No.111 空からクルマが降ってきた
2000年6月11日(日)
空からクルマが降ってきた
それが夢の中の出来事だったのかどうか定かではない。
とにかく、どんな音かは忘れたが何か騒がしい音がしたかと思ったら
ドン!とアパート全体が大きく揺れた。
そう、そんな感じがしただけだったのかもしれない。
地震か?
ウトウトしながら次に来る揺れを待ちかまえたがいつまでたっても揺れは来ない。
やがて外からざわざわと人の声がし始めた。
ちらっと外に出て様子を見てみたが暗くてよく状況が分からない。
どうやら道路の反対側のアパートの人が何人か外に出て話をしていたようだ。
いいや、と思ってまた寝ようとしたらやがてパトカーの音が近づいてきて止まった。
夢でも何でもない! 絶対何か起こったんだ!
僕の野次馬根性に火がついた。

土曜の夜、というか日曜日の未明、時間は3時過ぎ。
しとしと雨が降る中、傘を差して外に出てみると人が数人立っている。
交通事故?
しかし前の通りには事故らしいクルマは見あたらない。
暗闇の中じーっと目を凝らすと向かいのアパートに不自然にクルマが止まっている。
状況はつかめないがどうにも怪しい。
どう見てもクルマの後ろの部分がアパートに食い込んでいる。
近づいてみるとクルマの前の部分はペシャンコになっているではないか。
でも前の道路からつっこんだにしては様子がおかしい。
あんなふうになるわけがない。
まさか...!
僕の頭にとても信じられない想像が浮かんだ。

ちょっと高くなった大通り
うちのアパート近辺は周囲より2〜3メートル低くなっている。
近くをクルマ通り多い道路が走っているのだが、階段で上っていかなければならない。
(上の写真の中央付近の水色と黄色の階段)
更にその大通りにこれまた結構大きな通りが丁字路となってつながっている。
ほんの一週間前も、キィィィィー....ドン!という音がして
丁字路の発見に遅れた愚かな若者のクルマが柵につっこんでいた。
その柵の向こうは、僕のアパートがある窪地。
2〜3メートル低くなったところに雑木林があり、その向こうにお向かいのアパートがある。
この状況からして、今回も丁字路を曲がりきれなかったクルマが
今度は柵を突き破って落ちてきたとしか思えない。
階段を登って上の道路に行ってみるとやはりそこには柵を突き破った跡が...。
突き破られた柵 丁字路
結局この青いオデッセイは、丁字路をかなりのスピードでつっこみ、柵を突き破り
数十メートルダイビングした後向かいのアパートにつっこんだとしか考えられない。
ドライバーは近くにうずくまっていたがちゃんと話をしていて無事らしい。
いやー、人って死なないもんだね。

その後はレッカー車が来てダイブしたクルマを引っ張り上げたり
お巡りさんによるアパートの人たちに対する事情聴取があったり
5時頃までずっと見続けてしまった。
辺りはすっかり明るくなっている。
日曜日は結局寝不足。
若者よ! 俺の寝不足どーしてくれる!
(勝手に見てただけだろ)

レッカー車につり上げられる事故車
レッカー車につり上げられる事故車。

無惨な事故車
レッカー車の上の無惨な事故車。

クルマの跡
クルマのいなくなった跡。倒れた木が生々しい。

我がビッグホーンと
どれほどうちと近いか。
手前に見えているクルマは我がビッグホーン。
(我がアパートの前にて撮影)
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