黒い瞳/ル・ボレロ・ルージュ(大劇場)


大劇場では1回しか観なかった。
後でもっと観ておけばよかったと後悔したけど、ま、仕方が無い。
(その分1000Daysでガンガン観たしね。)
だって、柴田作品じゃあ、あんまり観劇意欲が湧かなかったんだもん。(「チェーザレ」の悪夢が・・)

という訳でお芝居の話に入ろう。
全く期待せずに観た私だったが、結構面白かったのでビックリした。
そして、今改めて思うと、本当にオーソドックスな宝塚的お芝居だったな、と。
貴族とコサック(
平民)との対立を背景に、
男女の恋愛と男同士の絆を絡めてドラマが展開していく。

典型的とも言えるかもしれん。
とかく、ヅカでは貧乏人と金持ちの対立っていうネタは死ぬほど使われてるもんね。

脚本的にはよく出来てるぅ!とまではいかずとも、ま、ブイブイ文句言うほどの破綻は無いし。
ニコライとプガチョフの対比もしっかり描けている。
しかし、一番の勝因は 演出を謝珠栄に任せたこと、これでしょ。
やっぱり、新鮮だったし、スピーディーで飽きなかった。 音楽の使い方も好きっすね。
柴田演出だったら、案外退屈な芝居だったろうと思うよ。



と、脚本・演出についてはあっさり終わって、出演者の話へ〜。
(1回しか観てないから細かいことは書けないけど。)

*

まみのニコライ。
貴族のボンボン、世間知らずで清潔な2枚目。しかも25歳の若造。
・・・ムカムカ・・オロローーン
まみは大人の男が似合うんだぞーっ。
何でこんな柄でもない役ばっかり続くんだ。 不満バリバリじゃああ!!
柴田センセのばぁろー!座付きのくせに愛がないじゃんかよ。
・・・私情を挟むのはこれぐらいにしよう・・

何か、フワフワした2枚目で余り魅力的ではない
お話の中心はプガチョフの栄光→衰退にあり、ニコライはひたすらそれを見守るだけ。
自分では何にも出来なくて周りに翻弄されるだけ。
軍服は似合ってるけど。
何が悪いってんじゃないけどさ、やっぱり存在感薄い
これは「チェーザレ」地方の時からずっと思っていたことで、常々書いて来たことだけど、
どうにも線が細くて(体型じゃないよ)主役に見えないの。
出番は一番多い筈なのに印象希薄。
確かに役柄は似合わないけど、それだけのせいには出来ないでしょ。

嗚呼、2番手の時のあの輝き・存在感は何処へ!?
何だか2番手というポジションがまみにとって天職だったのかとさえ思える・・。

*

風花のマーシャ。
今回でサヨナラの彼女。
サヨナラだというのに・・つまらない役だー。(泣)
ダンスシーンは結構あって、それはいいんだけどさ、可愛いし。
しかし、娘役風花舞を100%生かせる役では決してないでしょ。
宝塚の典型的なヒロインって感じだもん。
何か仕所が無くて気の毒って印象だった。

*

紫吹のプガチョフ。
存在感と色気、艶、華やかさなどは圧倒的で、すーごい 濃ゆくてモーレツ
基本的に合ってるし、おいしい役だし、いいんだけどさ。
でも、虐げられるものの屈折感や切迫感に乏しいのが難。
特に登場シーン。
ヘラヘラし過ぎで能天気に見える。
ただの浮浪者でしかもそれを自分で楽しんじゃってるようなムードである。
まみニコライに親切にしてもらっての反応も冗談めかした感じで、
そんな、そこまでニコライに対する思い入れが強いとは思えないのね。
その結果、後にニコライと再会してから彼に対してブタ甘なのが、説得力まるで無いんである。

脚本上は、ニコライとプガチョフは友情というよりもっと強い絆で結ばれてるらしいが、
そーんなディープな仲にはとてもとても
(勿論、まみの方にも問題はあるけどね。)

*

初風のシヴァーブリン。
脚本の書かれ方も酷いと思ったが、初風も芳しからず〜。
屈折感に乏しかったし、ベースにマーシャが好きで諦めきれないってのがあるのに、その点もあまり感じられなかった。
やたら口の端上げてニヤリと意地悪そうに笑ってるばっかで、小粒な悪役って印象。
大体、初風の持ち味からして敵役は似合わないよ。



千紘のエカテリーナは大迫力。
ドォォォーーーン!!
めちゃくちゃハマリ役。

樹里のマクシームィチはあんまり映えなかった。
あーいう役だと、樹里って通り一遍の出来っていうか・・。
さして魅力は感じない。
しかもこの役、妙に「EL DORADO」のディエゴと重なる部分があっ
たじゃない。
イマイチですワ。
それにしても樹里を宙組に持って行かれるとは思わなかった・・。
イタイ、イタ過ぎる。(泣)
月組ファンとして凄く悲しかったよ私は〜〜。

それから最高だったのが未沙のえるのサヴェーリィチね。
つーか私、未沙のえる大好きなんすよ。ファンです。(笑)
「そんなん眼ェつぶってチュッとやりゃあいいんですよォ!」
科白の言い回しが絶妙ね。
もう調子のいい人間演らせたら右に出る者無しでしょ。(笑)
それでいて、根底に流れているニコライへの忠誠心や思いやりもしっかり感じられる。
ホンマ、素晴らしいです。




ショー「ル・ボレロ・ルージュ」。
はじめっから余り期待はしていなかったが、やっぱりつまんなかった。
まみがトップになって初のショー、しかも風花のサヨナラというのにっっ!!

ガッデム三木〜〜。

良かったのはオープニングだけ。
オープニングが終わった時点では期待したのに、したのに、ああ〜〜!
その後の私のテンションは、ガクン、ガクンと下降の一途を辿った。

「レッド・ランタン」は初風の「Mission Impossible」があまりにテクニカルで上手すぎて感激したけど、
あとはわけ分からんし、全体に衣装も安っぽくて×。

「ブルー・ローズ」は振り付けも場面構成もつまんない。曲も良くない。
おまけに男役のスーツの色が安っぽいし、風花の衣装もなんか変だったし。
これじゃあ退団する風花が浮かばれねえよ〜〜!と思った・・。
あと、最後の紫吹の歌がすっごい息切れしてて苦しそうだった。(でも気障は忘れない。)

中詰めも・・???。
被り物オンパレードでストーリー仕立て。
別にストーリー仕立てにする必要無かったんじゃないの?
盛り上がりもイマイチだったし。

紫吹の銀橋は、歌は別に上手くないが、華やかさ・色気・艶が素晴らしかったので、これは文句無い。

そして何と言っても一番許せなかったのは「ブルー・モスク」でしょうな。
なんやねんあれ。
サヨナラの風花に、あの趣味の悪いチープな刺青の(つもりらしい)衣装を着せるとは、
いい根性してるやんけ、ワレ
しかもまみが誘惑される坊さんてね、あんた・・。
悪趣味にげんなりして眠くなっただけでした。

「ジプシー・イン・ブラック」も私は好きじゃなかった。
何で燕尾でターバンなの・・?
私には変としか思えなかったが。

そして大和の歌は相変わらず酷かった。何故あそこで大和なんだ。

フィナーレは、ま、ありきたりなトリオで、別にどってことなかった。

それにしても、何処がボレロ、何処がラテン、何処が情熱!?
観終わった後、一緒に観た妹と、
「つまんないショー観たね・・。」「うん・・。」
と虚しい会話を交わした。



以下はまみモードな感想。
でも何分大劇場では1回しか観ていない上、2階席だったので、細かい事は書けないす。 (よく覚えてないし。)
1000Daysの方ではもっと詳しく触れますんで、今回はサラッと。

*

まづ、オープニングがかっちょ良すぎ〜〜〜。
一人でしばらく踊るけど、ああ、眉間のシワが今日も絶好調やんけ〜〜!
衣装もどっちとも似合ってたんでウヒョウヒョだった。
美し過ぎ・・。
WSSではまみの美を充分堪能出来なかったんで、1年振りぐらいに見る美しいまみに異常に感激した。

「レッド・ランタン」は場面は意味不明だけど、
まみは、マフィアの親玉で美原と絡むえっちっぽい悪がヨダレもの。

中詰めの被り物は似合ってたが、初め銀橋に出て来た時はかなりびびった。(笑)
時間あったせいか、凝り凝りのカッコだったよな。

「ブルー・モスク」「ジプシー・イン・ブラック」はあんまり覚えてないや。
半分寝てたんかな? 気合入ってなかったからなぁ・・。

フィナーレは衣装がTCA調な上、あんまりまみに似合ってなかったんで不満だった。
まみの作詞はなかなかクサかったけど、それがまたカワイイと思った私だった。(ファン根性。

そして、久々に2階で観て、パレードの時まみがしっかり2階まで視線をくれるのがもんの凄く嬉しかった。(涙)
いや、ほんと、あの笑顔は嬉しかったのぉぉぉーーー!!
まみってばほんといいやつだなぁぁ。 (涙)



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