麻利と真吾/木原敏江


なんとなく(笑)、全巻文庫で買ってしまったこの漫画。
そんなに期待していなかったが、もうめちゃくちゃ面白くってさー!
一晩寝ずに2〜6巻を読破したりもした。
その上、不覚にも2回ほど涙してしまったし・・。
本当に、久し振りに面白い漫画を、読んだ〜〜〜!と深い満足感を覚えたよ、私は。

いいなぁ、旧制高校、古き良き時代、バンカランゲン・・。
この漫画には本当に「青春」というものを感じるよ・・。
ほぅ・・・。(←バカ)

でも麻利と真吾には一生独身でいて欲しかったなぁ。(特に麻利。)
子供が出来ちゃったのは、ちっと幻滅気味。
しかも、嫁さんが、ささめ&一二三って・・。
そりゃ2人とも、性格はすこぶるいいし、苦労してるし、尽くすし・・
でも、でも、 ヴィジュアルがぁぁぁ・・・!
子供のことも考えたらさぁ、やっぱ。



あとラストの同日同刻死、ベタでイマイチ不満。
だって、麻利が可哀想だしさーー。うう・・。
一緒に死なせてやりたかったよ。
麻利って結局、一生救われなかったんじゃないかーーっ。
ああ麻利、綺麗で可哀想な麻利・・おーーーん。

それにひきかえ真吾って能天気で一生幸せなヤローだよなー。
麻利ファンの中に真吾を憎む奴がいるというのも分かるぞ。
私も断然麻利派ですわ。(笑)
といいつつ、太陽のような真吾も好きなんだけどね。

そして、なんと言っても、本当に惜しいのは、
最後まで2人のベッドシーンが無かったことだぁ!!(ヨコシマ)
ムカムカ。バカーッ。
ま、でもあの2人は生涯プラトニックラブで、
しかもその「ラブ」は全てを超越したもので・・。
それがまたいいのかもね。
(ウ〜〜、しかし、やっぱり・・・笑。)


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シティーハンター/北条司


この漫画って、少年漫画の良い面、悪い面を両方併せ持った漫画なんじゃないかな。

面白いとは思うのよ。 人気あるのも良く分かる。
冴羽僚
魅力的だし、わかり易く、ストレートな面白さは、少年漫画ならでは。

だが、ワンパタ!
最後のギャグ落ち「もっこり」もしつこいし、香のハンマーもしつこい&馬鹿らしい。
冴羽僚に惚れた数々の女のその後は・・?
いつもギャグ落ちで誤魔化すなよ!

そして、少年漫画ってどうしてこうなんだろう・・女のキャラが魅力的でない
(やっぱり、男の好きな女と女の好きな女って違うんだろうな。)
香も私は好きじゃないよ。ジェラシー強いばっかの女じゃん・・。
もう少し香の良さに焦点を当ててくれてもいいものを・・。




でも一番如実に思ったのはね、
なんかさ、男の人って恋愛をストレートに描くのにテレがあるのかな?
必ずしも全ての人がそうだとは言わないけど、少年漫画ってそういう傾向はあるよね。
この漫画もいつも肝心な所でお茶を濁してばっかりで、もどかしくてイライラする。
最後なんて記憶喪失落ちだしよー・・。
ナメとんのか??
「キャッツ・アイ」でもそーいう「テレ」はあったような気がするが、 この漫画の比ではないね。

あと、 連載当初の気障でシリアスなムードからどんどんギャグに走っていったのは、
果たしてその方が読者に評判が良かったからなのか、
それとも作者の恋愛を描くことに対するテレからなのか、どっちなんでしょう?

両方かな??


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いつもポケットにショパン/くらもちふさこ


私基本的にくらもちふさこの漫画は好きじゃないです。
どうも、性に合わないっていうか、相容れない仲みたいよ。
何か、くらもちの漫画はどれ読んでも潤いが無いっていうか、
キツくて、バサバサしてて、優しさとか温かさに欠く気がするの。
読んだあと絶対いい気分になれない。

その中でもこの漫画は特に嫌い。

ストーリーで引っ張る力はかなりあって、割に最後まで勢いで読めちゃうんだけど、
納得いかないことだらけでキャラにも魅力を感じない。
きしんちゃんが元に戻るのも唐突だし。(何らかの切っ掛けが必要でしょうが。)

主人公・麻子は、見た目も中身もブサイクでしょ。
何なんだろう、あの理性・自制心のかけらも無い性格は・・。
遣る事成す事行き当たりばったりだし、やたらと突発的な行動を取るし、
(突発性頑固、突発性嫉妬、突発性激怒など・・付いて行けない)
厳しい家庭環境で育った割には甘いし、欲は無いがやたら嫉妬深いし
上邑が好きだったくせにいつの間にかきしんちゃんに変わってるし・・。
はっきり言って、何が魅力なのか?この主人公。
何か魅力描きこまれていた?
人物像にはなーーんも共感する部分は無いし、愛すべき要素も皆無

きしんちゃんに関しては、単なるマザコン男じゃん。
てめぇの母親が麻子親子を憎んでいようが、それはきしんちゃんとは何の関係もないじゃない。
それをしつこく恨む・・。 ガキかよ。
あれがきしんちゃん12歳とかなら、分かるけど、
もう18にもなろうって男が「カアサン・・」ってさぁ。

上邑もとんだ迷惑ヤローだしねー。
他人の才能に嫉妬するのは人間として仕方ない感情だが、
それを、口に出し、しかも八つ当たり・・。



この漫画ってひょっとして、人間の愚かさを描いた漫画なのかしらね??
っていうか、人間誰しも愚かなことはするよ。
でもね、そういう愚かなことをしてしまうまでの心理の過程がしっかり描けていないから、
全く共感出来ず
、 結果キャラに魅力を感じないんだよね。
(いや、愚かな行動の原因は描かれているけど、トンチンカンなのさ。)

人のことを全然考えていない、一人でズンズン突っ走るキャラばかりのこの漫画の中にあって、
唯一、人に気を使える余裕、優しさがあったのが、まりあ。
周りの人間に比べると嘘のように理性的なキャラだわさ。
だから、不安になったりするのも、まりあなら、気持ちが分かるのよね。

あー、文句ばっかり書いちゃった。
でも正直な感想だもん。


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洗礼/楳図かずお


かなりの勢いで文庫全4巻を読破。
面白いのよ、めちゃくちゃ荒唐無稽だけど、凄くグイグイ引っ張られるしさー、確かに面白いの。
ハラハラ、ドキドキってやつ?

でもなー!
ラスト、夢オチ(ちょっと違うけど・・。でも近い。)はねーだろーー!
ウメズ〜〜!

「だ、だまされた・・!」ってかなり怒りモード入ったぞ。
興冷めだったね。
それまでのハラハラドキドキが空しくなったよ!

そんな、思い込みで手術の傷跡やら痣やら出来るわ、
今までにない知識が湧いて来るわっていうのは幾らなんでも無理あるじゃろ。
しかも、思い込みでさくらが異常行動を続けていた間、母親は一体どうしていたんだー。
ずっと土の中に潜っていたのかぁー!
そんな馬鹿なー!

ウメズーー!
怖がらせればそれでいいのかおまーはーー!!


でも、人を怖がらせるのに、道理や理屈を通していてもしょーがないもんなー。
はー、しかし・・ブツブツ・・。


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まことちゃん/楳図かずお


文庫で出てたんで、一巻だけ買って読んでみた。
楳図のギャグ漫画がどんなもんか気になったので。

・・・最低だった。
もう2度と目にしたくないわ。

確か人気あるんだよね、この漫画。
でも全然面白くないじゃん。
笑えるか?あれ?
私は1巻読み終える間に、ただの一度も、ピクリとも顔の筋肉動かなかったね。

下品だからなんだっていうんじゃないのよ。
別に私は下ネタ全然OKだもん。
でも楳図の絵で下ネタは、妙にリアルで気持ち悪いだけだった。

そして基本的に私はギャグ漫画が大嫌い
(4コマとかも、読んで笑った記憶がない。)
その中でも特に受けつけないわ、この「まことちゃん」は・・。
楳図が一体どんな顔してこれを書いているのか気になるところ。


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伊賀野カバ丸/亜月裕


小さい頃、アニメでやってたなー、カバ丸。
焼きそば馬鹿食いしてたことばかりが印象に残っているが・・。(笑)
漫画の方は、中学の頃一回読破したが、
最近文庫で全4巻買って、読み直してまた色々思うところがあったので書く。

基本的に面白いんだよねー。
ギャグ漫画なんだけど、ギャグの質が「陰」なせいか、肌に合ってしまうみたい。
登場人物はかーなーりな数に昇るのに、そのどれもが個性的。
(静沈の兄貴2人、すげー好きよ。笑。)
ストーリー的にも次々色んなことが起こって飽きさせない。

但し、今回読んで如実に感じたのは、肝心の主役カップルの魅力の描き込み不足。
カバ丸に関して言えば、その粗野・無作法・異常食欲ばかりがクローズアップされて、
本来もっと強調されねばならぬであろう温かさ、優しさ、純粋さ、素朴さが余り感じられないのね。



はっきり言ってカバ丸の行動にはおよそ思いやりのかけらも見当たらない。
人の話は全く聞かずに自分の欲求を満たす事ばかり考えてるし、
大事な時には何時も消えて皆に多大な迷惑をかけるし、
皆の食物を横取りして皆を飢えさせてもまるで平気だし、
更に見栄っ張りだし、自意識過剰だし、短絡的だし・・・
主人公として読者に愛される要素に乏しいんだよね。
(そのくせ主人公であるという特権ゆえ、周りからはチヤホヤ、重宝されるのである・・。)

大体なー!カバ丸の行動の源は全て食欲と、
麻衣の前でエーかっこしたいという気持ちのどっちかなんだよ。
正義感がないヒーローは、ヒーローとして失格じゃ。

麻衣も実に嫌な女で私は大嫌いだね。
基本的に余り思った事を口に出さないタイプで、喋らん割に無神経。
初めは、カバ丸をその風体&行動から気嫌いし、(山で育った事は分かっている筈であろう!)
好きな人(静沈)の前ではエーかっこすることばっか考えてるしよー。
ヒロインとしての魅力が殆ど描き込まれていない、むかつく女である。

よっぽど野々草かおるのほうが自分に正直でいいじゃん!

あと、決定的に片手落ちなのが、疾風のこと。
彼の屈折は何故なのか、
何故「カバ丸に勝つ事で山での生活に決着をつける」ことになるのか、
カバ丸に辛く当たっていたのには一体何の理由があったのか、
また、彼は本当にカバ丸を囮にして自分だけ逃げたのか、
そして山を逃げ出してからの彼の生活はどんなものだったのか・・。
余りに謎が多過ぎ!!
少なくとも、彼の屈折した行動の理由は明白にしなければならなかったよ。
彼の不可解な行動に納得出来なくて???だったもん。
ただ単に影のあるアウトロー的キャラが描きたかっただけでしょ!これ!

この辺でまとめに入ろう・・。
まあ全体に緻密さに欠く行き当たりばったりな漫画だなぁと・・。
(もう少し初期設定きっちりやったらどうだ!)

でもねー、それを補ってあり余る程のあのテンションパワー、若さゆえの勢い!!
それがあるから私この漫画好きなのよー。(笑)


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伊賀野こカバ丸/亜月裕


何故今頃、「カバ丸」の続編なんて連載することになったのか、凄くなんだけど・・。
全3巻、でかいサイズで出てます。

これ読んで如実に思ったこと・・
丸くなったなーー!亜月裕よ!!!
「こカバ」は、「カバ丸」と比べて、本当にオブラートに包まれたような印象である。
「カバ丸」の頃のダークさ、「陰」なギャグ質はかなり薄れているね。

そして、「カバ丸」で散々私が言った主役の魅力の描き込み不足が、めっちゃ改善されてた。
(やっぱ、伊達に年は重ねていない。←失礼な奴。)
こカバは正義感もあって、正直で、真っ直ぐ、いいコに描かれてます。
かっこつけなのや、異常食欲はカバ丸と一緒だけど、
しっかりプラス要素が強調されているので、許せるのだ。
愛すべきキャラクターになっている。
麻衣もかつての彼女とは全く人が変わってしまったような、ボケたいい母親ぶり発揮。
(同一人物とは思えねーよ!)

でもね、そういう部分がキッチリ描けるようになった分、
かつての勢いやパワーは薄れていて、そこは魅力半減。
あの異様なギラギラしたテンションパワーが良かったのに・・。
まあ、あのパワーは若さゆえだったからなぁ。



難しいものだね。
年取ってキャラの魅力はしっかり描けるようになったが、今度はパワーが落ちてしまった。

でも、充分面白い内容になってはいるのよ。

しかし、気になるのは、3巻の終わり方が異常に中途半端なこと。
ひょっとして、途中で打ち切りになってしまったのでは・・と勘繰っている私であった。


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月の夜星の朝/本田恵子


私が「りぼん」を買い始めた頃、連載していた漫画で、内容は殆ど覚えてなかったが、
文庫が出てるのを見て懐かしくて買ってしまった。

で、感想は・・こんな滅茶苦茶な漫画読んだことない。(笑)
とにかく支離滅裂
余りの酷さに別の意味で楽しませて頂きました。

さあ、 これから飛ばすよ。
(本田恵子ファンの方は読まない方がいいと思います・・。)

人物像は基本的に混乱しているし、
とにかく色んなエピソードが中途半端なままだし、
(タミィのこととか、下級生の男の子・・名前忘れた・・のこととか)
なんたってリアリティがなさ過ぎる。限度を超えてるぞ?
素人がTVドラマを主演するかぁー!!
そして最後の遼太郎の怪我は!?
「もう以前と同じようにプレイすることは不可能」って言われたのに、
何で米国で大活躍やねん・・。
(しかもそのほんの少し前、怪我してない時、遼太郎は米国の選手に全く歯がたたなかったのに。)

更に、主人公・りおの不快なことったらもう。
可愛い・優しい・素直・人気者という設定で、苦労知らずって感じ。
何も共感出来る部分はなくて、魅力皆無、見ててムカつくこと限り無し。
自分のこと「りお」って言うしね。(笑)
あらゆる鼻につく要素を兼ね備えたヒロインだね。
遼太郎が好きなくせに、森村と付き合って、振る時のセリフがいいよ、また。

「先輩に私のこと忘れてなんて言えない。」


・・・・大カンチガイヤローーーー。
遼太郎に「もうやめよう、俺達」って言われた時も、
「信じてる」とか訳の分からん理屈で健気振るし。
しかも、遼太郎の方も自分からそんなこと言ったくせに、何事も無かったように振舞ってるし・・。

バカップル??


もう突つける箇所が多過ぎる、穴だらけ、ゴミみたいなまんが。
(「漫画」ではなく「まんが」。)
これが20過ぎた人間の描くものかっ!!
客観性が著しく欠如しているのか?
そのくせ、やたらと泣かせようとする作為がバッレバレで、
(遼太郎の母親が死ぬ件とかさー。)
クサくて、(大体タイトルからしてクサいわい。)それがムカつくんだよ。



・・・もう2度と本田恵子は読みたくないと思ったね。
私の金返せーー。
私のお金が、印税として本田恵子の懐に・・。
ムカつくーーー!キー!!
っていうかさ、こんなまんがを上質紙の文庫で再版するなんて、資源の無駄使いもいいとこ!
こんなことやってる場合じゃねーよ!集英社!
文庫にすべき名作は他に一杯ある筈!!

ちなみに、このまんが、読んだあと速攻で古本屋に売りました。(笑)

にしても、こんなゴミまんがが3年間も幅をきかせ、連載されていたなんて、
昔の「りぼん」って凄い、子供って凄い。
子供は素直だから、何にも疑問を持たず、受け入れてしまうんだろうね。

年を取るって理屈っぽくなることなんだな・・と、この漫画の感想を書いていて如実に感じた私であった。


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愛してナイト/多田かおる


つい最近多田かおるさんが亡くなって、
私はネットでそれを知ったんだけど、飛び上がるほどびっくりした。
本当にびっくりした。
まだ38歳だったそうですね。
結局「いたずらなKiss」も未完ということらしいけど・・。
合掌。

で、「愛してナイト」。
子供の頃アニメでやってて、チラッと見た記憶があるが殆ど覚えていない。
そして文庫で出て初めてまともに読んだが、何気にはまってしまったよ。

この漫画の面白さはね、橋蔵ちゃんとジュリアーノの可愛さに尽きます。
動物も子供も嫌いな私だが、橋蔵ちゃんとジュリアーノは別!!
ほんと可愛いのよね〜〜!
主人公のやっこにはさのみ魅力は感じないが
(ていうか多田かおるの漫画の主人公っていっつも同じ。
  どうも多田さんそのものらしいですね。ドジで一生懸命。)
脇がことごとくいい。

剛ちゃんも派手な割には、案外中身は可愛くて、律儀で真面目な好青年だしさ。
やっこのオヤジもいいしね。
どうしても子離れ出来なくって素直になれなくてさー。
その他魅力的なキャラ沢山。

そして、とにかく読んでて微笑ましい漫画。
あったかい気持ちになれるし、幸せになれます。
殺伐とした気持ちになったら読むといいかも。


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バビロンまで何マイル?/川原泉


私は川原泉の漫画は好きだ。基本的に。

その理由はね・・
あの漫画とは思えない異常な文字情報の多さ、これに尽きます。(笑)
彼女の漫画を読むと色んな雑学が身につくぜ!
(でも読んでしばらくしたら忘れてる・・。)

そして、あの妙な理屈っぽい小難しさと、妙な馬鹿馬鹿しさが同居している辺りがまた、
何とも言えずに良かったりするのね。



というところで「バビロンまで何マイル?」。
これが、とっても良かったのよー!感動したよ、私。
タイムトリップものなんだが、取上げてるのは
あの悪名高きボルジア家の長男、チェーザレ・ボルジアですよー!
(川原サン、彼に興味があったのかな?)

私はチェーザレ・ボルジアはお芝居でも観ていたんで、(ヅカよ。笑。)
人名も、地名も、史実も、全然抵抗無く、スッと頭に入ってきて、かなり楽しんだよ。

川原版のルクレツィアは、ひたすら翻弄された悲劇の人で、
チェーザレとの親近相姦テイストはごく僅かに匂う程度。
チェーザレはまあ極普通に(?)冷血漢に描かれてますね。

そして、何処に感動したかっていうとね、それはエピローグよ!!

チェーザレ 「ルクレツィア・・まだ私の為に祈ってくれるか」
ルクレツィア「・・祈っています。昼も、夜も、チェーザレ、貴方の為に・・」

っていう部分〜〜〜!!
平和なニキとユーリのやり取りに重なるそれの、何という切なさよ!
(この効果は漫画ならではだね。)
じ〜〜〜んと余韻が残って、とっても感動。

ヅカの舞台より、500倍は感動したね。(笑)


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ポーの一族/萩尾望都


私は萩尾望都さんの大ファンだ!!
萩尾望都さんは天才です。
ビバーー!!

この「ポーの一族」は初めて読んだのが中学の頃だったかしら・・。
言わずと知れた萩尾さんの超代表作だけど、
もう大好きな作品ですよーーーー!!
叙情的で繊細で詞的で、ああ!!
本当に何て美しい世界なのかしらーーー!!
そして何て深い世界なのかしらーーー!!
読む度に感動してしまう・・。
これを読んでない人は人生半分損してるぞ!!
今すぐ読むべし!!



アランは、単純で人間らしい子で可愛い!

そして、エドガーは奥の深いキャラ。
屈折してて、クールに見えるけど決してそうではなくって、
自分が生きてることの意味を証明してくれる、そして自分を必要としてくれる存在
(かつてはメリーベルであり、そして死ぬ直前まではアラン。)
が無ければ彼も生きてはいけないんだよね。(涙)

彼が最後に目の前でアランが消滅するのを見て後を追うところは、
これ以上の孤独には耐えられなかったからなんでしょう・・。(涙)
もう生きていることの意味も、生きていく気力も、全て失ったんでしょう・・。
(あのラストは、初めて読んだ時はしばらく茫然自失した。)

そうなのだ。
ぱっと見はアランがエドガーに依存しているようでいて、実際はその逆。
エドガーの方が、アランを失ったら生きていけなかった。
アランの方は案外あのお気楽な(?)性格で、
もしエドガーが死んじゃっても生きて行けたでしょう。

エドガーは不老不死のヴァンパイアとしての悲しさ、淋しさを知り尽くしていたんでしょうね・・。


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プレイガールK/ひうらさとる


何を隠そう私は大昔からのひうらのファンである。
そりゃあもう「なかよし」デビュー当時からの・・。(笑)
コミックスも「なかよし」時代の古いやつから全部持ってるし。
「なかよしルーキーズ」(爆笑。誰も知らねーよ!)の時代も良く知ってるぜ!!

そんでこの漫画で久し振りにひうらの漫画を読んだんだけど、
いやあ、ひうらすっごく成長したじゃん!!(偉そう。)
こんなに微細に心理描写出来ちゃうなんてびっくり!!
クサくて苦笑い〜な部分(主に最終巻)もあったし、
平間の気持ちの流れの描き込み方がイマイチ雑な部分もあったけど、
充分面白い漫画に仕上がってますよ。



「変身願望」がテーマなのは、かつての「月下美人」と被ってるが、
「月下美人」が上辺だけのカッコつけで全然面白くなかったのに対して、
同じテーマであるこの「プレイガールK」が断然面白かったのは何故かというと・・

この漫画の主人公景子は自分に対するコンプレックスから自分を変えたいと思うようになって、
そして実際そのための努力をして、自分を変えることに成功したのよね。
その心理過程が凄く共感出来る。
(誰だって変身願望はありますよ!)
片や「月下美人」はお化粧したらば地味な月子が世にも美しいミズタマに大変身〜〜!
あっという間に売れっ子モデル〜〜ついでに片思いの彼とも両思い〜〜♪
というお手軽な展開・・。
完全にシンデレラ〜。
都合良過ぎなんじゃ!!
これでは共感なんてとても得られましぇんよ・・。

この2作の差が、そのままひうらの成長の跡という感じ。

それにしても相変わらず、
女の子はみ〜〜んな顔の半分の大きさのめんたまなんだねーーー!!
はっはっは、昔は(小学生)ひうらの絵は可愛くて大好きだったんだけど、
今は全然好みじゃないや・・いやはや年取ったなぁ。(笑)


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砂の城/一条ゆかり



私、一条ゆかりは、本当に、尊敬してやまない。

だって彼女の作品ってどれ読んでも外れが無いんだもん。
(大昔の「風の中のクレオ」とかは、かっこつけばっかで中身無かったりするけど・・ま、人に歴史有りだな!)
しかも、デビュー以来もう何十年になるのか分からんが、
この移り気な漫画界でよ、ずーーーっと第一線で活躍してるよね。
加えてあの画力!

文句の付けようがない!
一条ゆかりは少女漫画界の女王だ!!
これからも頑張って下さい!!
(てファンレターじゃないんだからさ。)



というところでこの「砂の城」の話に入ろうかね。
この漫画はオススメよ。

お昼のメロドラマを目指して描いたそうだが、まあまさしく!
これでもかの障害の嵐でなかなか幸せになれないしつこさ、
ウジウジした暗い主人公、

そしてメロドラマには不可欠な、とことん手段を選ばない狂気の恋仇(笑)ミルフィ。
(しかしこの手の役は最後に必ず「いい人」になっちゃう!ズルイよなーー!)

メロドラマに必要なあらゆる条件
を満たしているねー!(笑)
イラつくのについつい読み続けてしまうのよ。
そのうちイラつきも快感になってきたりする・・。(笑)

そしてフランシス(子供の方やで)がまあ、真っ直ぐで素直で何て可愛いこと〜。
全寮制の男子校に入るとこなんて、
ああ萩尾望都的!で私のツボを押さえているのよー!

でもこの漫画の一番いいところは、フワフワしたハッピーエンドではないところだな。
一応あれはハッピーエンドだと思うが、何とも言えない余韻が広がるのよ。
読み終わった後、しばらく茫然自失します。

ナタリーは幸せの絶頂で死んじゃったからいいけど、後に残されたフランシスはたまんねーよな。
狂わなきゃ幸せを信じられないなんてね。

幸せを恐れる者は本当の幸せを掴めない
ってことでしょう・・。
ナタリー、あなたは幸せになるには、余りにも傷つき過ぎた。

合掌。


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七色いんこ/手塚治虫


何を隠そう、私は手塚治虫の大ファンなのさ!!
うちの本で一番多いのは手塚センセ本かも知れない。
ほんとに一杯あります。

そして、この「七色いんこ」はね、私「ブラックジャック」より好きなんだなー実は。
ブラックジャックよりも人間くさいんだよね、主人公が。
だから共感出来るの。

毎回お芝居と漫画のストーリーが徐々に重なって行くんだけど、
結構複雑な展開なのに、ちゃんとキッチリまとまってるお話が多いんだよねー!
いろんなお芝居取上げられてるんで、お芝居の勉強にもなるしな。(笑)

基本的に一話完結型の漫画。
でも「終章」ではいんこの過去がどんどん明らかになっていく。
過去での千里刑事との関わりとかは、かなりベタで先が読めたけど、(笑)
でも、よくまとめたよね。
いずれは千里刑事と結ばれるだろうとは思っていたものの、
どうやってくっつけるだろうと心配していたのさ。(笑)
一応ハッピーエンド(?)だしね。

何と言ってもいんこの素顔が男前でヨカッタ!!


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