リッジレーサーV


シリーズ5作目となるリッジレーサーVが、
ユーザーに見せた夢と現実

 PS1と同時発売された『初代リッジレーサー』(以下、初代RR)は衝撃でした。

 それまでの私的BESTレースゲームは、任天堂の『F―ZERO』だったんですが(次点は、『マリオカート』)、それをあっさりとかわして、第1位の座を奪い取っちゃいました。

 あのリアルな画面(まぁ、対象がF―ZEROですし)や、現実にはあり得ない『嘘ドリフト』によって得られる爽快感には、本当にショックを受けました。


 レースゲームは、特に流行り廃りが無い奇妙な分野だったりするのですが、何故かハードの発売初期に必ずといって良い程発売されて、ハードの売上の牽引力となり得るようです。

 FCの『F1レース』、SFCの『F―ZERO』、MD・32Xの『バーチャレーシング』(そりゃ違う)、SSの『デイトナUSA』、そしてPSの『リッジレーサー』。

 DCの失敗は、ハード初期に魅力的なレースゲームを発売出来なかったからではないかと思っています。(そんな訳ない)

 もちろん、PS2でも当然のごとく『リッジレーサーV』(以下、RRV)が発売されました。


 『RRV』を買う前の心境ですが、PS1において、『RR1、2、3』と楽しんでいた私も、さすがに飽きてしまっていて、4には手を出さないでいたような状況でした。

 ですが、『RRV』は、『初代RR』を超えるような感動を与えてくれるだろうと思い、全く躊躇せずに、PS2本体と一緒に購入したのです。

 そして、期待は、完全に裏切られる事になります・・・


 客観的に見て、『RRV』は、本当に良く出来た、良いゲームです。

 まず映像面ですが、綺麗の一言に尽きます。

 PS2という発売されたばかりのハードで、よくぞここまでのレベルの映像が作れたなと思います。

 それは同時期発売のソフトと比べれば、一目瞭然です。

 リッジシティ(という街の道でレースをします)を構築するあらゆる物(信号機や標識まで)の細部に至るまで作り込みがされています。

 また、ゲーム内では、昼・夕方・夜と時間が経過するのですが、夕方には夕焼けに暮れなずむ桜三中もといリッジシティを、夜にはライトアップされたリッジシティを堪能出来ます。

 ただ、チトばかり見づらい点も指摘しなければなりません。

 私は21インチ・RGB端子付きのTVでプレイをしているので、苦にはなりませんが、夜のレースなどは、画面を明るくしないとゲームに支障を来す方も居られるかと思います。


 ゲーム全体の演出は、FMラジオのDJ風なノリというかなんというか・・・

 ちょっと表現しずらいですが、ナウでクールな感じです。(なんだそれ)

 これは、BGMがテクノ風(古い!)というかJ―POP調なところからの絡みだと思われます。

 私的には、どうでも良い部分です。

 気に入らなければ、さっさとスキップすれば良いだけですし。


 肝心のレース部分ですが、難易度も操作性も今までのシリーズとほとんど変わりません。
 操作性は、強いて言えば、『初代RR』に一番近いと思います。

 嘘ドリブルで爽快にレースが出来ます。

 RR初心者の方でも、幾度か練習する事によって、コーナーを妖しげなスピードで走り抜ける事が出来ると思います。


 難易度に関しては、経験者の私の例を出しますと、EASYレベルならば、初プレイで全てのGP(グランプリ)で優勝する事が出来ました。
 
 また、HARDレベルですと、全く歯が立ちません。
 
 これは、まだほとんどプレイしていないというのと、私がヌルゲーマーだからという2点の理由があると思うのですが、HARDレベルをクリアしていかないと、参加出来ないGPがありますし、操作出来る車種も、全然増えていかないので、かなり辛い所です。

 まぁ、これからの練習でなんとかなるという手応えはありますが。

 というわけで、現時点では、全部でコースが幾つあるのか全然判りません。
 
 また、シリーズお馴染の隠しカー(ブラックカー)にもお目に掛かっていません。

 ただ、現時点で判っているだけでもかなりのコース(ミラー、逆回り、オーパル)がありますし、車種も幾つかあるので、攻略のしがいがあるのは、間違いないでしょう。

 なんか、かなり褒めちぎってますね・・・
 
 さて、ここまで読まれた方は、面白そうなゲームなのに、なんで「期待を完全に裏切られた」事になるんだろう?と、疑問を持たれたと思います。(というか、持ってください。話が進みませんので。)

 それは、ずばり、『RRV』が予想された範囲内での進化でしかなかったからです。

 はっきり言ってしまえば、PS2になって、映像が綺麗になっただけの『RR』です。

 私が期待してたのは、そんな『RR』ではありませんでした。

 人間というのは、貪欲な生き物だとつくづく思います。

 もし、『RRシリーズ』を今までプレイせずに、この『RRV』が最初のプレイだったとしたら、私は、感動に打ち震え、涙すら流した事でしょう。

 しかし、そうはならなかった。

 それが不幸な事なのかどうなのかは良く分かりません・・・


 来年か再来年には、おそらく『RR』の最新作が発売される事でしょう。

 それも、おそらく、素晴らしい出来のゲームとなっていると思います。

 ただ、あの『初代RR』と同等以上の感動を私に与えてくれるかどうかというと・・・


 最後に、一言。

 この話の流れが『予想の範囲内』だったなどと思っても、口に出してはいけません。

 まぁ、それだけ、他人に何かしらの感銘を与えるというのは、難しい事なんです。



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