春雨曜日


名作・まぼろし月夜のスタッフが作った第二弾ギャルゲーを
ここまでつまらなくしたのは、 誰だ?・・・
答えは、多○田プロデューサーです



 この作品、発売元は『NECインターチャネル』となっていますが、開発元は『シムス』という会社です。

 そう、ご存知の方はご存知かも知れませんが、『シムス』といえば、『まぼろし月夜』で、DCユーザーを感動の嵐へと巻き込み、一躍有名となった会社です。

 その勢いでPS版も出したら、大コケだったり、『まぼろし月夜・麻雀編』もやっぱり大コケだったりしたのか響いたのか、今まで自社で開発・発売していたものを、自らは開発に専念し、販売をNECインターチャネルに任せた事が、今作『春雨曜日』の不幸であったと言っても、過言ではないでしょう。

 NECインターチャネルといえば多部田プロデューサーです。

 この人が関わったゲームが不幸になるのは、皆さん、ご存知だと思います。

 全く、とんでもない疫病神です。

 まぁ、多部田氏に問題点の全てを押付けるのもアレなんで、ちゃんと分析をします。


 『春雨曜日』は、基本的に『まぼろし月夜』のシステムとほとんど同じシステムを使っているので(その日の行動先を1ヶ所選んだり、シナリオ中に選択肢を選んだりするAVG)、システム的な部分は若干の進化を遂げて、快適にプレイ出来るようになっています。

 しかし、ストーリーに難点があります。

 非常に話の内容が薄いというか、あっさり風味なのです。


 主人公・中垣祐は、中学を卒業したばかりの、暇を持て余したガキです。

 受験の失敗と失恋のダブルパンチで鬱になり、叔母が経営する旅館・春雨に春休みの間(1ヶ月弱)だけアルバイトをする事になります。

 全く、ガキの傷心旅行に付き合わされる叔母さんもいい迷惑です。

 もちろん春雨が、そんな傷心のガキを慰めてくれる女性達で溢れているのは、ゲームとしてのお約束通りです。

 その旅館での経験を通して、自分の未熟さを知って人間的成長を遂げたり、新たな恋も見つけたりするわけなんですが・・・

 どうも、演出が弱いというか、ストーリーの起伏が足りないというか、イマイチ胸に迫ってこないんですよね。


 物語は3月11日に始まるのですが、3月中は淡々と日常が過ぎる感じで、物語が動き出すのは、4月に入ってからと言っても過言ではありません。

 そして、そろそろ盛り上がって来たなという所で、あっさりと終了してしまいます。

 起承転結の『転結』にあたる部分が3〜4日分しかないのです。

 更に、クライマックスに入るまでの3月中は淡々と日常が過ぎると書きましたが、これは誇張でもなんでもなく、本当に淡々と進みます。

 各キャラには、イベントCGが7枚あるのですが、その内の1枚はED後のエピローグ用ですので、ストーリーに使われるのは、6枚だけです。

 2〜3枚はクライマックスに入ってからのCGですので、結局、『起承』部分で使用されるのは、3〜4枚、つまりCGが表示されるようなイベントは、3〜4回だけで、後は、延々と日常会話や小イベントなりが繰り広げられるのです。

 まぁ、こんな説明しなくても、『攻略キャラが7人で、各キャラのCGが7枚』と書けば、ストーリーの薄さは分かっていただけるとは思いましたが、ページを埋めるためとご理解下さい(笑)。

 前作『まぼろし月夜』は、感動的なストーリーによって、DCユーザーから絶賛された事は、既に述べました

 その詳細は割愛しますが、『まぼろし月夜』を洋画の大作『タイタニック』とすると、今作『春雨曜日』は邦画の佳作『ときめきメモリアル』くらいのスケールダウンって所でしょうか?

 意味不明ですか?


 ユーザーの反応も正直で、ドリームキャストマガジン改めドリマガ・7月13日号では、『まぼろし月夜』が9.1048の46位に比べ、『春雨曜日』は7.7906の216位です。

 ただ、7.8点という点数も結構高いような気がしますね。

 私的には、6点くらいでしょうか。

 『まぼろし月夜』を知っていたので期待が大きかったんでしょうけどね。


 さて、ストーリー以上に売れなかった理由が存在します。

 それは、発売日です。

 企業は年度末に決算があるので、3月中に発売しなければならないのは、ある意味仕方が無いのかもしれませんが、さすがに『サクラ大戦3』と同じ発売日にしなくても良いでしょう。

 これは邪推かもしれませんが、「この出来はやばい。サクラ大戦3と同じ日に発売にして、売れなかった理由を他人のせいにしよう。」という意思の元に決定されたとしか思えません。

 多部田氏ならやりかね無いでしょう。

 まぁ、発売日ずらしても、1000本上積みされたかどうかですけどね。


 キャラデザが『まぼろし月夜』同様、かなり特徴ありまくりなんですが、これは売上に影響は無かったでしょう。(ちなみに同じ人がキャラデザです)

 『春雨曜日』の情報自体が、ほとんど雑誌に載ってませんでしたし。

 『まぼろし月夜』と同様、あいかわらず巨乳だらけなんですが、あの巨乳たちに慣れてしまった今となっては、物足りなく感じるのも事実です。

 そうそう、メインヒロインが貧乳なのも、お約束です。


 さて、このゲーム、DCのゲームによくあるように、ダウンロードシナリオがあります。

 『春雨日記』と『暗闇怖い』という2編なんですが、各300円と、ダウンロードシナリオにしては高額な料金となっています。

 本編の出来がアレなのに、わざわざ手間と時間を掛けてプレイする人っていうのは、どれくらい居るのでしょうか?

 筆者も、購入当初は、ダウンロードシナリオを楽しむ予定でしたが、あまりにも本編の出来がつまらなかったので、見送ってしまいました。

 『まぼろし月夜』のように、後にPS版が発売されれば同時収録される事とは思いますが、PS版が出ても私は買おうとは思いません。

 というか、今回は、移植版が出る事は100%無いでしょう。




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