毎回ですが、圧倒されてしまう。面白すぎる。そしてこの巻のテーマは「医」。ちょうど父の手術の後であり、その後は気の療法をする医者にもかかるようになっていたため、ただの知的好奇心以上に迫るものがありました。病とはなんなのか。それを見極め、立ち向かう医とはなんなのか。西洋医学の常識とは異なる、まさに漢方の祖となる思想が描かれています。
ほんとにこの作品では、人間についての全てが描かれていきます。それは孔子という中国史上最大の賢人の足跡でもあるわけですが、現代の日本に生きる者としては、いちいち目から鱗です。中国人を馬鹿にするような奴がこの国にはいっぱいいるけれど、根本的に歴史の深みが違うんだという認識に立つと、すごく恥ずかしくなってしまいます。
と、いうこともありますが、やはりこの息もつかせぬストーリー展開の魅力。これはね、日本語文化ならではですよ。漢字やアルファベットの羅列では生み出せない世界だと思います、この混沌は。 |