朝日連峰針生平〜大玉山・平岩山
草刈り報告(山形県)


2003.07.19-21

今回、朝日連峰南部(小国の登山口)の草刈りに初めて参加した。西朝日からの県境尾根の様子を知るにはやはりこの山域に詳しい方々から直に色々な事を伺いたいと言う目的もあった。また、「なんで?」と聞かれると美味く答えられないが、山小屋や登山道の整備など作業は楽しいと思う最近でもある。

19日
2:30頃、道の駅『小国』前のコンビニに到着。本日の朝食と昼食を調達する。ザックカバーを忘れてきたので大きなゴミ袋を買おうとしたが見つからない。代わりにレジャーシトがあったのでこれを代用に調達する。レジで支払いして出ていこうとしたらネットで知り合った新潟の方々と偶然に会った。こんな時間にこんな所で会うなんてなんと偶然な事だろう!飯豊の縦走に行くとの事。私は朝日です。と少しお話をして道の駅に移動する。車の中で横になるがなかなか寝付けない。段々と外が明るくなってくる。
2030分位うとうとした気がするが目覚ましで飛び起きて5:30樋倉の民宿『ふもと』に移動する。道の駅から30分位で到着する。

予定より遅れて8時過ぎに全員集合。3台の車で登山口に移動する。大石橋手前の駐車スペースに車を停める。他の方々は既に歩き出せる状態で車に乗っていたので即出発。私はカッパ着て、登山靴はいて、背負子の上に自分のザックをセッティングして。。。。等としてたらみんなの姿が見えなくなってしまった。一発目駐車場から橋取り付きまでの川縁の微少なへつり&UP/DOWNで太股に力が入って先が思いやられた。この重さなら大丈夫だなと荷造り時は思っていたがやはり肩に食い込んでくる。そういえば最近丹沢でも重いのは背負ってないな、、肩が普通に戻っている。
大石橋は木の作業足場板の様な物が1列に引かれた感じで橋の幅の半分に渡してある。逆にこの余った半分が口を開けているので荷物で振られて転けるわけにはいかない。橋を渡ると森林歩きとなる。祝瓶山への分岐を過ぎると少し下って二つ目の吊り橋、白布橋に出る。ここはアルミの足場板になっている。はしを渡り終わると吊りワイヤーをくぐって梯子で下に降りるのだが荷物が大きくてワイヤーに引っかかり全身運動を強いられる。

大石橋の様子 白布橋の様子


後、少し(5m位)急登となる。ここで心臓がドキドキ。。。大石橋から
30分位の所でマラソンで言えば丁度デッドポイントになる。また大丈夫だろうと思っていたが寝不足も聞いているようだ生あくびが出る。急坂を上り終えるとまたなだらかなブナ林歩きとなる。途中、白布沢の徒渉ポイントがあり、登山道はこの沢を頂点にくの字に曲がっている。一瞬沢沿いに上がっていきたくなる所だ。そして3本目の吊り橋の下りとなる。ここも取り付きには梯子が着いている。荷物の上にくくりつけたザックを下ろして山さんに対岸まで運んでもらった。ここの橋からはV字の幅がせまい橋で横に荷物が広いとワイヤーに引っかかる。足場は1本の丸太と成っていて滑るかと思ったが以外に大丈夫であった。
橋を渡り終えると高度差10m位急坂を登る。と、目の前に角楢小屋が現れた。ひとまず小屋で昼食・休憩、蒔きストーブに火を入れる。何故かアルコールも出てきて「雨だしここで泊まろうか」の言葉に心が揺らぐ。が、気を取り直して13:30頃出発。再びブナ林歩きとなる。途中キノコを採って上がる。

角楢小屋手前の橋

大玉沢の吊り橋


大玉沢の吊り橋は短いが落ちたら怪我するだけの高さは十分にある。初男さん達は橋を渡らず沢を徒渉していった。
ここから急登の始まり。最初に二つの岩で休憩。次に岩と松の木の場所、後は要所要所で休憩。ちよっと開けた場所で休憩してここが中間部?後も急登がつづく。小屋で休んでから心拍数は上がらなくなったが肩が痛いのと、何となく体のキレが無い。蛇引きテント場と同じくらいの高さまで上がってきたとき初男さんが降りてきて荷物を代わってもらった。もう少しなので頑張ろうかとも思ったがブルーシートや食材が全部ここにあるので待ちきれないのも申し訳ない。素直に空身で上がらせてもらう事とした。

しばらくしてテント場に到着。既に焚き火の準備完了であった。蛇引きの水は冷たくておいしい。一息ついてテント設営テント間にブルーシートをタープとして貼る。三日間雨模様だったのでこのシートは便利だった。今晩は途中で採れたキノコ鍋と焼き肉等々。途中から雨が本降りになってきたのでテントの中に移動、宴の席から疲れた順にテントに詰めていくが山さんがテントからあぶれてしまった。山さんはテント間に防虫ネットとシュラフカバーで寝ていた。主催者は大変だなと思いながらも私はテントの中で睡魔に落ちていった。

20日

翌朝、雨は上がっていない。みんなカッバをテント外の張り綱にかけてありビショビショ状態。草刈りに上がる気力が薄らいでくる。停滞の誘惑にめげず、朝食後気合いを入れてカッパを着る。稜線近くの尾根に出るまでは今日も急登だ。でも荷物が軽い分全然楽だ。体は軽いが気が重いと言う感じ。稜線尾根付近から縦走分岐辺りでは雨も小雨となる。分岐で二組に分かれ一組は平岩山へ、もう一組は大玉山へと草刈りに分かれる。初めてなので最初は初男さんのサポート兼、作業証拠写真の撮影をしながら刈った草を登山道から払ったり、ジャマに成りそうな小枝をノコで剪定しながら進む、徐々にガスが薄くなってきて大玉山の姿が前方に広がる。

大玉山への稜線草刈り模様 大玉山が見え出した

大玉山手前のビークから草刈り機の交代。少しして大分要領がつかめてきた。が下りでは足場がずり落ちそうな所もある上に前の方に重たいものがあるのでバランスを取りながらの草刈りは以外と全身運動。最低コルから大玉山登り付近でバイケイソウが出てきた。刈り残していたら「それも刈っちゃって」との事で少しUターン、登りの草刈りの方が体制的に楽だ。一気に山頂までと思ったらエンジン停止・ガス欠になった。「ガス欠!」と振り返ったら初男さんがちょっと下の草むらでギボシを採っていた。ここで一息入れる。いつの間にか蒼空も出てカッパ姿では暑い。カッパの上を脱ぐ。やっぱり天気が良いと気持ちも弾んでくる。ガソリン入れて再び初男さんが草刈り。大玉山の山頂は、遠目で見たら開けた草原かと思っていたら小さな草むら程度で、北東方向の展望はあるが南西は小木で良く見えない。丁度お昼の時間だった。途中から気になって振り返って尾根上の登山道を見ていたが昼飯お届け隊の姿が見えなかった。どうしたんだろうね?と休憩しながら行動食のパンを食い。とりあえず分岐に戻ることにする。
大玉山の山頂

大玉山〜分岐中間部付近からの平岩山〜御影森山の稜線
(右端の三角錐に見えるピークが御影森)


分岐手前のピークで問い面の尾根に3人登ってくる姿を発見。いたいた!合流したのは分岐手前の尾根だった。山さんと大筒がこちらに下りてきた。暑いのと、さっきパンを食べてしまったのでご飯が届いても食が進まない。「こんな時は水をぶっかけて流し込むんだ」との事で試してみる。テレビのコマーシャルで冷やし茶漬けを見ていて「あれ美味いのかな?」と疑問に思っていたが以外にいける事に驚く。

分岐直下の尾根から大玉山

分岐直下の尾根から針生〜西朝日への稜線

ちよっとだけ時間をもらってヌルマタの頭まで上がる。ここからは平岩山、大朝日が見えてきた。平岩山手前の水は付近の尾根上に人影を発見。平岩班はあそこで合流したんだなと納得。山頂でタバコ休憩するが望みの西朝日の稜線(高い部分)はガスがかかったままで姿を現してくれなかった。

ヌルマタの頭

ヌルマタの頭から大玉山、右奥は祝瓶山

ヌルマタの頭から平岩山、左奥は大朝日

下山し草刈りに追いつき、途中で草刈り交代。ここでは何本もリンドウを切ってしまった。切ってポロッと倒れたところで気づくのもあれば、存在は分かっていて切っちゃいけないでも近くまでは。。。。とやっていると、「あっ!!」ついつい切ってしまう。苅分は難しい!!結局、今日一日で蛇引き清水の分岐から上の草刈りが全部終了出来た。明日は下るだけと言う事と、今晩は雨も上がって外で焚き火を囲んでの宴会となりついつい飲み過ぎ?自然と昨日の配置で寝ていた。夜中に雨が降り出したが山さんの姿が無い??あれ?あっちのテントに潜り込めたのかなと思いながらも今日も睡魔とアルコールで落ちてしまった。

21日

深夜から降り出した雨はまだ上がらない。三日目の朝も雨の中のテン場撤収作業、昨日の酒が残っていて、少し頭が(視覚)がクラクラしている状態だ。急な尾根を下山、大玉沢の吊り橋では来る時に滑ったので注意しなくちゃと思っていたら前を行く大筒さんが同じ場所で足を滑らせていた。ワイヤーはしっかり握っているので大事には至らないが滑る部分は下から登ってくると4〜5歩の所で少し板が斜めになっている部分だ。で板両サイドのワイヤーが板より下になっている。他の部分は板で滑ってもサイドのワイヤーで止まるがここはそのまま足を踏み落としてしまう。急坂と一番嫌らしい所を過ぎて一安心。プラプラとブナ林歩きをする。来る時は重荷でじっくり景色を見て入れなかったが、ここでじっくり堪能する。大きなブナの木がいっぱいだ。熊も出そうだがキノコもいっぱい採れそう!!秋も楽しみの所だ。やがて角楢小屋に到着。昼飯&お昼寝。昼飯までは二日酔い状態だったけど昼寝したら復帰できた。それともラーメンが利いたのか??昼食後は雨も上がり濡れる事無く駐車場に到着。ふもとに寄ってからお風呂「りふれ」で汗を流して帰途についた。

 

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