駒ヶ岳・豪士山・中ノ沢峠周回 (山形/福島)
Page.1/1
駒ヶ岳〜豪士山〜中ノ沢峠の周回ルートを歩いて来た。
当日の朝、起きたら窓の外は雨で一旦は「また、来年への宿題かな?」と気落ちしていた所、高橋さんの「天気が酷くなったら下りてきて、行ける所まで行きましょう!」の言葉に載っていざ出発。これが正解で、駒ヶ岳への登り信濃沢分岐付近からは小雨も上がり下界は雲海の下にあるけど雲の上は吾妻連峰、飯豊連峰、朝日連峰、月山、葉山、蔵王と姿を現していた。
以前偵察に来た時、駒ヶ岳の登山口にはあまり車を停めるスペースが無かったような記憶があったので、2台とも一番駐車し易い元宮キャンプ場に車を停めて出発する。ここには管理棟等の営業キャンプ場に見られる施設がない。但し簡易トイレが一つ設置されていて意外と綺麗に管理されている。
07:15分頃キャンプ場を出発。林道を歩いていく。しばらくして林道は右に曲がり(2回目)沢を渡る。このコーナーが豪士峠への登山口で標識も建っている。車は停められて2台程度だろうか。更に林道を登っていき左手に堰堤が見えてくる。ここでフト?「あれ?車の鍵閉めたかな??」と不安になり、私だけ戻ってみる。気が着くまでに約15分、往復するとなると30分近いロスになる。駐車場に着いて確認したらやはりロックし忘れていた。足首の自由が利かない登山靴のまま車を運転して駒ヶ岳の登山口に向かう。駒ヶ岳の登山口(信濃沢)は林道の分岐点にありひかば越えの登山口(本沢)とY字路になる。この分岐した直ぐの路肩に何とか車を停めて出発。
夏に下見に来た時は、この分岐からは草も茂って車では入れそうに見えなかったが、この時期になって見てみるとまだ奥まで車は入れそうだ。スギの植林地をしばらく進むと少し広くなって車もUターン出来そうな場所にでる。ここまで車で入れる。この先は歩行者のみの登山道となる。沢を渡り左側がスギの植林地、沢の対岸は広葉樹の自然林帯を緩やかに登っていく。 やがて沢が二筋に分かれる。夏場だったら下草が茂って登山ルートだけが浮き上がって迷う事も無いのだろうが、葉っぱが殆ど落ちて見通しの良くなったこの時期は、見えなくて良い物まで見えてしまう。 左手側の沢方向の木に2本の赤ペンキが、しかし、右手の沢にもピンクリボンが見える。「ん?ほんのちよっと遠回りして、上で合流するのかな?」と思い右側の沢沿いに登るがはっきりした合流点は見つからない。尚、正解の登山道は右側の沢に曲がる。曲がって直ぐに対岸の斜面に取り付く。ここからが本格的な登山開始だ。九十九折りに急な斜面を登っていく。一息入れたい所で良いタイミングでなだらかな斜面に変わり微小尾根のコルの様な場所にでた。 ここが案内図で書かれた「沼」の部分。水が少なく、沼と言うよりは湿地と言った感じだ。
ここから、また急斜面を登り、登り詰めた所に「尾根分岐」標識が立っている。ここから尾根続きに二つのピークがあり、その奥に駒ヶ岳が見えている。
尾根分岐から、駒ヶ岳へは969mピーク、990mピークと越えていく。 969mピークまでは部分的に急登もあるがペースを乱さないようにじっくり上がっていく。 後は快適な尾根歩きとなる。
途中痩せた尾根の部分もある。
P969mからもう一つのピーク(990m)を越え、駒ヶ岳手前のコル部からは意外としっかりとしたブナ林帯となり、斜面を緩やかに上がって行く。尾根分岐から990mピークを越えるまでは低木の比較的細い稜線歩きと言う感じであったが、このコル部からは雰囲気ががらっと変わった。
駒ヶ岳山頂は周囲の立木が少し視界を塞ぐが、この時期は葉っぱが無いために有る程度の展望が得られた。
ここで、本日初の小休憩とする。
駒ヶ岳から高畠町最高地点(峰)までも意外と広めの尾根でブナ樹林帯である。最初はもっと低木帯か笹原混じりと思っていたがイメージと違っていた。 逆に冬季の縦走時は風も避けられそうな地形だし、なだらかだしで良い幕営候補地だと思う。
中間地点に新しい標識が立っていた。何処!と言う地名は書かれていなかったが、後から思うとあの標識から谷筋を下ると水場が有るのではないかと思う。
高畠町最高地点(峰)も駒ヶ岳同様、周囲の立木が少し視界を塞ぐ。 しかし、この時期で有れば展望も楽しめる。
県境を外れて東の福島県側に、この山域では最高峰である七ツ森が大きくそびえている。 山頂から南の栗子山へと続く県境稜線は意外と細身で駒ヶ岳へ続く尾根の方が主稜線に見えてしまう。山頂から踏み後か獣道かの後が続いていたが直ぐに藪に埋没していた。
高畠町最高地点(峰)は何か名前を付けてあげたい所だ。
高畠町最高地点から「ひかば越」までの間もブナ林が続く。小ピークを二つほど超えながら標高差200m程を下っていく。
途中のピークから高畠町最高地点、駒ヶ岳を振り返ると、それは二つの山と言うよりは、駒ヶ岳山頂は高畠町最高地点に至る中間ピークにも見える。また、その間のコル部の様子が馬の背に見えて、この二つのピークを合わせて駒ヶ岳と呼ばれているのではないかと思えてきた。
段々と下ってくると、不思議な事に低木帯となってくる。(普通は高度が上がるにつれ低木帯となるのだが) すると、突然、視界が開け、笹とススキの原っぱに出る。 草が綺麗に刈り払いされシートを広げて弁当でも食べたら気持ちの良さそうな所だ。 そう思ったら何かお腹が空いてきた。ここで昼にするか少し迷ったがあと少しで豪士山に着きそうなのでそこまで我慢する事にした。
「ひかば越」から傾斜がややきつめの斜面を登っていくと豪士山南のピークに出る。 北に笹原に切られた登山道が延びているのが見える。ここで、初めて他の登山者の声が聞こえてくる。何処からかな?と見渡してみると右手の(隣の)小ピーク付近に人影を発見した。この時点ではそこが豪士山だとは気づかなかった。
まず、ピークから下ると山の北面を巻くような感じで声の聞こえた小ピークに登り返した。「何だ!この森(ピーク)は巻いて行くのかと思ったら、やっぱり登り返すのか!」と思いながら低木帯を歩いていくと、また突然視界が開けた。「おっ!ここが豪士山だったんだ。。」
山頂には既に人影はなく、先程の声の主は下山した様子だ。しばらく休んでいると2組が豪士峠辺りを歩いているのが見えた。
天気も回復して一時的には青空も覗かせてきた。幸い、風がほとんど無い状態だったので豪士山の山頂では景色を見ながらゆっくり昼食タイムがとれた。やはりここでの大休憩(昼食)が正解だった。山頂は小広い草地でほぼ360度の展望だ!(今回のルート中、一番展望の良いのはやはり豪士山の山頂でした。)
しかし、風が無くても気温自体が低い晩秋の季節、ずーと休んでいると体も冷えてくる。
豪士山から豪士峠へと刈り払いされた快適な道を進む。峠の標識は熊にイタズラされて結構ボロボロだ。(今回のルート中で一番酷かった。)何処の山域でも同じように、何故か?熊はこの標識が気になるらしい。近くの木に爪跡が無いので標識だけ狙っているとしか考えられない。
1/25000地図では豪士山の直下から南東の尾根に延びるルート、豪士峠の北から東に延びる尾根上を進むルートが書かれている。しかし、現在、福島側からのルートは1本も無い(廃道状態)これは福島側からだとアプローチが深く、また、周回ルートが取り難い。と言う問題からだろうか?豪士山の山頂は山形県と福島県の県境ではなく完全に福島県側にある。
豪士峠から小ピークを越えて下り始めると、少し気を引く一本の木が立っていた。良く見るとその下に何か標識の様な物が立っている。そこに『文郎どうたん』と書かれていた。 『どうたん』って何?この木が「どうだん」の事かな?『ひかば越え』の『ひかば』と言い、どういう意味なのか気になる所だ。
この後も、幾つかのUP/DOWNを繰り返していく。豪士峠から北の稜線は低木帯で丁度目線より低い位置に木が生えている。この為、意外と終始展望は利く。但し夏場は逆に日差しが避けられず暑い尾根歩きとなる事が想像される。
また、日当たりが良いせいか下草の成長が早い様だ。、夏場で刈り払い前だと、草がうるさいかもしれない。(道を間違える事は無いと思うが)
中ノ沢峠から鳩峰峠までは近くに見え、この間のルート復帰してもらえれば更に楽しめる山域になると思える。尚、鳩峰峠から南の送電線鉄塔までの稜線は今年の夏、少しだけ下草を払いしたがおそらく来年の夏には草ボウボウに戻っている事でしょう。(非公式です。払ったと言っても一般登山道しか歩かない人から見ればとてもルートには見えない程度です。単に鉄塔下まで行くので有れば、鳩峰峠を福島側に下った最初のカーブから東北電力のしっかりした送電線監視路があり10分位で苦労せずに進めます。)鉄塔から中ノ沢峠は低灌木の密藪です。1日費やす覚悟で有れば突破出来ますが車が2台無いと戻ってくるのが大変です。
中ノ沢峠から北の県境稜線は昔の1/25000地図では道が書かれているが現在は藪に戻っている。
ここから山肌を切る様に下っていく。下って最初の沢筋のカーブ地点で水場が出てくる。
水場の水はチョロチョロ程度、設置されているパイプも落ち葉で詰まっているのかあまり用を足していない。
この沢も下に下るほどに水量は増えてくるが。登山道は沢の上の方を高巻きする様につけられて少しづつ離れていく。再度合流するのはかなり下の登山口付近だ。
再び中ノ沢と登山道が合流すると、後は沢沿いに2〜3度徒渉しながら進む。堰堤が現れ、スギの植林が現れると直ぐに中ノ沢登山口(林道終点)だ。ここにも車が数台停められる広場になっていた。
中ノ沢登山口(林道終点)から中ノ沢登山口(林道分岐)までは最後に疲れてきているせいもあるのか長く感じた。カーブが来る度に「おっ、林道合流か?」とだまされながらひたすら下っていく。
逆に、林道合流から元宮キャンプ場までは近かった。
TOP に戻る
駒ヶ岳・豪士山・中ノ沢峠周回 山行記 2004年 11月14日