ニジンスキー


毎度の事だが当日券である。
考えてみたら、退団後の久世さんの出演した舞台って・・
前売り日に頑張った事が一度も無いではないかーーっっ!!
・・本当に久世ファンなのだろうか、私は・・。(ファンだってば。)

だけど、今回、パルコ劇場に問い合わせたところ、
当日券発売開始の30分前迄、カウンター前に並べない(!)、
パルコ劇場は、パルコ9階にあるんだけど、
エレベーターが30分前迄、9階に行かないって言うのよー!
そんな馬鹿なーーーーっっ!!!

皆どうするんだろう、やっぱり早目に行ってどっかに並んでるだろうか、とか色々考えた。
当日券買えなかったりしたらどうしてくれるんじゃーーーーっっ!!
と怒ったりもしたが、まぁ動かしてくれないというもんはどうしようもない。
一緒に行く約束をしていた友人のめでしんと話し合って、
少し早目にパルコへ行き、様子を見つつ並ぶかぁ、という事になった。

でもって当日、どうなったかというと、結構前からパルコの中で構えてたわしらは(笑)、
割かし前の方に並べたので、まんまとお座布席で一番いいところをゲットしたんである(笑)。
しかも、開演直前にチケットのキャンセルが2枚出た為、(勿論ちゃんとした席。)
それがお座布で一番いい席だったわしらに回って来て、
重ね重ねまんまと、キャンセルチケットをゲットしたんである(笑)。
・・多分、わしらは当日券に並んだ誰よりも、いい思いをしたと思われる(大笑い)。
だってその日の当日券って、殆どが端っこの補助席かお座布席だったんだよーーーっ!!!
(何時もは、コストパフォーマンスの高いパルコお座布席も、今回は後方のみの発売で、
 しかも、6400円とかしたのよ!・・多分・・これはちょっと割に合わんっっ!!)
まともな席のチケットは1枚しかなかったんだからーーーっ!!
やっぱり、日頃の行いが良いからかなーーーーーー!!!(大嘘)



さて、内容について。(やっとだよ。笑。)
一言で言えば、面白くなかったんです。
多分、久世さんが退団してから出演したどの舞台よりも、一番つまんなかったと思われる(笑)。
かなり眠くなったしな。

つまらないと思った一番の要因は、恐らく脚本にある。
役者は皆、そこそこ良かったもの。
観終わってから出た言葉、というか、思った言葉がね、
「・・・だからどうした。 So What---!?」(何故、英語にするのか・・。)
だったんだよ(笑)。私の場合。

話の筋的には、ニジンスキーというバレエダンサーの
成功を手にしてから精神が破壊されるまでいきさつ(過去)と、
精神病になって病院に入ってからの病状の変化(現在)、という二本柱。
過去と現在が、交錯しながら進んで行くんです。ニジンスキーのバレエシーンを織り交ぜつつ。

で、なんちゅーか、この芝居って、
内田春菊の「ファザーファッカー」みたいだなぁ、なんて思ったんです。私は。
内容の「衝撃度」が高いってだけで、ドラマ性とか、共感を持てる部分とか、感動する部分とかがないのよ。
(衝撃に当たる場面:主にホモ場面。舞台で全裸だし。後姿とはいえ。笑。)
「ははぁ。そうなんだー!?そりゃあ大変だったねぇ。」
っていうだけで、だから感動したとか、だから面白かった、とかいうものがない。
この在り方がね、単に内容の衝撃性のみでベストセラーになっている
内田春菊の「ファザーファッカー」に通じるのもがあるのよ(笑)。
ニジンスキーは、こういう生き方をしたダンサーだっていう伝記的事実を、
少々ショッキングなシーンを交えつつ綴っただけ、ってな感じ。
話の筋そのものは、淡々としていて起伏に乏しく、退屈。
しかも、ニジンスキーの破滅って自業自得じゃない?
悲惨だとは思うけど、同情はしない。
あとね、チケットも売れてて、大阪、名古屋にまで行く話題作だったんだけどさ、
豪華な入れ物の割には、蓋を開けてみたら随分薄っぺらな内容、っていうガックリ感もあった。
これ又、ベストセラーのくせに、内容がくだんない「ファザーファッカー」と似てるんだよなぁ。
(吠える吠える。笑。)

さて、こじつけはこれくらいにして(笑)。
そんな訳で、芝居としては相当つまんなかったんです。
ただ、首藤さんのバレエは、全編通して大変素晴らしかったので、
(科白喋ると、「あっちゃあ〜。」だけど、まぁ、いいです。ダンスがあれだけ良ければ許します。)
終演後、私は今回は、首藤さんのダンスにお金を払ったのだ!!きっと!!
と自分に言い聞かせて納得させてました(笑)。
でも衣装がねー(首藤さんの)、かなり阿呆みたいなのとか、趣味悪いのとかもあってね、笑ったよ。
だが、衣装のへぼさも肉体美で許す。けけけ。
うーん、いいね、綺麗な体はよー。うっとり。目の保養。(おやじ・・。)
思うに、絶っっ対、本当に綺麗なのは男の体だと思うんだよね。
私は女の体は、「うっわー。スタイル良くって羨ましーーー。」とかは思うけど、
「綺麗」と思った事はないです。
逆に男の体はよく「綺麗」だなと思う。
・・どうでもいい話でした(笑)。閑話休題。(何で体についての話になってんねん。笑。)



で、久世さんね。・・やっとここへ来てメイン(笑)。
出番の多さに、まずびっくり。
主役ニジンスキーの嫁さん役と聞いた時、
「ロマンチックコメディー」くらいの出番なのかなと思ってたんだけど、
あららららっらー。
かなり比重の大きい役だったのね。

ロモラの役作りに於いては、もう久世さんがパンフに書いたロモラへの手紙、あれのまんま(笑)。
久世さんの解釈通りに、こっちにも伝わって来ました。お見事。パチパチ。
基本的に今回の久世さんのロモラの出来、全般かなり良いと思ったよ。
(だから脚本のつまんねえのが、尚更勿体無いんじゃ。)

とにかく凄いタフ。不屈の女、ロモラ(笑)。
エゴの塊とも思えるような彼女の言動は、
多分絶対的な自分の価値観に基づくものなのよ。
ロモラなりにニジンスキーを愛しているのもよく分かったんで、同情した部分もあった。
一見、なんちゅー酷い女じゃ!と思わせる、生きる為には手段を選ばない彼女の逞しさちゅーのも、
実は凄く現実的だし、生活力も旺盛。
砂上の城みたいな脆い成功の上に立っていたニジンスキーとは正反対。
ロモラは常に現実と向き合っていたのよ。どんな悲惨な現実でも。
ニジンスキーは現実に耐え切れなかった。(だから発狂した。)
・・ある意味お似合いのカップルかもしれんな、この二人(笑)。

とはいえ、客観的には、やっぱりロモラは嫌な女(笑)。
でも、きっとロモラは、不器用な人間だったんじゃないかと。
ああいう風にしか、生きられなかった人だったんではないか、と久世さんも書いてたけど、
まさしく。私もそう思う。自分でもどうしようもないやり切れなさもあったでしょうね。
ニジンスキーを愛していて、ロモラなりに尽くしているつもりなんだけど、
それが全部裏目に出てしまう。

と、まぁ、久世さんのロモラはそんなロモラでした(笑)。
単に嫌な女では終わらず、ロモラなりの正義、葛藤が見えたところがよかよか。
あとは、コメディリリーフ部分も良かったです。
パンツ事件が一番(笑)。
ブルマみたいなパンツやなとか思ったけどね。何であんなにでかいのよ(笑)。
(色気がないじゃねーかーー!!)
パンツ脱がされてから、「・・あら(意味あり気にニコッ)」って言ってから浴槽入る間が抜群!!!!!
めっちゃ可笑しかったッス。
結構、下ネタなコメディリリーフ場面が多かったように思うけど、決して品は悪くなかったし。
(品の良さはやっぱし久世さんの武器じゃっ!)

ただね、今回あんましヴィジュアルが綺麗じゃなかったのが残念。
見ながら一度も「綺麗」と思わなかったもん。

因みに、自分的には、やーーぱ、年食ったロモラが一番良かったと思ってますわ。
結婚直後もまぁ、良かったけど、時間短過ぎて(笑)。
(でも、ロモラって基本的に攻め演技一辺倒で、ここが唯一受け演技見れる場面。貴重かも。)
そして、18歳ロモラについては・・これはもう笑うしかないだろうな(笑)。
実際、観ながらかなり可笑しかったんだが、見た目に無理があり過ぎるってーー!!
首藤ニジンスキーと並んだっちゅーのも痛かった。明らかに違和感バリバリ。
そして明らかに首藤さんよりごつい(笑)。
横幅も縦幅もでか過ぎるんだよーー!(笑)

ニジンスキーも「若きダンサーニジンスキー」
(ってパンフに書いてあんのよー!役名!何でーー!!「若きニジンスキー」でいいじゃんー!
 何故、隙間に「ダンサー」が入ってるのー!受けるー!結構ツボ。笑。)
なんだから、ロモラも「若き娘ロモラ」って訳にはいかなかったんだろうか・・。
(つまり、別の、若い女の子に演らせる。)
市村さんが、18歳ロモラを、「でも、可愛いな・・。」って言う科白があるんだが、
全然可愛くないってばーーっっ!!
って突っ込みたくなったのは私だけではあるまい(笑)。
あれはしかし、演らせた方にも問題ありって感じ(笑)。
(休憩時間にめでしんと、「でか過ぎる、可愛くない。」って文句言ってました。笑。)

*

市村さんは、今回そんなに印象に残っていません。
ビリヤードのところで、フリッツにくっついてっちゃうところが非常に可愛かったなぁ、
とか、どうでもいい印象しか残っていないのよ(笑)。
分裂症、というか、精神病特有の落ち着きのない動きとかは、頑張って研究してるなぁと思ったけど。

段田さんの狂言回しは、面白かったですわーーーー。はい。
流石に夢の遊眠社出身は芸達者なのかのう、などと思った次第。
ニジンスキーの病状の変化について説明する科白も、
難しい専門用語満載にも関わらず、割かしスラスラ頭に入って来ました。
(これって結構凄い事よーーっ!!)
ちゃんと息抜きになってくれる存在だったし。
・・段田さん出て来たらほっとしてたからね(笑)。

岡田眞澄さんのディアギレフ・・滑舌悪し。プラス演技もイマイチ。
でも、エロエロおやじパワーいかにもゲイおやじくさい怪しさで、おっけい、としておこう(笑)。
だって、めっちゃめちゃやらしいんだもんよーーっっ!!
あの手つきーーーーーーーーーっっ!!!!!(笑)

まぁ、でも、あのエロエロ振りは殆ど地っていう気がしないでもないが・・(笑)。

宍戸さんのフリッツ。
いい人〜〜〜〜パワ〜〜〜〜全開〜〜〜〜。なのが良かった。
(それだけかい!)

と、今回は他の役者についてはあっさりめ。
カーテンコールでは、相変わらず市村さんが好印象(笑)。
元気なおじちゃんで微笑ましい。(←何だか、少し失礼な言い方。)
久世さんが余り笑っていなかったのが残念だったよなーーー。くすん。

そうそう。まなみの胡蝶蘭は例の如くしっかりありました。
でもね、何だか皆の後ろに隠れてて、目立たず、遠慮がちで、
めっちゃシャイで可愛い佇まいだったのーーっっ!!今回ーーーーーーっっ!!!
すっごい可愛いのーーーーーーっっ!!!!!
もうまなみそのものって感じ・・うっとりぃぃいいい・・。

今迄見て来たどの胡蝶蘭よりも、いじましくてぐっときちゃったよーーーーー!!
はぁ。可愛いかったなぁぁぁああああ。

公演はつまらなかったが、久々のめでしんとのデートが楽しかったので、ま、ヨシとするかー!
などと思いつつ帰路についたわしであった。
(本当に、「日記」っていう終わり方。笑。)




<おまけ・「何か」について>

初日を観に行った知り合いの某S氏が、観劇後、舞台の前面に飛び出している「何か」に
太腿をぶつけて、青あざをつくるという事件が発生した。
おお!!何てことだーーーーーーーーっっ!!
S氏を傷ものにするとは許しちゃおけねぇじゃねぇか・・。
ふてぇやろうだーーっ!!「何か」めーーーーっ!!
てめぇ、見てろーーーーーーーーーーーーーっっ!!!!

という訳で、私は劇場に行った際、
「何か」の正体を見極め、ヤキを入れて来る事を誓ったのだった。(嘘)

そして、当日。
「何か」は確かに存在していた。
「何か」は薄っぺらく、黒くて、間隔をおいて幾つか舞台から生えていた。
(複数形だったのよね、「何か」は。笑。)
舞台から30cmほどだろうか、前面に飛び出ていた。
又、きゃつらには、コードが沢山絡まっていた。
そして、それは思ったよりヤワなシロモノで(金属かと思っていたもので。)、
触った感じは、パン屋で使うちょいと固めのゴムベラとかと似てた。
(わかんねーよ。笑。)

結構、暫く私は現場検証していたのだがしかし、友人のめでしん連れだったし、
そんなに長居してる訳にもいかず(怪しいし・・笑。)、その場を去る事に・・。
結局、「何か」の必要性については、疑問が残ったのだった・・。
(いや、でも、一応「何か」をちょいと蹴っておいたよ。敵討ちやーん。笑。)

あれは一体何の為にあそこに飛び出てるのーー??
誰か知らないーーー??
教えてセーラームーン!!


(20000312)


|| top | theata | kangeki all | kangeki mami | kangeki kuze ||