螺旋のオルフェ/ノバ・ボサ・ノバ


この公演は、書きたい事が有り過ぎて大長編になりそうな予感・・。
気合入れて書くぜー。(打つぜー。)

*

まずお芝居の「螺旋のオルフェ」だが、 期待は大きかった
それまでの荻田センセのバウ2本はいずれも観ていなかったけど、
評判がすーっごくいいらしかったのは知っていたし、
それに正塚センセと似たムードを持っていると言うじゃないのさ!
(私は正塚センセのファン。)
しかもまみは、大人の男を演れるらしいし、ししし、しかも、スーツよ!ムヒョ。
前回(黒い瞳/ル・ボレロ・ルージュ)より遥かにワクワクしつつ大劇場に向かったんです。

さて・・初見の時はね、私は狐につままれたような気分だったよ。
ノバが上演時間長くてお芝居がいつもより短いって知らなかったってのもあったが、
「え!?嘘!!これで終り!?」って感じで、
下手に引っ込んで行くまみをひっ捕まえて、「嘘だろ!!」と言いたい気分でしたわ。

印象は、暗い・重い・退廃的・内向的・凝り過ぎ・気障。
正塚センセと似てると言うのはなるほど・・。(照明の暗いとこも同じ。)
しかもスタッフがまた、いつも正塚センセと組んでる人ばっかりだったせいもあって、
(音楽・高橋センセ、装置・大橋氏)
尚更、正塚センセの舞台との類似性を増していた。
しかし、正塚センセよりも一層内向的で、
テーマは一見「自分探し」のようでいながら、 実はもっと通過儀礼っぽいというか・・。
精神的な呪縛からの解脱・・みたいな感じやね。
しかも、正塚センセなんか比較にならないほどの救いようのない暗さ&重さ!
幕開きのイヴのモノローグだけで、既に引いてしまった人もいっぱいいたんじゃ・・。

*

駄作・・とまでは行かんが、立派な失敗作でしょ。
不満な点を挙げると切りが無い・・・。

まず、いろんなエピソードが消化不良だし、
(これはいつもの90分でじっくり見せねばならん芝居だったよ。)
分かり辛いと言うより、分からせようという気が初めからないんじゃない?
開き直ってるような印象を受けるが。

ただでさえ、現在・過去・幻想が交差して分かり辛いのに、
更に、第二次世界大戦前後の歴史的な知識、
ナチス、ヒトラーのファシズムと、それに反発するレジスタンス、
といった政治的な知識が必要とされる。
その辺の知識が全く無かったら、かなりチンプンカンプンでしょうな。
観客のこと考えてないって感じよ。 自己満足じゃあ困るわさ。)

そして筋振りにかける時間が長すぎるし、凝り過ぎてるし、カッコつけ過ぎてるでしょ!
私はこのお話の起承転結は以下のように考えとります。

起・・イヴとルシルが出会うこと。
承・・起・転の間全て。代表的なエピソードはイヴがルシルに諭されること。
転・・イヴが撃たれること。
結・・イヴが少し前向きに生きようと決意すること。

基本的にイヴとルシルが出会うまでは、何にも起こっちゃいないじゃん。
回想シーンと思わせ振りな科白で、回りくどくイヴの素性の説明をしているだけ。
だから、これは単なる筋振りと私は思っている。

イヴの素性がはっきりと分かるのは始まって20分後。
イヴとルシルが出会うのが始まって40分後。
芝居自体は70分で終り。
前半、よく状況が呑み込めず、釈然としないまま進み、後半でバババッと話が終わっちゃうのよ。
しかも、イヴが撃たれてからの展開は非常に示唆的で、一回観たぐらいでは何が何やら分からない。
これで初めて宝塚を観た人が「わー、宝塚って面白い!また観よう!」と思うとは、到底思えんね。
観てるのはリピーターばかりじゃないのよ。

でも何より私が気に入らないのは、最後でイヴが立ち直る明白な切っ掛けが無いこと。
「ルシルに諭されることやんけ!!」 って言われそうだけど、
確かにね、そうなんでしょうけど、説得力無いよ
たったあれしきのことで、10年間もしつこくアデルのことを引きずっていたイヴがよ、
前向きな姿勢になるかなぁぁ??

しかも最後ってパリ出ていってるんでしょ?
うっそぉぉん!!

*

逆に良かった部分、それは何と言っても出演者に対する愛情が感じられるところ!!
どの役も生徒に当てはめようとして書いたんだなっていう「愛」が感じられるよ。
(何故観客に対しては愛がないんでしょ?)
あと、 セット、音楽、盆とセリの使い方とか(これはマジでいい)、
全体的なムードには荻田センセのセンスの良さを感じる。
舞台転換もすごくスピーディーだしスムーズだし。

ま、初の大劇場作品だし、今までのバウが評判良かっただけに、
プレッシャー大きかったのかしらね・・。
次回以降に期待しますワ。(その頃まみは退めてるでしょうが・・涙。)



まみのイヴは・・暗いですねー。(笑)
孤独感がまた一層色濃く、
プラス喪失感、絶望感、空虚感、屈折感と、マイマス感情オンパレードーー!!
退廃的で眼が虚ろ、いつも空を見詰めているような感じ。

色々考えたけど・・まみ悪くないと思う。というか、いいでしょ、これは!
(あんまり暗過ぎる気もしないではないが・・。
  まみの暗さが芝居の暗さに拍車をかけて、ほんと救いようのない暗さ。)
だって考えてみたら、他の誰が演っても絶対サマにならなさそうだもん、イヴ役。
じゃ、まみならサマになっているのかって?
おうよ、なってますともさ!!
だってさ、10年も死んだ恋人のことを忘れられずパリを離れられずにいる、といって死ぬような勇気も無いという、
実はもんのすごい弱くて女々しいヘタレ男が魅力的に映るんだよ。
(ファンの贔屓目か?)

やっぱり、まみに当てはめて書かれた役だというのが大きいでしょうね。
苦悩させたら宝塚一ってのが、よーく分かっているじゃあないのさ、荻田センセ。
しかも、衣装もスーツに黒の軍服なんて、あなた、まみのこと分かり過ぎてるぞ〜!!
ファンのツボも押さえているぞ〜〜!
(これで脚本も良かったら言うこと無しなのに・・。惜しい、実に惜しい。)

まみのイヴに話を戻そう。
そうっすね、何たって大人の男!だし、ミステリアスなムードと無機質な美貌が役に合っていた。
冷淡なムードも元・ナチスっぽいしね。

*

ちょっと気になるんだけど、イヴがレジスタンス側に寝返ったのって
アデルが好きだったからで、思想的に共感して・・っていうんではないんでしょう?それとも両方なのかな?
(ナチスの将校は小さい頃からヒットラーユーゲントに入れられて殆ど洗脳みたいな
  教育受けた人ばっかりだから、思想的に寝返るというのはあんまり考えられない・・。)
私はそう思ったんだけど・・だからまみのイヴは元・ナチスっぽくて良いのではないかと・・。

何かこの辺り脚本的には曖昧なんだが、 ロジェ・初風との
「元ナチスだからか。」
「・・突っかかるなぁ。」
「俺の親父は収容所で死んだよ。」
「・・そうか・・」
のやり取りでも、まみのイヴには、全然自責の念は無い。
「ナチスの軍服を脱ぐだけでも生まれ変われるような気がするのは」
とかいう科白もあったりするが、
これはアデルと一緒になりたいがための科白なのかなと思っているんですけど。

イヴのレジスタンス加担が、
アデルが好きだからか、思想的なものか、どっちなのかは結構重要だと思うんだけどなぁ。
だってそれでかなり変わってくるでしょう、芝居が。
もし思想的にも共感してるんだったら、まみのイヴは余りに自責の念とか屈折が無さ過ぎってことになる。
脚本からもうちょっとはっきりして欲しいもんだぜ!

*

また話がずれてしまった。

まみのイヴは、るんぱのデスタン警部が騒いでいる時も、
その喧騒の中で一人だけ空気が違うんだよね。
まさに「過ぎ去った過去の抜け殻がどうしようもなく絡みついて離れず」・・・、
アデルを思い出してすーごい切ない顔をしている。
密入国者の引渡しの際、
「どうせ名前も過去も捨てるんだろう!」の科白にふっと自分を重ねる間がある。

いつも何も見えてない、関心が無いようなのに、ルシルを前にすると、その時だけは戸惑いを隠せない。
そして、ルシルに諭される件では、
自分のアイデンティティーを揺るがされて困惑し、いたたまれなくなって、足早に去ろうとする。
そう!ルシルの出現と彼女の考え方というのは、
イヴにとって今の自分の存在意義を根底から覆すものだったのよね。
ルシルの言葉に心を動かされながらも、
「もう・・沢山だ・・」
それを突っぱねることでしか自分を保てない。
イヴってほんと、弱いのよ。
だからこそ立ち直るまでの過程はもっとじっくり見せて欲しかったんだよ!

ラストシーンの、
「長い夜が終わる・・夜が終わり・・朝が、来る・・」
から銀橋渡るとこは、段々良くなっていったように思う。
初めの頃は銀橋渡るときの表情暗くて、
イヴ本当に前向きに生きようとしてんのか?って感じだったが、次に観た時は、
虚ろだった眼に光が宿り、真っ直ぐ前を見据え、足取りもしっかり!していた。

ひとつ文句言うと、回想シーンのルーデンブルグ大佐はもう少し若くつくってもいいんじゃ?
10年も前なんだしさー。
なんか現在のイヴに入り込み過ぎてるのか、その暗さ・重さをそのまま引きずってる感じなんだもん。

*

そしてファンモードな感想。
(まみファン以外は付いて来れないよ、きっと。バカさ加減に、呆れないでくれ。)

うおーーーー!!
スーツ!!スーツ!!スーツーーーー!!(絶叫)
嗚呼!
嬉しい、幸せ、まみのスーツ姿を拝めただけでも7500円の価値はあるさ!!
どのスーツもめっさめさ似合っててめっちゃす・て・きぃぃ〜〜。
特にエンジが好きさ。最後のブルーもいいけど。
ああ何てスーツが似合うんでしょう・・。ホレボレ〜〜。 あの肩幅がいいわー。
(でも痩せたので踊ると体の華奢な線が分かる・・。でも、それがまた、良い。ジュル。)
そして何気にポイント高いのがサスペンダー!セークシーー!!
踊ってサスペンダー見える度にウッヒョ―!!って喜んでるの私だけかしらん。
あとね、胸から腰、足の付け根にかけてのラインがいいのよ。(やばい・・。)
しかもまたまた私の弱いオールバックの撫で付け頭。
もう綺麗過ぎです、犯罪です。
余りの美しさ
に私は踊り出しそうになったっす。ウゴゴゴ・・。

軍服はね、初めの頃帽子がヘンで(深く被り過ぎだったよな)、イマイチと思ってたけど、
中日以降は帽子の被り方が変わって、「おお♪」って見惚れた。
(帽子取って主題歌のとこは眼がハートさ!)
やっぱり軍服はいいね、ストイックでそそるよ。
しかもサディスティックなナチスの軍服なんてたまらんですよ。
(でも何で卍マークの腕章付けてくれないんだろう・・。付けてほしーー!)

もうこのまみのヴィジュアルだけで大満足だね、ファンモード的には。
しかも、勿論今回も眉間のシワは絶好調だー
!!バッチリ決まってるぜー!

でも考えてみたら「バロン・・」のリチャードとかもスーツ(しかも軍服も!!)着てたけど、
別にそんなに感激しなかったよな・・。
まあ役も役だったからなぁ。(笑)
が、確実にまみの男前度は上がっているーー。
お化粧も上手くなったしね。

*

そういえば、初めて観た時、ルシルと出会う場面で、
「恋人同士だったと・・聞きました・・」って言われて、
「何かの間違いだ・・」 っていう科白、いきなりまみが咳き込みながら言った時はめちゃめちゃ驚いた。

「ゴホッ、なにかの・・ゴホッ、間違いだ・・ゴホッ、ゴホッ」
と、マジで苦しそうでちょっとかがんでたの

私は初見だったから、演出なのか否かも分からなくて、
「は!?この人は結核か何かで死ぬのか!?」とか思ったよ。(笑)

しかしそれ以降そんなことは無かったんで、
あれはまみのマジな咳き込みだったということが判明したんだけどね。
しかし、咳き込みながらもまみはあくまでイヴであった。
だって咳き込み方も虚無的だったもん。(笑)



檀のニ役は、ちょっと(かなり?)無理あった。
私はね、檀に関しては、好意的に見てるのよ。
ダンス下手だし、全体に野暮ったいけど、お芝居はまあまあだと思っている。
しかしな!今回は庇い切れないぞ〜!

ルシルの方はいいのよ。
ドンくささがいかにも田舎から出て来たって感じでいい味出してるし、お芝居的にも
「間違ってたらごめんなさい・・貴方はイヴ・・?」
「ふ〜ん、親切なんですね、福祉局の方って・・」
「恋人同士だったと・・聞きました・・」
などなど、 割と的確よ。
カフェでイヴと話す辺りなども、嫌味のない素直で可愛い科白回しは好感が持てます。

んが、アデルの方は・・・。
女スパイは無理あるじゃろー!
抜け目の無さ理知的なムードに欠けるし、動きの重さと姿勢の悪さが大マイナス。
オペラで見ると綺麗なんだけど、遠目だとヅラも野暮ったいしな。
そして、押し出しの弱さが最大の難点。
元々トップ路線で来た人じゃないから仕方ないのかなと思うが、
美貌先行型の娘役としては、華が無いのはイタイ・・イタ過ぎる・・!

*

紫吹のアリオンは魔術師役というのにびっくり。
結構することない役で気の毒なんだけど、でもしっかり目立っている
あの華やかさと艶にはつくづく感心するわい。
ちょっと他の人じゃ似合わんような衣装も良く似合って、
ミステリアスなムードと、冷たく非人間的な色気、マントの似合うスタイルの良さが魅力でしょう。
銀橋渡る時のマントさばきはめっちゃサマになっている。
(何気に今の宝塚でマント着せたらナンバーワンかも。)
まみをひざまずかせるのもサマになるしね、紫吹なら。
やたらまみのイヴを幻想の世界へ誘(いざな)おうとする妖しさも良い。
でも髪型はヘン。(笑)

そして、日を追うに従ってまみイヴを舐めるようにじぃっと見るようになっていったのは・・・。
アリオンてゲイ??
・・そんなこたあ、ある訳ないだろうが、でもその設定の方が面白いかもしれん。(笑)
きっと、 アリオンは初対面の時から、
イヴには引っ掛かるような、惹かれるものがあったんでしょうね。

*

初風のロジェはちょっと狂言廻しっぽいんだけど・・役の書かれ方が少し半端なのが残念だなー。
が、初風の芝居はいい。

初め、イヴが元ナチスと聞いて一気に嫌悪感が高まり、 初対面は苦々しい顔をしている。
イヴの過去を知っていくうちに、次第に彼の事が気にかかるようになるが、 イマイチ素直になれない。
でも、心配してるんだよねーー。(笑)
ロジェの気持ちは見ていてとっても伝わって来た。
一本気で正義感が強くて真面目で不器用なのよね!
やっぱ、初風はこいう役の方がいいや。
ヘタに敵役とか演らせないで欲しいわ。

*

汐美のベルジェスは、何気にこの芝居の目玉だと思っている。(笑)
かなり美味しい役だよね?
3番手くらいが演ってもいいと思う。
が、それにもまして汐美がいいんだよなー。

眼が利いていて、抜け目の無いムードがスパイらしさ充分。
黙ってスッと現れただけで、ただならぬ怖さと不気味さがあって、すてき!
歩き方がまた、スススー、スススーって感じで怪しいのよねーー!
あと、静かな科白廻しがまたいいのさ。
「それは立派な理由だ。」
ぅわおーー!!(バカ)

にしても汐美って高嶺ふぶきに化粧が似てるよね。何故なんだーー?
(あんまり好きな化粧じゃないんだよなぁ・・。)

*

大和のアントワーヌは、単なるチンピラにしか見えない。
革命家っていうのは無理があるんじゃ・・。
眼を吊り上げて、屈折して見せても、「?」(しかもアマミに似てるんだ、これが・・)
大和の良さは明るさと可愛さでしょ。
ヘンに屈折したような役は似合わないよ。

ゆらのドミニク、いいよぉーー!!
見た目も綺麗だし、切れるムードもあるし、色っぽいし、いい女ですわ。うふん。

那津乃の巫女役は・・私、レイチェル以来の大衝撃受けました・・。
科白は「な・ん・て?」と、笑い声だけなんだけど・・あの笑い声の余韻は・・・っ!!
初めて観た時は、余りのことにしばし呆然としてしまった。
スゴスギルーー!!

あ、そういえば、ハヌッセン(立ともみ)・・ローレンスのガウン着てるしィィーーー!!(泣)



ショー「ノバ・ボサ・ノバ」。
もう化石のようなふっる〜いショーの再演だし、
私はあの、 とてもじゃないがまみには似合いそうもない衣装の数々を見て、
ひたすら怯えてた
んだけど・・んが、実際観たらば、
1時間半もあるのに全然飽きず、ひたすら明るい、楽しい。
面白かったっす、ハイ。古臭さも感じなかった。( 矢張り名作は名作なのね・・。)

とにかく力押しっていうか、派手でテンションテンション!!みたいなショーやね。
原色使い、ギンラギンラのセット、しかも、黒塗りのあげく素足、サンバ〜〜!
もう、ベッタベタですわ。
でも、このダサさ、泥臭さが宝塚の元来の良さって気がするのだ。



まみのソールはね・・・。
まあはっきり言って、まみにソールは似合わんでしょ。
(まみはオーロ役者だと思う。あー、見てみたいなぁ、まみのオーロ。)

何と言っても明るさに欠くのがイタイよね。
(大体まみの存在感・華やかさ・色気、全て陰性のものだもん。明るさには無縁よ。)
あと、ソールは絶対的に歌えなきゃいけないのに、歌がやばい・・。(笑)
(今回マイクのエコーガンガンだよね・・。どうせ歌がヘタさ!)
最後のシナーマンなんて、私はもうハラハラし通しで、
手に汗握って「まみだいじょぶーー!?頑張れーー!」
って見てるんで、感動もなにも・・。(笑)
歌えれば一番の見せ場なんだけどねー。
でもね、歌のやばさは本人が一番良く分かっているだろうし、
(「ノーーーバーーーーーー」の後の「ホゥ」は、歌えてないの分かってる「ホゥ」でしょ。)
例え歌がやばくてもさ、まみは毎日120%出して一生懸命頑張ってるよ。
それは見ていて痛いほど分かります。
・・泣けるぜ・・。

それにな!何も歌と明るさだけがソールの判断基準ではない。
まみのソールの良さはなー、(何故か喧嘩腰)
それは、徹底した「観客を楽しませよう」っていう姿勢から来る楽しさ!!
これだよ、これ!!

客観的に見ると、ベストは「くずい」だろうな。(笑)
「くずい」は久し振りに、まみのショースターとしての魅力がストレートに出てて大変楽しい。
ありふれた表現だけど、ああいうのを「軽妙洒脱」って言うんでしょう。
結構初めてあの場面を見た時は衝撃だったよ。
ふんがっくっく、って感じだったもん、まみを見直してしまった。
贔屓目無しに、まみに惹きつけられて目が離せなくなったもんね。
観客が皆まみの一挙一動に注目してるのが分かった。

・・・それにしてもあの独特な真琴節は、一体何処から出て来たんでしょ?

冒頭の対立場面とか、タンゴクラブでの一件なども、
同じくまみの観客を楽しませようという気持ちが嫌味なく出てて楽しい。
(あ、冒頭の対立は紫吹のオーロに華やかさと明るさで負けてるけど・・笑。)
それとフィナーレのナイト&デイ風の檀とのデュエットもいいです!
華やかで。

んが、「ボア・タールデ・カルナバル」とかラストのエストレーラと別れるとことかは、さのみ魅力的ではない。
前者は、まみ&檀のコンビは、紫吹&千紘のフェロモンカップルに負けている。(笑)
(まみのソールだったら、もっと色気出してもいいのに、この場面・・。)
後者は、まみのソールに青春が感じられないから。

というところでしょうか。
そういえば、新公の霧矢のソールはめっちゃめちゃ素晴らしかったみたいね、私は観てないんだけど。
(観たかったなぁ・・。)
そりゃあ霧矢は歌もダンスも上手いし、その上、明るさ・楽しさまで揃ってるんだから、
ソールが似合うに決まっているよ。あたりまえ!!
まみには辛いところだ。
歌・ダンス・明るさ、何一つまみは霧矢にかなわないもんな。(汗)
でもまあ、まみにしかない良さもあるのだから、腐らずに頑張って欲しいわ。
(まみが腐るわけはないけど。)

*

では、ちとファンモードでも書かせて貰いまひょ。
(え?今までも充分ファンモード??すんまそん!)

まみの黒塗り・・初め「は!?スキー焼け!?」とか思ったが、
しかし、慣れると味わい深いというか(笑)、精悍でいいね!!
健康的とは言い難いが。(笑)
何より、黒塗りだと、いつもよかは白やラメラメが映えるみたいで、
恐れていた衣装の数々も、そんなに、思っていたほど酷くはなかった。
しっかし、今回は胸元開いた衣装が皆無に近くて、くそーって感じよ。
(はっ。ついヨコシマな本音がっ。)
銀橋の檀との「ムチョムチョ」の時がちょっと開いてるぐらい・・。あと、オープニング。

ポイント高いのは、素足でしょ。
滅多に見れないじゃん!かなり貴重!!
双眼鏡で足ばっか追ってしまったよ。
細いねーー!
スネ毛あるねーーー!(名誉の為に言っておくが・・薄いよ!)
しかも膝がカワイイ・・
あと、今回髪型がサラサラヘアーでごっついさわやかーーっ。
多分、躍動感というか、動きを持たせるためにそうしているんじゃないかなと、
勝手に思ってるんだけど(笑)、あれがまたいいのよね。

女装はねー、重ね着のためどうしてもゴツくなるのがめっさ残念無念悔し過ぎ!!
NO NO NO〜〜〜!!
肩が出せたらどんなにいいかぁぁ〜!
ちくしょー、まみの生肩が見たいよーー!!
ヅラは結局4種見たけど、白髪と黒髪が好きだ。
アフロみたいな、爆発した奴は、ヘン
「おいおい・・」って思った。
初めの頃、まみは小さい三つ網やビーズがターンする度口に入って、
かなり鬱陶しそうだったんだけど、中日以降は、ぜーんぜん
入らないように回る技を身に付けたらしい。(笑)

個人的に最もツボなのが、タンゴクラブ入って行く時の首振りダンス!!
(ゴミ箱の前でやるソフトウインクも死ぬけど。)
もうめっちゃめちゃかわいいんだもん!!
ずっとやっててクレ〜〜〜〜!!
というぐらい好きだぁぁ。
可愛過ぎて赤くなるわい。プゥ。

ていうか、まみのソールは全般かわいいんだけどさ。
「ル・ボレロ・ルージュ」の時みたいなアダルトセクシーでフェロモンのカタマリなまみも大好きなんだが、
ま、今回お芝居がそのムードだからね。
ショーではお芝居の方とは180°違う可愛いまみを堪能出来てファンモード的には満足よ。



檀のエストレーラ。
「あれ?何処にいたっけ・・?」って思ってしまうほど、印象希薄。
芝居の方でも書いたけど、ほんとに華が無いのが弱み。
特にショーではそれがモロに露呈してしまう〜。
まあ、エストレーラの役自体、何もすること無くて存在感薄いけどさ、それにしても・・。

綺麗は綺麗だし、品もあるし、「うたかた」はあんまり「お嬢様」に見えなかったけど、
今回はちゃんと「お嬢様」に見えた。
でも、それだけなの〜〜。
他に書く事がない・・おわり・・。

*

紫吹のオーロは、もう十八番な役でしょ。
濃い、匂い立つような色気!明るい!華やか!
何かいつも同じ褒め言葉書いてる気がするけど・・でもそれが紫吹の良さだもんねー。
今回も登場のシーンから、呆れるほどの明るさ&華やかさよ。
ほんと、陽性な人だ・・。しかも艶もある。

歌はやばいが、三角絡みのダンスもいいし、その直前の場面が、わたしゃ、
千紘とのめちゃめちゃ濃厚な絡みにびびったよ。(笑)
フェロモンペアです、あれは。
大体初めのブリーザ・千紘とのキスシーンも凄いのよね。
「お前舌入れてるやろーー!」って突っ込みたくなったのは私だけか・・?
しかも、その後、唇を拭って、首筋にもいくーー!
濃ゆ過ぎる・・・!

でも、見た目(つーか髪型)がヘンだった。
特に初日開けてしばらくのオールバックは・・・。
丸いオデコを目立たなくするためか、灰色に影をつけまくっててめちゃめちゃヘンだった。
途中で髪型変えて、前髪をチョロッと垂らすようになったけど、その方がまだ良かった。
髪伸ばすのやめればいいのにねー?

あと、中詰めの三日月が頭に付いた衣装の趣味の悪さには(別にそれは紫吹のせいにあらず)
爆笑した。あの衣装は気の毒だよー。
女装は、女装に見えないくらい似合っている。
元々女の子顔だもんね。それに案外肩がまるっこくて女の子っぽさ倍増。

それとね、公演の後半は余り元気がなかった気がした。
具合悪かったのかな?
楽は足にテーピングしてたし・・。
大丈夫っすか?

*

初風のマール、良かったよ。
まあ地味な点は拭えないけど、歌は唯一安心して聞けるし、ダンスもいい。
地の真面目さ・人の良さが生きていたよね。
爽やか兄さんなんだけど、真面目で思い詰めてしまってブリーザ刺しちゃうってのが分かる。
しかし、化粧は凄い赤かった・・。
千紘はやたら黒くて、並ぶとなかなか凄い顔色の2人であった。

*

千紘のブリーザ、色気もあるし、マールとオーロの間で揺れる気持ちの表現とか、
(ほんとはやっぱりマールが好きなんだってのも分かった。)
全体的にはいいと思う。
(でも動きがラウラ入ってる。)
しかし、小さくて細い初風と並ぶと、ボリュームが・・。
そして、三角絡みや、オープニングのダンスは、WSSのマンボ対決を彷彿とさせるドスドス振りだった。
もう少し痩せたらいいんだけどねーー。(月の男役は細いのばっかだし・・。)

*

大和のルーア神父は、可愛いし、綺麗だけど、歌は散々。
金取って聞かせるもんじゃないよ。
地方の時より下手になってた気がする。
特に楽は観た中でも随一の酷さで「どうしたの?」と思った。
アドリブの音外しは誰もがマジだと思ったよ。
わざとだったらしいが・・。(from公式ヅカHP。)
シャレにならんアドリブはやめてくれー。

*

汐美のメール夫人、思ってたより綺麗だった。
上流階級らしいもある。
本人も結構楽しそうに演ってたのが印象的。
楽も弾けてたしねー。(笑)
でも、歌はやば・・。
(・・はー、つくづく、今の月組は歌えないメンバーが揃ってるんだなぁ・・。
  初風、千紘以外みんな歌がやばいと書き続けているー。しくしく・・。)

そういえば、中詰めとパレードの汐美は、何かに似ていると思っていたら、そうだ!!
トランプマンに似てたんだーーーー!!(爆笑)

*

嘉月のマーマは、初めの頃はイマイチかなと思ってたんだけど、段々良くなっていったね。
大和とのカップル(?)が可愛いし、微笑ましいよな。
女役初めて見たんだけど、全然いけてるじゃん。
銀橋での歌も上手でびっくり!!

ゆらのマダムXは、綺麗だったけど、少し元気無いような気が・・。
オープニングや中詰めの明るさの方が印象に残った。

西條のラービオス、化粧がーーー!
誰か教えてやってくれーー!
演技的にはいいのに・・健気で・・。

あと、中詰めの水沢葉月はやたらダイナマイトで思わず双眼鏡で一生懸命見ちゃう・・。(笑)

それにしてもさ、何でエトワールが星野じゃなかったんだろう・・。
最後なのにーーー!!
(マダムガートの歌は良かった。)
今回のエトワールは汐美ってことなんだろうか・・?

(19990628)


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