RPGの王道を行くゲーム。
アンチスクウェアの人は、スクウェアという事には
捕らわれずプレイすべき。
皆さんもご存知の通り、FF9は売れませんでした。
理由については、『ドラクエ7のせいで買い控えが起きた』とか『発売前に攻略を制限したせいで、雑誌媒体への露出が少なかったせいだ』とか『攻略本を発売しなかったせいだ』とか『FF8とは別のチーム(=スクウェア・ハワイ=スクウェアの傍流)の開発なんで、わざと宣伝をしなかった』などなど、諸説言われましたが、それらは、微々たる理由でしかありません。
原因はただ一つ、前作FF8で騙された皆さんが、FFシリーズを見限ったからです。
しかしですね、まだ未プレイの皆さん、FF9は、FF8とは別物の、まともなゲームに仕上ってますので、プレイする事をお奨めします。
今作のテーマは、『自分探し』。
自らの出生を知らない黒魔道士ビビ&盗賊ジタンの二人が軸となり、人間の存在意義とは何かという高尚なテーマに挑んでいます(そんな大げさな物じゃないけど)。
この二人を対比させたりして、物語に厚みを出しています。
もちろんジタンとお姫様ガーネットのラブストーリーもスパイスとして入ってますが、それは、あくまでストーリーの軸ではなく、添え物でしかありません。
と言いつつ、物語の最初は、ジタンによるガーネット姫誘拐事件から幕を開けますし、ラストは二人が幕を降ろすんですけどね。
そして、舞台となるのは、RPGでは普遍的とも言える中世的な剣と魔法の世界。
お約束通り、大国間の戦争勃発からストーリーは始まり、実は、その戦争を影で操っていたのは・・・って、感じです。
そんなのありきたりじゃん、って思った皆さん、100万単位で売れるゲームっていうのは、王道を歩めば良いんですよ。
変に奇抜にするのは、挑戦ではなく、独り善がりっていうもんです。
戦闘システムも、良い感じですね。
FF7・8と続いていた、『マテリアとかガーディアンの存在によって、全てのキャラの能力・存在価値が均一になる』というスカタンなシステムは廃止され、それぞれのキャラの役割分担が明確になっています。
肉弾戦キャラ2名、回復系キャラ1名、魔法攻撃系キャラ1名というのが、パーティーの基本で、8名居るパーティーキャラの割り振りも4:2:2と、先ほどの基本形が2組出来るようになっています。
ウィザードリー世代の私なんかには、当たり前でしっくりくるシステムなんですが、最近のRPG好きな皆さんには、もしかして、不評なんでしょうかね?
また、FF8と違って、武器・防具も沢山身につける事が出来ます。
それぞれの武具を身につける事によって、アビリティを習得するようになっています。
例えば、ビビが黒き法衣という武具を装備して、50回戦闘すれば、ファイガというアビリティー(もしくは魔法)を習得出来るって感じで。
当然、その同じ武具を肉弾戦系のジタンが装備しても、ファイガを身につける事は出来ません。
え〜と、もちろん不満な点は、幾つかあります。
例えば、今回のFFのテーマは、『原点回帰』だったりするんですが、その一番の目玉だったはずのクリスタルが、最後の最後に、伏線も全く無しに突然あのような形で出てくるっていうのは、どういう了見ですか?
また、パーティーだけで8人も出てくるので、各人のストーリーの掘り下げが足らないとか。
というか、前述した通り、前半はビビの物語で、後半はジタンの物語と言っても過言ではありません(+全編において、ガーネット姫)。
まぁ、話が散漫になるよりか、良いでしょう。
ただ、それぞれのキャラの数少ないエピソードが、強制イベントでは無いというか、一部のイベントは見逃す可能性が大きいっていうのは、ちょっといただけないですね。
クイナの師匠がビビの育ての親というのが、はっきり示されるのは、隠しイベントだったりしますし(普通にストーリーを追って行っても、そこはかとなくは分かりますが)。
後、様々なミニゲームは、要らないです。
FF8に続いて、カードゲームがあるのですが、面白くも無いのに、なんで採用されてるんでしょうか?
私が嫌いなだけで、世間的には人気があるのかな〜と思いきや、FF10では、あっさりと無くなってるし。
他にも、ビビの縄跳びゲームがありましたよね。
Aボタンを押して、延々と縄跳びを飛ぶやつ。
別に暇な人のために、ちょっと入れてみました〜とかなら構わないですけど、跳んだ回数によって、アイテム貰えたりするからタチが悪いです。
それと、ゲームクリア後の画面で、コマンド入力すると、ブラックジャックが出来るらしいですが、何のためにそんなの入れたのですか?
もう1回クリアしろっていう、嫌味ですか?
ボロクソに書きましたが、ここ掘れチョコボだけは、良かったですね。
少々、努力すれば、コンプリートする事が出来ましたし。
何より、反射神経とか、記憶力とかが殆ど要らないのが、素晴らしいです。
スクウェアといえば、CGの出来だけは、FF7・8と賞賛されましたが、FF9も素晴らしい出来です。
PS史上最高のグラフィックでしょう。
FF8とは違い、ストーリーの端々に絶妙なタイミングで短いCGムービーが挿入されるようになっており、非常に感じが良いです。
更に、ラストシーンの、長い長いムービーは、歴史に残るものだと思うので、是非とも見て欲しいですね。
相変わらず召還獣のムービーはスキップ出来ませんが、戦闘で召還獣を使う必要性というか機会は、かなり減りましたので、イラツク事はないでしょう。
本当に売れなかった事が不思議な作品です。
FF8さえなければなぁ・・・