機動戦士・逆襲のシャア



『あの人は違うわ...アムロは私達とは違うのよ...(うる憶え)』


 現在、ガンダムのゲームといえば、ギレンの野望・GジェネレーションのようなSLGが主流ですが、一昔前までは、コックピット視点の3Dシューティングが主流でした。

 これは、PS・SSという次世代機が発売されて、少年達(というか、いい大人)の長年の夢であった『アムロになって、ザクをぶち壊す』事が、かなり仮想現実的に叶うんじゃないかというある種の錯覚が起こした悲劇だったと思います。

 実際に、筆者は、PSで発売された『ガンダム』『ガンダム ver.2』『Zガンダム』『逆襲のシャア』と全てプレイしましたが(SSのブルーディスティニー3部作と、DCの『コロニーの落ちた地に』は未プレイ)、ゲームは、かなり頑張って作られており、実際のモビルスーツのコックピットの感覚を、そこそこ再現出来たのではないかと思います。

 問題があったのは、ユーザーの方なのです。

 実際のモビルスーツよりは簡単であろうコントローラーによる操縦、実際のザクよりも鈍重だと思われるモニター上のザクを前に、少年達(しつこいですが、ほとんどがいい大人です)は、気づかされてしまいました。

 自分たちは、カイ・シデンやハヤト・コバヤシになれても、アムロ・レイにはなれないという事に!!

 実際、PS以外の機種では、主人公≠アムロとして描き、ユーザーをオールドタイプとする事で、モビルスーツを手足のように扱えない事を表現しています。

 あまつさえ、『コロニーの落ちた地に』では、発売より1ヶ月以内に解けば、アムロと対戦出来るディスクを貰う事が出来、ニュータイプとは、とてつもなく凄いものだという事を体験できるようです。

 さて、『機動戦士ガンダム・逆襲のシャア』ですが、シリーズも3作目になると、ゲーム性(主に操作性)がユーザーフレンドリーになって、そこそこニュータイプの気分は味わえるようになってます。

 基本的な戦略は、スタートと同時に突っ込んでいって、サーベルでぶった切る事です。

 そうしないと、ニュータイプレベル(←クリア後に表示される)の高ランクは望めません。


 全6ステージで、各ステージは、アニメパートと3Dシューティングで構成されています。

 ストーリーは、『劇場版・逆襲のシャア』だけでなく、1年戦争の『大気圏突入』『光る宇宙』『ア・バオア・クー』も絡めています。

 これは、『劇場版・逆襲のシャア』だけでは、舞台となる戦闘シーンが少ないためなんですが、それにしても、全6ステージのうち、半分が1年戦争っていうのもアレかなって思います。
 CD2枚組で、アムロモードとシャアモード(共に6ステージ)があるのは、シャアファンには嬉しいところですが、全6ステージだと、若干、物足りない事も事実です。

 各ステージで挿入されるアニメーションは、かなりのレベルで(映画から使いまわした物ではなく新たに作画したもの)、ゲームクリアー後には、それらのアニメがいつでも鑑賞出来るようになります。


 筆者は、ストーリー構成に、非常に不満を持っています。

 このゲームのために用意されたストーリーが、『劇場版・逆襲のシャア』とは、若干異なるという点です。

●映画とのゲームとの主な相違点

 0.5thルナが落ちる前のシーンが追加されている

 1.映画版ではスイートウォーターのシャア邸宅でのシャアとナナイの会話
   「誰かが人類の業を背負わねばならんのだ」
   「大佐はあのアムロを見返したいために今回の作戦を思い付いたのでしょう?」
   を 5thルナの落ちる前に喋っている。

 2.シャアとナナイが一緒のベッドで寝ているシーンがある

 3.アクシズ内でのアムロとシャアの会話
   「世直しの事を知らないんだな」
   「愚民どもにその才能を利用されている者の言う事か」
   がνガンダムとササビーでの対戦中に喋っている

 4.アムロがクエスを倒してしまう。
   クエスが敵である理由が全く示されていない。

 5.アムロとシャアのロンデニオンでのやりとり
   「今すぐ愚民どもに英知を授けてみせろ」
    が5THルナ上の戦闘イベント中に交わされる。

 容量の問題とか、3Dシューティングとの絡みから、映画まんまのストーリーというわけには、いかないとは思いますが、さすがにクエス・パラヤに関する変更は、無茶をし過ぎるなって思います。

 相違点には、含めませんでしたが、映画からカットされたシーンなども多数存在します。

 1年戦争に半分ものステージを費やすなら、その分、『劇場版・逆襲のシャア』を再現する方向でゲーム化して欲しかったです。

 ですから、筆者のファーストプレイは、些かガッカリしたものでした。
 ・・・途中までは。

 知っている方は、知っていると思いますが、『劇場版・逆襲のシャア』では、最後の最後、アムロとシャアの決着がついた後に、地球に落下していくアクシズをνガンダム(+シャアの脱出ポッド付き)で押す名シーンがあります。

 その行動に触発された、ぐうたら連邦軍のモビルスーツや、敵方であるネオ・ジオンのモビルスーツまで、アクシズに取り付いて、押し始め、結果として、アクシズの落下を阻止するのですが、映画封切り当時から物議をかもし出している問題のシーンが、その後にあります。

 νガンダム(アムロとシャア)は、大気熱で燃え尽きたはずですが(描写は全くありません)、落下を阻止されたアクシズの横に、一瞬、流れ星のようなものが作画されています。
 
 その描写に気がついたファン達は(←筆者も劇場で気がつきました)、アムロとシャアが生き延びる事が出来たんではないかと、狂喜乱舞したものです。

 で、このゲーム版『逆襲のシャア』では、なんと、アニメパートで、その作画が再現されているんです。

 これは、ゲームの作り手が、本当のガンダムファンでなければ、成し得なかった事だと思います。(←おおげさ)
 
 分かっている人の、分かっている仕事ってのは、本当に美しい物ですね。

 大昔に『Zガンダム』を作成された、某・遠藤さんにも、ぜひ見習って欲しいです。


『攻略』

●シャアモードの出し方
 このモードを出現させられない人は、居ないと思いますが念のため、記述します。

 アムロモードをクリアした後、モード選択画面に「CHAR」という表示が出ているはずです。
 これを選択すれば、シャアモードが始まります。

 アムロモードをクリアした後、忘れずに、一旦、セーブをしましょう。


●イベント条件

 3Dシューティングの途中である条件を満たすと、アムロ達の会話を聞く事が出来ます。
 ほとんどが、名セリフですので、忘れずに聞くようにして下さい。

 アムロモード

 STAGE1 タイムが1:00〜2:00の間に、メインターゲットのシャア専用ザクをつかむ
 STAGE2 シャア専用ゲルググの足を破壊し、その後でつかむ
 STAGE3 自機のライフゲージが50%以下で、タイムが2:00以内にジオングをつかむ
 STAGE4 タイムが1:00以内にサザビーをつかむ
 STAGE5 イベント無し
 STAGE6 自機のライフゲージが50%以下で、サザビーのシールドを破壊後につかむと発生。

 シャアモード

 STAGE1 タイムが2:30〜3:30の間に、ガンダムをつかむ。
 STAGE2 ガンダムの頭部を破壊した後につかむ
 STAGE3 自機のライフゲージが50%以下で、ガンダムの足を破壊後につかむ
 STAGE4 タイムが1:30以内にリ・ガズィをつかむ
 STAGE5 イベント無し
 STAGE6 νガンダムのシールドを破壊した後につかむ


●隠しモビルスーツの出し方

 対戦モードには、5機のモビルスーツが隠しMSとして、存在します。
 リック・ドム、百式は普通にプレイしていても、出現させれますが、他の3機は、出し方を知らないと永久に出現させる事は出来ません。

 シャア専用 リック・ドム  バトルモードをノーコンティニューでクリアする
 百式            アムロモード、シャアモードの両方をクリアする
 ヤクト・ドーガ クエス機  選択画面でヤクト・ドーガに合わせL2+R1を押しながら○ボタン
 G−3ガンダム 選択画面でガンダムに合わせL1+L2を押しながら○ボタン
 リ・ガズィ アムロ機    選択画面でリ・ガズィに合わせR2+□を押しながら○ボタン

  

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