感想
『シナリオは良かったが・・・』
サウンドノベルでかつギャルゲーとなると、題材が重要になってきますが、その点、infinityはうまい題材を選んだと思います。
ギャルゲーをするようなユーザーは、大抵がSF好きです。(と断言)
『永遠に繰り返される1週間から抜け出す』というストーリーは、一見、『うる星やつら2・ビューティフルドリーマー』のパクリか?とか、「リプレイ」という小説が元ネタでしょ?とかいう意地の悪そうな感想が出てそうですが、面白いから、別にい〜んです。
こういったゲームには、複数女の子が登場して、それぞれにストーリー・シナリオがあります。
タダでさえ忙しい昨今、大抵のユーザーは、お目当ての娘しか攻略しない方が多いかと思います。
筆者自身も、『ときメモ2』が7人までクリアした所で止まってたりします。
そういったプレイスタイルになってしまう要因に、『全員クリアしなくても、対して問題が生じない』という事があると思います。
確かに、クリアしなかった娘との物語・結末は気になりますが、ですが、それらは、個々に独立した物語である事が多く、無くてはならないといった性質の物ではないからです。
無論、製作者の方々が、全キャラクリアしなくても良いように製作している場合もあります。
infinityは、お目当ての娘だけクリアすれば良い、というゲームではありません。
各キャラクタ専用のストーリーにも、他のキャラに関して、バランス良く複線を張り巡らし、意味深な言葉を配置します。
全てのキャラをクリアしないと、あ〜んなセリフの隠された意味や、あのキャラが取った行動の意味が、さっぱり分からないのです。
さらに、各キャラの個々のお話も無茶苦茶で面白いです。(注:『無茶苦茶、面白い』では、ないです)
特に、他の4人のキャラをクリアしないと攻略する事が出来ない『守野いづみ』のシナリオは必見です。
最後に攻略出来るキャラだから、どんなにスゲーストーリーなんだろうという期待を見事に裏切ってくれたオチの脱力感は、今年の上半期NO.1と言っても過言ではありません。
この本があれば、かならず全キャラクリア出来ますので、皆さんも『守野いづみ』シナリオを攻略して、『そりゃ反則だろ』感を十分に味わって下さい。
さて、返す返す残念なのは、このゲームの初期ロットには、とんでもないバグがあるという事です。
1つ目は、メインヒロイン・川島優夏の2周目、バーベーキューのシーンで、画面が真っ黒になる事と、2つ目は、『守野いづみ』がクリア不可能という事です。
1つ目は、特殊な条件とかが必要なわけではなく、川島優夏のシナリオを進めていけば、必ず起こるというものです。
これは、デバッグの漏れではなく、完成バージョン以外の物を間違って、工場に回してしまったとしか考えられません。
もはや、デバックの漏れ以下の大失態です。
2つ目も、やはり同様に起こったものでしょう。
しかし、ユーザーがバグという事に気がつかないでプレイをし続けるという点では、1つ目より遥かに事態は深刻です。
『無限の檻から 私を救って....』というのが、このゲームの宣伝文句なんですが、ユーザーを無限の檻に閉じ込めてど〜する!!
筆者は、最初のプレイで、1つ目のバグに引っかかり、キッドのHPに行ったら、2つ目のお知らせが告知されていました。
で、とりあえず、様子を見ていると、最初は、メモリーカードの交換だったのが、直ぐに商品取替えという事態になりました。
(ただ、5月末で無償交換の期間は終了してしまいました。チト無責任かなって思います。)
ず〜っと、HPの掲示板を覗いてたんですが、あまり荒れてなかったのが、意外でしたね。
買った人が、少なかったのかも知れませんが・・・
現在、発売されている物の中には、初期ロットは無いと思われますので、安心してご購入下さい。
(以下、追記)
夏コミ後に知ったのですが、守野いづみシナリオは、2回目のクリアで真のEDに到達出来ます。
たいした事ありませんけどね。
どうもこのゲームは、思ったよりも人気があったらしく、ゲームボーイやDCへ移植されました。
DC版は、PS版では、不明だった、あの世界の謎が明かされるので、今からプレイされる方は、DC版がお奨めです。
私も買いたいとは思うのですが、同じゲームをやり直す気力は沸いて来ません。
DC版のラストを教えてくれる方が、いらっしゃいましたら、嬉しいです。