ヴォーカルの前田祐希、クラシックの室内楽団(バイオリン、チェロ、クラリネット、フルート)と共演のコンサート。第一部はまず、板橋+前田の即興セッションでスタート。板橋のパワフルなピアノに負けないヴォーカルも素晴しく、楽しい演奏でした。次にビオラのパートをクラリネットが吹いての、モーツァルトの弦楽二重奏…クラリネットが存在感を発揮していて、面白い演奏でした。あとはチェロのソロでサンサーンスの「白鳥」と、フルートのソロは曲名を覚えていられませんでした。 そして第二部にこの日の目玉、シェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」を演奏したのですが、現代音楽の古典的作品ということで、始めに「聴く方も演奏する方もしんどい曲」という紹介があったとうり、かなりの難局であったことは確かです。メロディーなどよりも、短時間で終わる歌で組まれた曲の構成が聴きにくいのかもしれません。これがクラシックのピアニストでの演奏だったら、もっと聴いているのが辛かったのではないかなぁとも思います。 指揮者がいないで演奏者が互いに呼吸を合わせるというのがジャズと室内楽の共通点だと思います。楽譜通りとはいっても、板橋文夫が中心になって異ジャンルの音楽家と曲を進めていく、そしてフォルテッシモではいつものように鍵盤を思いっきり叩いての演奏が、他のメンバーを刺激して新しいシェーンベルクの世界ができたのではないかと、感じたのでした(他の演奏で聴いたことがないので比較できませんが)。場所も、コンサートホールでなくサロン風の雰囲気だったことが、曲を優しく聴かせてくれたように思います。 シェーンベルクの後、アンコールで演奏されたバッハは、ほっと心に染み入ってくるような絶品でした。 |
久しぶりのアレポス、その間に出ていた新しいCDは手に入れて聴いていましたが、この日のライヴで始めて聴く曲も多く、とても新鮮な気分でした。今回はギタリストの が参加し、ドラムもセットされてれいちさんが叩きながらの歌も数曲あって、なじみの曲がロック調にアレンジされたり、刺激的でした。ギター自体は控えめな感じでしたけれど。あらためて、アレポスの魅力を再認識できました。カジュアルなようで、至高の純粋さがあって、音自体への楽しみがあって、ミュージシャン同志の技術と心が穏やかに交流していて。ピアノのすぐ隣で聴いていましたが、清水さんの楽しんでる気持ちが強く伝わってくるし。れいちさんはいつまでも子供のようだし。心地よいバランスの妙が、最高です。 |