楽 器


小学校の1年から5年までピアノを習っていて、

その当時は練習がとても苦痛でした。

五線譜は読めたわけですが、バイエルの練習曲を弾くのは

ぜんぜん面白くなかったのです。

小学校の音楽の時間には低学年でハーモニカと木琴、

高学年でリコーダーをやりましたが、

それも特に得意ではなかったと思います。

ただ、ソプラノリコーダーはドイツ製の木のものを買ってもらって

嬉しかった記憶があるので、楽器好きはこのあたりからでしょうか。

そして民族楽器の収集癖は、高校生時代のケーナから始まりました。

私がどんな楽器を持っているかは別項を見てもらうとして、

楽器には、それぞれの奏法や音色以外にも

造形の美しさなど、民族性の表われにひかれます。

音楽には人の魂がこもります。そのための道具である楽器には、

他の民芸品などよりも強く、精神性が感じられるのです。

そんな楽器を自分で演奏してみると、

草原や山の上にいるような、大自然に抱かれる感じがします。

そうはいっても、自由に演奏をするということでは、

やはり西洋楽器や電子楽器になってしまいます。

特にジャズのライヴを聴きにいくようになってから、

楽器の使い方というのは型にはまったものでなく、

発想しだいでどんな風にも音が出せるものだと知って、

見るものすべて欲しくなってしまうのでした。

自分にとって文章を書くことや絵を描くのは

趣味を超えた生きるために必要なことですが、

楽器を奏でるのは、純粋に楽しめることになっています。