七色インコ


観劇してから一ヶ月以上経ってしまったぁぁぁあああ(笑)。
既に舞台の記憶が薄れつつあります。やばいです。
でも、頑張って書こう!わはははははは!

今回はですね、R・U・Pの先行予約で二列目どセンターというめっちゃ良い席が取れていまして、
久々に間近で久世さん(の主に芝居)を見れるぞ、というのはまぁ嬉しかったんだけど、
しかし芝居の内容、出演者については初めから全然期待していなかったというのが正直なところ。
・・・はい、そうです、先入観はいけませんねーーーーーー!!!!(笑)

でもねぇ(溜息)、その先入観を差し引いたとしても、この「七色インコ」はね、
チャチでつまんない舞台だったよ。
(眠くって何度も欠伸が出ちゃったよ。全く。)
チープってんじゃないの。チャチ。この一言に尽きる。チャチ。
脚本も役者も演出も、衣裳からセットから、ああもうチャチ。
そうよチャチーーーーーーーーーーーー !!!!(もうええねん)
(因みに「チャチ」何回言ったでしょうか。ア〜〜ハハハハハ。五回よ五回。・・・安達つみき・・笑。)

*

ちょっとここで語っていいかね?(笑)
私ねー、この原作、大好きなのよ。
ちゅーかそもそも私は手塚ファンでしてね、文庫漫画は当然買い漁っているんだけど(笑)、
この「七色いんこ」も随分前に全巻買って読破しておりまして、
すっっっっごい好きな作品
なのさ。
(舞台化と聞いて、更にキャストを聞いて、複雑な気分でありました。笑。)
だが、原作の、インコの素性が次第に明らかになっていくクライマックスってのが…。
相当に荒唐無稽で唐突でくさくて凄まじい事になっているのである。
(急に連載打ち切りになったんじゃないかと勘繰ってしまうほど。)
それは確かに頂けない。
しかーし、一話完結で毎回よく練られたストーリーが大変に楽しいのも本当で、
私はそれが好きなんだよおー!
漫画そのもののストーリーが何時しか、漫画で取り上げられているお芝居と
重なって行く爽快感はたまりませーーん!
(これがこの漫画の一番の魅力だと思ってますから。あ、キャラも魅力的だけど、勿論。)

で、これを舞台化する場合、先にも述べたクライマックスの
荒唐無稽さ・唐突さ・くささ・リアリティーの無さ・不自然さ、(貶し言葉が増えている・・笑。)
これを如何に上手く料理するかにかかっていた(過去形。笑。)と思うのね。
この辺を上手いこと処理していたら、
かなり面白い舞台になっていただろう(矢張り過去形。笑。)と思う訳だ。
どっこい、舞台にはこの荒唐無稽さ・唐突さ・くささ等が、そのまんま…、
いや、もっと酷くなって出てしまっていた。
その上、キャラの魅力もかなり減じてしまっていた。
(インコもだけど、千里が特に!!!!!!!!!!!・・これについては後述。)
そして、衣裳のチャチさ、セットのチャチさ。銃撃戦のところの効果もコントみたいでチャチいし。
スモークはくさいし。(それは関係ないだろう。)



何しろあの脚本はなーーー!!!!!!!!!!!!(突然)
無駄な部分が多過ぎるんじゃーーーー!!

特にワークショップ!!あれは何じゃ!!
あんなのスマスマでやっとけーーーーーーーーーーーー!!!!!!
舞台に乗せるなーーーーーーーーーー!!!!!!
時間の無駄ーーーー!!!!!!!
付け鼻が壊れるシーンとか、馬のいなくなるシーンとかも、全部、無駄無駄ーーー!!!
あんな無駄なシーンをテンコ盛りにして休憩無し二時間半ぶっ通されたんじゃ、
たまったもんじゃないわ。

そしてそして、肝心のクライマックスに通じる伏線。こいつが皆無!!!
こりゃあ一体どういう了見だ。
インコ=鍬形陽介っていうのは事前に明らかになっていたが、
(伏線ではない。ネタ振り。唐突に明らかになるのよ、お芝居半ばくらいで。)
インコ=男谷マモルの伏線はあってもやけに抽象的で分かり辛いし、
又、千里万里子=朝霞モモ子に関してはほぼ皆無状態。
千里が怯えるシーンが何度かあったけど、あれは「自分の記憶を思い出すのを恐れている」
っていうだけで、千里万里子=朝霞モモ子であるという事実の伏線には全くなっていない。
ハッキリ言ってね、このお話、設定そのものが恐ろしいほどに荒唐無稽なんだからね、
細かく伏線入れていかなければ、観客はついて行けないし納得出来ないんだよ。
(細かい伏線を入れれば、この凄まじい設定にも少しはリアリティーが出ると思う。)
急に聞かされて、「わぁ鮮やかなドンデン返しーー!きゃー!」
で済むレヴェルの真相じゃあないんだからね。
「は?え?どういうこと?」ってなっちゃう真相なんだよーーーー!!!

笑いを取る方にやたら気を取られて肝心のお話の本筋の進行がいい加減じゃ、
そりゃあ単なるコントでしょうが!!!!


ラストシーンのくさいことにも閉口したけど、でも何より、何なの?あれは現実なの?
大体ロクサーヌは、やっぱりサダコがやる事に落ち着いたんじゃなかったの??
荒唐無稽に拍車をかける事をするなぁぁぁぁああああああ!!!
そんなアニメみたいなハッピーエンドは「LUNA」だけで沢山じゃーーーー!!


それに、鍬形清治を、安達つみき(なんちゅうネーミングじゃ。笑。)始め
陰のブレーンに操られていた只のお人形さん、実はそんなに悪い人じゃなかった、
という設定にしたのは……余りにもクサ過ぎないか?
そこまでくさくしなくてもいいんじゃないか?
悪党は悪党でいいじゃん。それを失脚させようとしている秘書で。
そのままの設定の方が、ラストのインコの科白、
「お前の息子だけは、罪深いお前を許す言葉を探し、
 この戦の悲しい結末に涙を落としてくれることだろう。」
グッと来ると思うけど?

因みに、お芝居のストーリーに劇中劇のストーリーが重なって行くのは(となる、舞台では。)、
そこそこ上手い事行っていたと思う。
男谷マモルを朝霞モモ子の足長おじさんに仕立てて(原作ではそうではない)、
インコ= シラノ、男谷マモル=クリスチャン、
で、「シラノ・ド・ベルジュラック」に重ねる、という発想は素直に良い考えだと思う(笑)。

あ、そうそう、劇場は見た目1000daysみたいなプレハブのくせに音響がめっちゃ良くって感動した。
腹にくるほどの音響の良さ。あれは素晴らしい。



ああさて、切りがないのでそろそろ役者の話に参りましょう(笑)。

稲垣ゴロさんはね。滑舌が余り宜しくないなと(笑)。
気障なムードはいいけど(地)、お芝居については………。はははははははは。
あと、あんまり舞台栄えしないし、オーラもなかった。
(これなら西川の方が妙なオーラはあったぞ、と思った次第。
 芝居が……なのに、オーラがなくって何で勝負するんじゃ。…あ、言ってしまった。)
それから。
脚本上のインコって、ちょっと「熱血漢」「正義漢」部分が前面に出過ぎていないか??
その上、色んな障害が起こって皆が絶望する度に、そこから必ず皆を救うスーパーマンみたいな奴だし。
あのな、斜に構えてるようで、白けているようで、チャラチャラしているようで実は…
っていうところに魅力があるんだよ。
あんなに明らかに熱血漢で正義漢なインコは興醒め。

*

宮沢りえはビックリした。もう本当に。余りの下手さに。(うわお)
下手なだけならまだいいんだけど(下手でも魅力的な役者さんはいる。)、
宮沢りえの舞台はバサバサしてて潤いがない。情感がない。色気もない。可愛げもない。
ついでに痩せ過ぎてる。ひがみではない(笑)。もう少しボリュームがないと舞台栄えしないよ。
アクションシーンもへナヘナしてて頼りないし……とても刑事には見えない。
とにかく、宮沢りえの千里は見ていてしんどかったです私は。
自分が朝霞モモ子である事を思い出す覚醒シーンなんかは特にしんどかった……。
脚本上の千里のキャラも、相当に魅力のない女に書かれていたとは思うけど、
(千里って、あんなクソ生意気でキツくて淡白で厭味な女じゃーーないよーー!!
 生意気でガサツでキツくても、単純でおバカでフッと笑っちゃうような可愛い女だよーー????)
でも演り方次第では可愛い女に作る事も可能だった気がする。
脚本も役者も総崩れな千里だった。

*

佐戸井さんの小田原はね、基本的には達者で良かったんだけど、
芝居が進むにつれて魅力が半減していったのが少々残念。
「谷のムーミン社」のギャグのくどさに比例して小田原のキャラもくどくなっていった感じ(笑)。
くどさにお腹一杯になっちゃって、 後半は、
「もういいーー。食べられないー。」って思いました(笑)。

こぐれさんの黒さん。
まぁ結構有り勝ちな、職人気質で頑固な江戸っ子(?)っていうキャラなんだけど、
役をデフォルメし過ぎる事無く、微妙なラインを保った演技で面白かったと思う。
エドモンとの和解シーンは素直にニコニコ見てました私は(笑)。
しっかし、手拭いと腹巻きの似合うこと(笑)。

サダコはそもそも脚本段階で役を漫画的にデフォルメし過ぎ。
あれでは笑える範疇を通り越して引いてしまう。コントじゃないんだから。
大島さんの演技は別に悪かないんだが。

トロイ・エドモンはひたすら長身・長い手足で目立ってた(笑)。
見た目といい、ハマリ過ぎててとても可笑しかった。お気に入り(笑)。
「...Not bad」
「Better.」
「Good!」
「Very good!!」
・・・ あははははははははは。

*

さて、最後に久世さんですが。
出番は少ないがインパクトのある目立つ役。
舞台はチャチですが久世さんはかなり素晴らしかったと思う。
ハッキリ言ってあの緊張感のない舞台を引っ張っていたのは
久世さんの安達つみきだ。

インコ=鍬形陽介であること、インコの過去、鍬形清治が只のお人形さんであること、
15年前の事件の真相、などなど、何と重要なネタ振りが多い役でしょう。
どれもネタ振りと思わせない自然な科白廻しと演技、それでいて尚且つ科白が流れない!!
最後にインコを追い詰めていく迫力、緊張感、科白廻しの緩急。
ううーん、これぞ久世さんの敵役の真髄ーーーー!

アクションシーンはね、でもちょっと動きが鈍いんですが(笑)。許してあげて(笑)。
後半の実は黒幕なのよの迫力キャラと、前半の只のパーキャラとのギャップも良かった(笑)。
ただひとつ遺憾なのは、口紅の色である。
あのアニメみたいなピンク色はねーーだろーー????
お衣裳の服の色もヘンだし。(安っぽい)
パンフの久世さんは大変エレガントに美しく写ってるのに、舞台の久世さんは・・・(笑)。
遺憾である。
でもシニヨンは似合っていました、ハイ。

今回は舞台はつまらなかったけど、まぁ久世さんが良かったのでヨシとしとくか。
と言いたいところだが、まなみのお花を飾ってなかったし・・赤坂ACTシアターのばかーーーーー!!!
人の楽しみを取るなーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
やっぱりやっぱり面白い舞台が観たいよーーーーーーーーー!!!!!!!(笑)
ねーねー、久世さん、そろそろtpt出ようよ(笑)。
(tptならまなみのお花も確実に飾ってくれるしーー!!!!!←バカ)



最後に一言いいかしら。
パンフの役者が持っている自身のお顔のお面が・・
怖過ぎるーーーーーーーー!!!!!気持ち悪過ぎるーーーー!!(笑)
(しかし、合成・・上手い事いってるよなぁ・・感心。)


(20000704)


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