた悲願を邪魔したのだ。けして許されることのない罪。彼らが来た時私は思ったのだ。私を罰するものが来たと。願わくばもう一度あの人に会いたかったと。
「私のために再生の力を使ったのですね・・・?」
爪も牙も奈落の侵蝕もない元の体。父は死にゆく自分ではなく私に再生の力をつかったのだ。
「なぜです・・・」
返事はない。
「1人で生きる・・・。それが私に課せられた罰なのですか・・・」
最後に一目、彼の姿が見たかった。家に戻っているだろうか。それともまた世界を救うために飛び回っているのだろうか?
私達の家があった場所には見慣れぬ新しい家が立っていた。もう3年も前だ。彼もきっと引っ越したのだろう。その時、その新しい家のドアがカチリと開いたのであわてて身を隠した。彼だ。まだここに住んでいたのだ。生きていてくれたのだ。再び盗み見た時私は涙がこぼれるのを抑えることが出来なかった。彼の腕に抱かれた赤毛の赤子。生まれてすぐに手放してしまったあの子をあの人が育てている・・・。どのような運命が働いたかはわからない。だがこの時私はこの星を守れたことを改めて感謝した。
気づくと歩き出していた。彼は気づいていない。見つかったら引き返せなくなる。そう思いながらも意に反して足はゆっくりと進んでいく。その時、彼に寄り添うように一人の女性が出てきた。顔は見えないが私と同じような青い髪をしているのが見て取れた。そう、三年だ。三年間いなくなれば恋人の一人や二人いてもおかしくない・・・。
気がついた瞬間、私は彼につかみかかっていた。どうやら私は思ったより烈しい性格だったらしい。青い髪だったら誰でも良いのか! と怒鳴った瞬間、驚きに目を見開く自分そっくりの顔がすぐ側にあった。