1.本報告ページ作者からのご挨拶


 私こと沼田英俊は、神戸生まれの神戸育ち=神戸っ子です。1995.1.17午前5時46分、阪神間・淡路島を中心に起こった直下型大地震は、我が故郷・神戸の街を「破壊」し、焼き尽くしました。

 東京にて、朝のTVニュースで阪神高速の映像を見たときには、「あれ?、何でこんな映像が.....。えーっ!これ、今の神戸? いったい何が起こったの?!」と、ただ驚くばかりでした。ことの次第を把握してすぐに実家・親類に電話をかけましたが、通じません。お昼前に父親と連絡がとれ、「家に押しつぶされるかと思った」と、まだ余震に怯える声を聞き、その夜、火災で燃え続ける馴染み深い長田の街の映像を「お正月に友人と遊び歩いたばかりなのに.....。」と歯がみをしながら眺め続けるばかりでした。
(私の出身高校は震災時の火災で有名になってしまった神戸市長田区にある「兵庫県立長田高校」でした)
 その後、震災直後およびGWに帰省し、被災地を友人の震災見舞を兼ねて回ったときにいくつかの写真を撮りました。また東京においては、大学の研究棟において、写真展示会および義援金の呼び掛けを行いました。個人的な細々とした震災報告ではありますが、神戸以外の地域に住む方々が、当時の刺激的な映像の印象だけを残して記憶から薄れさせていくことに抵抗せんがため、このような自前の情報提供を当分、続行してゆくつもりです。

 我々神戸っ子は自分の街・故郷の街を破壊されたのです!街を再生・復興させるまでに一体どれほどの年月がかかることか、想像もつきません。本報告ページ作者としては、「神戸以外の地域に居住しておられる方々にも、いつまでもこの大災害を忘れないで頂きたい!」と強く願っています。また本報告が、震災・そして現在の神戸を今一度、あらためて見つめ直すための、少しの足がかりにでもなり、皆さんのお役に立てるなら、これほど嬉しいこともないと考えています。

                        1995.7 東京にて  沼田 英俊


※神戸以外にお住まいの方にもぜひ読んで頂きたい文章があります。

「神戸よ」陳 舜臣 氏(作家・神戸市在住)



numata@sakuraia.c.u-tokyo.ac.jp