島田雅彦「優しいサヨクのための嬉遊曲」福武書店 |
次に紹介する新作が古いこちらの作品の続きということでしたので、ずいぶんと古本屋を回ってやっと手に入れました。作者にとってデビューしたての頃の作品であり、若いロマンチックさと青臭さが感じられました。時代的にも、とても懐かしい感触のある作品でした。 |
中山可穂「熱帯感傷紀行」大和書房 |
好きな小説家の旅行記…なんてつもりで気軽に読めるものではなく、ドラマチックな物語でした。予算のないバックパッカー旅、しかも失恋した心を抱えながらの異国体験。アジアという渾沌としたバイタリティの渦の中で、さらに疲弊しながらも少しずつ癒されていく彼女の姿には感動を覚えました。やっぱり一人旅は、いいよね。 |
黒澤明&宮崎駿「なにが映画か」徳間書店 |
前から読みたいとは思っていたのですが、仕事で日本映画についての文章を書く機会に、参考資料としながら読みました。対談というか、宮崎氏が黒澤氏にインタビューするといった趣でした。それでも、監督同志ということで、ものを創ることの実際に踏み込んでいて、あまり黒澤映画を観たことのなかった私にとっては良い教材となりました。 |