No.028 あれから1年
1998年12月14日(月)
あれから1年
1年前の今日
僕の人生において最も辛く苦しかった日。
そして最も輝けた日...。
生まれて初めてフル・マラソンに挑戦し完走してから今日でちょうど1年。
初めは友達と冗談半分に話していたホノルル・マラソン出場。
昔から一度はフル・マラソンを走ってみたいという憧れはあったが
42.195kmを自分の足で走り続けるなんてことは夢のまた夢。
とてもそんなこと出来るとは本気で思っていなかった。
しかし出る以上は途中棄権なんか絶対やだ。
20代最後の記念にと
過酷な試練に挑むことに決めたのだった。
そして6月の終わりから朝の特訓が始まった。

目標は2つ。
1つ目は途中歩くことなく走って完走すること。
2つ目は4時間を切って完走すること。

毎朝早く起きて近くの公園を走る。
初めのうちは1,2km走るのがやっとだったが
毎日走るうちにだんだん慣れてきて
最後の方では毎朝8km走っていた。
途中ハーフ・マラソンにも何回か出場した。
タイムはおよそ1時間40分くらい。
この倍の距離だったらなんとかなるだろう。

そして本番。
初めのうちはマイペース。
体調も良くこの分なら余裕で完走なんじゃないか?
およそ1/4くらいのところで長い下り坂。
ここはチャンスとペースを早める。
後から考えるとこれが良くなかった。
半分を折り返し残り半分。
このころから左膝に軽い痛みを覚え始める。
やがてその痛みは激しくなり
完全に片足を引きずりながらの走りになる。
頼みの綱は残る右足。
しかしその右足ももう思うように前に出ない。
残り何kmという標識が重くのしかかる。
途中何度も歩きそうになったがひたすら精神力のみで走り続けた。
気が遠くなることもしばしば。
やがて目の前に最後の難関ダイアモンド・ヘッドの長い上り坂が立ちはだかる。
体力なんかほんの少しも残っていない。
ただ気力だけで足を前に出し続けた。
そしてやっとゴールが見えてきた。
まわりはにぎやかな歓声の渦。
しかしそれに笑顔で応える余裕はまったく無く
苦しみに耐えながらなんとかゴール・インした(上の写真)。
タイムは4時間24分。
4時間を切るという目標は達成できなかったが
「歩かずに完走」は達成できた。
これだけで十分満足。

走り終わったとき
もう2度とフル・マラソンなんか走るかと思った。
1年経った今
来年あたりまた走ってみてもいいかなと思っている。

一緒に走った仲間
一緒にホノルル・マラソンを完走した会社の仲間。

完走証なのです
完走証。
ちなみに下のアドレスから僕の記録を検索することもできる。
http://www.honolulumarathon.org/

(今回は全て人が撮影した写真)

[前号へ][戻る][次号へ]