ヒヤ潟から笹森山・横長根 (秋田・岩手)
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岩手側の国見温泉と旧国道の分岐に車を停めて県境の峠まで登ろうとしたが現国道から国見温泉への曲がり口で既に通行止めだった。(後で国見温泉の人と話したら明日から開通との事だった。)仕方なく国道を秋田県へ進んでいく。岩手側の仙岩トンネル口に少しの駐車スペースはあるが尾根までは谷筋を上がるかちよっと急な斜面を上がるしかない。もう少し確実な方法が無いかと更に秋田県へと進んでみる。仙岩トンネルを抜けると更に幾つかのトンネルが続く。どのトンネル口も良い駐車スペースが無く、更に谷が深く急斜面で取り付きに適さない。そうこうしているうちに湖山トンネルを抜けた所にドライブイン(仙岩峠の茶屋)と駐車スペースがあった。地図をみると、この少し先に旧国道との分岐がある。ドライブインの駐車スペースから少し離れたトンネル脇に車を停め出発する。
トンネルの上部に旧道のガードレールが見えるが斜面は急で最後コンクリの壁になっているか?確認出来ない。まぁ〜、ここも確実に旧道を進む事とする。
旧道は分岐部でゲートが締まり通年通行止めだ。トンネル上部までは直線距離では直ぐそこなのだが旧道は車用に作られている為、大きな九十九折りで結構の距離を歩かされる。トンネル上部を過ぎても九十九折りが続く。
国見峠からの尾根裏に出ると六枚沢越しに秋田駒(男岳・女岳)が望める。
国見峠からの尾根を回り込み南東面に出るポイントに急仙岩峠の茶屋が廃墟となって残っている。尾根は数本の送電線がここをまたぎ、マイクロウェーブの中継塔が建っている。
ここから旧道は尾根の山肌をトラバースするように着けられている。目標の尾根は見えているが意外と時間がかかる。更に急斜面のトラバースの為、そこらに岩崩れ、雪崩れで今回一番の危険地帯だった。
尾根の南東面からは貝吹森や地森北の山頂に建つ電波反射板が見えてくる。遠くに和賀岳・羽後朝日が白く手招きしている。
トラバース道は今でも小石がパラパラと落ちてくる事があった。雪崩れヶ所はデブリの上を歩くがこれが歩き難い。堅い氷の固まりかと思ったらズボっと固まりの隙間を踏み抜いたり。。。谷川は深く落ち込んでいるし。上部からの雪崩を注意しながら進む。(ヒヤ潟から国見峠へ登っている時に旧国道にブロック雪崩が落ちていくのを目撃する。)
やがて、旧国道仙岩峠に到着する。ここからが県境尾根への縦走が始まる。
峠にはヒヤ潟と言う池があるがまだ雪で埋まっている。脇には東北電力の監視小屋が建っている。小屋に階段はあるが背丈より高い位置から始まっている。「どうやって上がるんだ!」と思ったら裏に1階入り口があった。ここが避難小屋として利用出来れば良いのだが。朝飯がパン1個だけだったので小腹が減りここで軽く腹こしらえとする。
峠からは秋田駒も見えている。
地図ではヒヤ潟から笹森やまへの道は、池の東側を回るように成っている。西側にも送電線鉄塔に向かってしっかりしたルートが付いているが、そうでんせんまでで終わりそうなので忠実に東側の道を進んでみる。一部だけ笹が出ていて、この中に夏道の跡がある。刈り払いはされている様子が無く笹が被っている。しかし道跡は確認出来る。この時期ならわざわざこの笹道を進まなくても脇の雪の上を歩いていった方がよっぽど楽なのだが、参考までに夏道の様子を見てみた。
国見峠(ピーク)までは全て広い雪の上を拾って歩ける。ピークに石碑あり。ここで進行方向は笹藪になる。石碑の場所から直角に曲がる様な感じで斜面を下り藪の薄い(1m位の距離)場所を越え、再び左手に雪庇もどきを登り返す。跡は再び広い雪尾根となる。
下の写真の様に、笹森山は裾のを一旦東に巻き、白く見えている雪面を上がる。この巻きの部分は一部笹が出ている。やはり夏道の跡が見られるが小枝も張り出しているので夏は歩き難そうだ。
雪面を上がっていくと電波反射板が建つ山頂となる。が。。石垣があって取り付きを探す。私は右手側から小枝をかき分けて山頂に上がった。山頂は平ら(整地されているので)で展望もそこそこ良い。
西側の反射板の下に欠けた石柱があった。これが三角点か?と最初思ったがここから尾根を北上すると直ぐに二つも石柱を発見!位置的には反射板の下の物がそれらしい。
また山名表示プレートも反射板の足部に転がっていた。休憩後に尾根を北上する際、振り返ったら西の反射板裏側の鉄骨にも山名プレートがくくりつけてあった。このデザインには見覚えが有る。確か八幡平〜秋田駒間の曲先にもあったやつだ。
笹森山からの北上稜線は笹と小枝の藪となる。地図では道表示が無いが、獣道なのか?藪山愛好家の踏み後か?藪をかき分けると何となく道跡が付いている。これをたどって60m程進むと再び雪尾根となる。国見峠も笹森山も何故か南面より北面の方が藪が出るのが早い様だ。
笹森山を越えると小ピーク(P982m)を越え、方向を一旦北西に変える。横長根や秋田駒は正面に見えているのに県境尾根は回り道させられる。
ここからは全てなだらかな雪尾根歩きとなる。岩手側はなだらかで広い森と言う感じだが、秋田側が意外と急斜面で落ち込んでいる。これもちよっと不思議。普通は冬の偏西風の影響で西はなだらかで東は切れ落ちた山様となるのが普通なのだが。?
P1115mまでくると田沢湖が見えてくる。またこの方向からの秋田駒は左右の裾のが均整がとれていて綺麗に見える。
横長根に合流してからも雪面を拾って歩いていたら藪に突き当たってしまった。「おかしいな?ここはしっかりした夏道が有るはずなのだけれど」と思い地図をよく見ると道は県境より秋田側に書かれている。「そーか!尾根の反対側か」と考え少し藪を尾根上に上がったらしっかり雪の溶けた夏道が出ていた。尾根直上は雪も溶けてほとんど夏道が出ている。これを藪だと思って雪の残る岩手側を巻いていたのが失敗だった。
国見温泉への分岐に付き再び腹こしらえする。パンを食べながら帰り道を検討。来た道を引き返すとP1115の回り込みで何か遠回りである。このまま国見温泉に下って旧国道で仙岩峠に戻った方が距離も短いし楽そうである。しかし、国見温泉へのルートが非常に解り難い。
地図で確認するとこの分岐から国見温泉は、ほぼ南方にある。磁石で方向を確認し目標を探す。丁度良い具合に、杉が3ヶ所点々と生えている。これを追っていけば下りられ。?
最初の杉の木までは視界が利き一気に駆け下りる。杉の木の所で小さな沢状となっているが杉の木はこの沢の東側に生えている。地形的にはこの沢筋の東側を外さずに下って行けばほぼ温泉に出られるはずだ。(時期や積雪の状況によっては小沢がはっきりしなくなるかも?)
この杉の木を目標にしたのは正解だった。ここで一部夏道が出ているのを発見。「ここは夏道なんだ!」と解り一安心する。後はブナの木に、こまめに赤ペンキがついているのでこれを見落とさない様にすれば良い。
今回は、ほぼ直線的に下りてきたので最後は温泉の裏急斜面に出てきた。(夏道は最後東に回り込んで二つの温泉旅館の間に下りてくる。)
視界が利かない時は大変だと思われるので注意が必要。
国見温泉に付くと、旅館の方が小屋開け準備ちゅうだった。少し話をしたら「道路の開通と旅館の営業は明日から」との事だった。来るのが1日早かったようだ。更に「源泉の準備がまだで、温泉の準備が出来ていない。とりあえず宿泊は可能な様に準備している。」との事。源泉流しっぱなしかと思ったら冬は止めるらしい。真冬に来れば露天風呂貸し切りかと思ったがダメらしい。残念!
明日開通と言う事で、国見温泉から国道までは除雪完了されている。途中で旧国道の端までの九十九折りをショートカットして直接端の袂に下る。後は旧道を忠実に辿り仙岩峠に戻り付く。
尾根のトラバース道を過ぎて、旧峠の茶屋までくるとアスファルト道歩きが主となる。九十九折りをショートカットしたいが、石垣やネットの張られた急斜面が多く、更に藪。ここは急がば回れで素直に道を歩く。最後だけは足が痛くなってきたのでトンネル上のカーブから急斜面を木の枝につかまりながら下降した。
朝は解らなかったが、この峠の茶屋は意外と賑わっていた。名物「おでん」が良い匂いを漂わせていたが、ちよっと疲れていたので食べ物より飲み物で満腹。
このサイズの雪上車、欲しい!ブルーシートの中を覗くと運転席はオープンだった。しかしフレームがあるので風よけは付けられそう。更に前に、除雪機やブレードがアタッチメントで取り付け出来れば最高なんだが
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花輪越から佐比内沢 2005年 05月01日