EL DORADO(大劇場)

真琴つばさのトップお披露目公演が谷正純の一本物、しかもオリジナルと決まった時、 私は
「うおーー!恐れていたことが起こってしまったぁぁぁーーー!!」
もんどりうった。
(これはまみファンならば大概同意してくれるでしょう・・。)
とにかくまみが気の毒、私達ファンも気の毒。(泣)

大体まみがショーの方がアピール出来るスターである事は明らかなのに、何故一本物!?
しかも谷!ああ、谷!!
せめてショーを付けてくれたらまだ救われたものを・・。

とにかく、まみファンとしては、すげー心配・不安を抱えつつ大劇場へ足を運んだのであった・・。

で、結論から言うと・・・。
「・・・やってくれたなーー、谷よ・・。よくもぉぉーー!!
とにかくクサイ、そしてクサイ。
谷パワー全開のお芝居であった。
谷の悪い部分が全て出ていたというか・・。ふー。

どうして谷の描くヒーローってこう押し付けがましくって無神経なんだろう。
どうして無駄に人(それも女の人)を殴る場面が出て来るんだろう。
どうして細かい伏線はれないんだろう。
極め付け、人を沢山殺せば泣けると思っているのかーー!(まあ思ってんだろうけどね・・)
観ながら怒り心頭だったね。

*

しかし、それにも関わらず、私はこの作品、大劇場で6回、東宝では楽&まみBirthも含めて5回も観てしまったのである。
毎回、「兄弟達よ、手を繋げ!!」辺りじゃクサくてクサくて逃げ出したくなりつつも、
合計11回も観てしまったのは何故か。
それは、ひたすらまみが綺麗だったから。(すんません、ファンモードで。)

ストーリーやイグナシオの造形に関しては酷すぎてお話にならないが、
結構「ツボは押さえてる」みたいなところがあったのだ。

つまり、具体的に言うと、オープニングのまみのソング&ダンス、
そして何たって一番の目玉はアメリゴを殺してしまったあとの苦悩の踊り、これっすよ、これ!!
(大劇場ではカットされたりしてたけど)
もう私的にはここさえ見れればいいーー!っていうぐらい好きだったんだよね、これらの場面が。
それとやっぱ、トップなりたてですから、まみのことが気掛かりで・・っていう身内的ファン根性で(笑)
だからまあ、それなりに楽しんだ公演ではあったのだけどね。
(といってまみのトップ披露にこんな駄作を書いた谷を許しはしない。)



というところで出演者の話に参りましょう。

まみに関しては、さっきも言ったけどイグナシオの造形が酷いのであんまり語る気にはなれないが、 でもひとつだけ。
イグナシオは初めの方で人一人殺しちゃうし(正当防衛的ではあるけど)、そのせいで両親を死なせちゃうわけでしょ。
更に自分の責任でレーニャ共々処刑されそうになる。
そういうところを踏まえてもう少し陰影が欲しかった。
あんまり能天気でアーパーだった気がする。(つまり、脚本のまま。)

ファンモードでいくと、今回のイグナシオはヴィジュアル面では大満足の美しさだった。
ああ〜、ロン毛のヅラがなぁんて似合うんだろうと惚れ惚れした。
私は特に1幕の束ねた方が好きだ。

そして、何と言っても苦悩の踊り!!!この場面だけでも7500円の価値はあるね(笑)
大劇場では2回しか見れなかっただが、
(よりによって1F1列目の席取れてた日にカットされていたのは悔しすぎーー!きぃ!)
もうめちゃめちゃセクシー!
振りがまた、体撫で回すような振りで、あんまり色っぽくて、私は客席で死にまくりの爆死しまくりでしたわ。
あと、衣装が胸元大きく開いたヤツばっかだったよね。
もう見えそうで見えないところが、たまらんウッキー!って感じである。
覗いて喜んでいたのは私だけではあるまい!
おいしすぎ〜、ジュルルン。(別に変態ではない)

*

風花のレーニャは見た目が凄く綺麗で、衣装はどれも似合ってた。
だけどさ、こんな役で風花の魅力が出るわけないでしょ。 巫女の役でっせ。
総体的にヒロインとしての魅力は乏しかった。
でも初めてイグナシオと出会って戸惑うところは、ゲロ上手い。
めちゃめちゃ上手。すんごい細かい。
見ていて気持ちの流れが手に取るように分かった。

*

姿月のワルパはね・・。
初め皇帝と聞いた時、また老け役?と思ってたんだけど、全然そんなことはなくって、ちゃんと青年の役だった。
見た目はすんごい立派でド派手なコスチュームも非常に似合って皇帝らしさ充分。
しかし、滑舌は悪いし、知性は感じられないし、無表情だし、いいとこなし。
それにしても、歌だとあんなに朗々と響き渡る声がどうして科白になるとあんなにモゴモゴするんだろう。
あと、住民を庇って撃たれるところのカッコ悪さは一体・・。 (ま、概ね谷演出のせいだろうけどね。)

*

汐風のアロンソは、合ってないでしょ。
無理さすなよ!
頑張って悪ぶってたけど、存在感薄かったし。
海賊仲間のブレーン的な迫力も無かった。
ただ、最後の死ぬのは上手。「冷たくて・・気持ちいいやぁぁ・・」ね。
でもさ、死ぬ時ってエル・ドラードの住民庇って死ぬんだよね。
クサ過ぎ・・。(谷ならでは・・)

千紘のラウラ。
とにかく攻めて攻めて、攻め一辺倒の演技で、見てて疲れた、辛かった。
科白は怒鳴りっぱなしだし、何事も強弱って必要だよ。

夏河ゆらのコンチータは組替え
だったせいか、役が軽くて残念だった。
これが月組としての最後の大劇場公演かと思うと尚更・・。
(と、思っていたら戻って来る事になったけど。ワーイ。)

あと、越はるきのカパックがやたらツボにハマッて、めちゃくちゃ可笑しかった。



フィナ―レは(も)つまらなかった。
良かったのは「ブラックサファイア」だけ。
セリ上がって来る風花と姿月のシルエットが大変に美しく、均整が取れててさながらマネキンのよう〜〜。
惚れ惚れ〜。
風花のダンスは当然素晴らしく、視線とかに色気があって良かった。
姿月は1度しりもちついてるのを見たが(笑)風花相手によく頑張っていたし、何より躍動感があって好きだった。

*

「白い祈り」はね、何か谷が「理想郷=宝塚」とか言ってたから、
宝塚らしぃ〜い場面を目指したんだろうけど・・・まみに似合ってないだろーー!
トップに似合わんことさせてどーするよ。
あの薄紫の衣装も似合ってるとは言えないし・・。
まみの場合、持ち味からして「白い祈り」というよりも、「黒い呪い」っていう感じだもんね。(笑)
でもファンモードでは、この場面のまみの歌はじぃぃ〜〜〜んときた。
凄く感動的だった。不覚にも涙しそうになった。

「原色の喜び」も、やたら人数いただけで、まみはする事無しって感じだったな。
赤のラメ衣装は似合ってたけど。(胸元めっちゃ開いてるしィィ〜〜)
それなりに盛り上がってはいたが・・。

最後のトリオは、まず姿月の美声にウットリ・・。
(しかもここで歌ってる歌がまた美しい・・)
相変わらず歌が上手い。堂々とした歌いっぷり。ホワー。
で、中央からまみがセリ上がって来るんだが、白地に金の刺繍の衣装が似合わない〜〜(泣)
しかも、立派な姿月と一緒だと、いまいちチンチクリン気味で映えないし・・。

何より、姿月と出番半々くらいで、どっちがトップか分かりゃしないじゃないか〜〜。
くすん・・谷のバカ。



<おまけ・BS録りの日のまみ>

7月24日はBS録りの日だった。
その日、私は昼・夜と観劇したが、まみのトチリが多くてびっくりしたんである。

*

お昼。
2幕冒頭で、意を決したイグナシオが再びエル・ドラードへ行くところで、
口笛を吹いた後に、滝の中へ入って行きながら、遠くの席でもはっきり分かるほど、ズルッと思いきり滑ったのだ。
流石に転びこそしなかたものの、場内はしばしクスクス笑いの渦。
実は私もばかうけ。(ゴメンネ、まみ。)

更に科白忘れ。 2幕の終盤。
「これからスペイン軍が攻めて来る。私達は残って戦うが君達は好きにするがいい。但し・・・」 でいきなり詰まって、
「私を見付けたら即座に撃ち殺すだろう」とかなんとか、正確には覚えてないが、
おもいっきり、はしょってしまったのだ。
るんぱがすぐ助け舟を出してくれて、
「そりゃ逃げられないってことじゃねえか」って言ってくれたんだけどね。
科白どもりとか、多少のフッ飛ばし、間違いなんかは今まであったけど、 科白忘れて詰まるまみなんて初めて見た。

で、「今日はどうしたのかしらん、まみは・・」と思っていたら、夜は何とBS2のカメラが入っているではないかぁ!
「ひょっとして、これで緊張してたんか・・?大丈夫かしら・・」と心配しつつ夜の部を観ていたのだが・・・
何と、肝心なラブシーンで科白をトチってしまったんである・・(汗)

「冗談で命は懸けない!」とカッコ良く言い切るところを、
「冗談で・・嘘はつかない!」 ドォォーーーン!!

アッラァ〜〜〜〜〜!!
ままま、まみちゃん・・!
冗談で嘘つくってばー!

しかし、まみはその後のフィナーレでは、銀橋出て来たときに、下手寄りにあるカメラにわざわざ近寄って行って、
ばっちりカメラ目線で歌っていた。(うけた。)



やっぱり、緊張していたんだろうな。
それ以外の日にまみがトチっているのは見た事が無かったもん。
ふふ・・そんなところもかわいいわ・・。(←バカ)

*

それにしても謎なのは、後日BS2で放送された「EL DORADO」で、
まみがトチッたとこは、ちゃんと、 「冗談で命は懸けない!」になってたのだ。
別の日に録ったのを編集したんだろうか・・?
誰か教えてー!



|| top | theata | kangeki all | kangeki mami | kangeki kuze ||