鍵の章


●クラビノーバ 最近まで家にはピアノがありましたが、妹が持って行ったので、 替わりにYAMAHAの電子ピアノ、クラビノーバがやってきました。 生ピアノとまったく同じとはいえませんが、かなり近い感覚です。 なにより、ガンガン叩きつけるように弾きたい私としては、 ヘッドホンで聴けるのが大変に好ましいことです。 音色もいくつか変えられますが、ほとんどピアノで弾いています。 やっぱりピアノの音は、奥が深い。指先での微妙なタッチ、 メロディアスにもリズミックにも演奏できるピアノは、 やはり最高の楽器の一つです。 …とは言っても。 小学校の1年から5年までピアノを習っていましたが、 当時は練習がいやで、全然楽しくなかったのです。 再び鍵盤を叩くようになったのは、いろんな楽器を集め、 ジャズの自由を知ってから。 楽譜なんて見ずに、曲なんて考えずに…ただ指の動くに任せる。 目も閉じてしまって、音の流れに意識を漂わす… 半分眠ってしまっても動き続ける指の不思議さ。 音の中に、知らない自分が見えてくるのでした。 ●ピアニカ 子供用の楽器のように思っていましたが、 ピアニストが路上で演奏しようとしたら、これしかない… 山下洋輔も板橋文夫も使う楽器です。 安いので、あまりためらわずに買えるのも良いです。 鳴らしてみると、これがものすごく表現力豊かな楽器で。 笛系に親しんでいた私なので、息使いのコツはわかっています。 ピアノも弾いて指も動きます。 その二つの要素が出会ったとき、まったく新しい世界が開けた感じ。 音もハーモニカかアコーディオンのようで、哀愁が漂います。 エレクトーンの松田昌コンサートでピアニカの裏技を知ったので、 いろいろ試しながら楽しみたい楽器です。