つばめ・ろまんカセット・ブック


音楽は基本的に即興です。使う楽器を決めて、録音ボタンを押した瞬間から決められた時間内、テーマがある時はなんとなくイメージを頭において、なければ気のむくまま指の動くままに鳴らし続けるというスタイル。多重録音の時も、初めの録音を聞き返して覚えたりせずに、そのまま再生の音を聴きながら演奏を重ねていきます。

音楽としての完成度や演奏のテクニックもへったくれもなく、演奏時には聴く人に楽しんでもらおうなんて意識もないのですが、なかには気に入ってくれる人もいて、自分にとってもなにより落ち着く音楽になります。そこに表われる自分の音、自分のリズム…普段は気付かない姿がとても新鮮です。

それでも聴いたことのない人に、どんな音楽なのかと尋ねられたら、私の描く絵を音にしたようなものですと答えるのが、一番近いような気がします。

「ひゅるる少年」 89.7.1 A5 P.28 C-40 コピー、木版画

民族楽器の笛をたくさん使って、2回重ね録音したテープ。初めての即興でいいなぁ、と思った作品でした。ラストに歌も入っていて、これが本人にとってとても恥ずかしくて、以後は歌はやめています。

ブックの方も、木版画の多色刷りページが何ページもあります。

「20世紀最後の少女」 91.11.10 B横 P.22 コピー、C-70カセットテープ

漫画個人誌「20世紀最後の少女たちへ」のイメージテープとして作りました。A面は電子楽器(ウインドシンセ、デジタルピアノ、デジタルギター等)の音と生楽器をいろいろに組み合わせての3重録音。B面は笛(ケーナ、フルート)と生ピアノの2重録音で30分と、4重録音したにぎやかな曲で締めくくっています。

小さなブックは漫画と曲のイメージに合わせた詩がメインです。

「らすたみる・ブレーミヤ」 94.11.3 A7 P.16コピー+カセットテープC-60

多重録音をせずに電子楽器も使わないで、多数の楽器を並べた部屋で片面30分を一気に録音したテープ。ピアノとバイオリンを同時に弾いたり、太鼓や缶カラを並べて叩きまくったりした30分間2本勝負は、心地よい緊張感に包まれた非常に濃密な時間でした。

ブックはカセットサイズで演奏の説明です。

「空をピクニック」 97.3.30 カセットテープC-30

ストーリー性のある詩の朗読と、それに付けたBGM。音楽の方は電子楽器のみの使用で、二重録音です。詩の内容に合わせるということで、即興ながらかなり雰囲気作りをしての演奏となりました。それよりも朗読というのがなかなか難しく、まずは自分の発声の悪さを直すようなこともしました。

ブックではなく、カセットケースの中に蛇腹四つ折りの解説を入れました。

「はらっぱ幻実曲」 97.11.24 A4横 P.12 コピー+カセットテープC-46

ギター、クラリネット、バイオリン、ピアノをそれぞれ単独で独奏した4曲。まずイラストを描き、その絵のイメージで演奏。さらにその演奏のイメージから詩を書いて…という作り方をしました。ブックはそのイラストと詩です。イメージをいろんな表現方法でクロスさせていくというのは、やっててとても面白い経験だったので、また別の方法で試してみたいと思っています。

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