ベスト・ライヴ−8
「はにわオールスターズ」
はにわこと仙波清彦は、もともと邦楽の音楽家ですが、パーカッション奏者としてジャズやポピュラーなど様々なジャンルとセッションしています。彼の率いる「はにわちゃん」には、ボーカルの小川美潮やドラムのれいちなど、実力と個性を兼ね備えたミュージシャンたちが集まっていました。そうしたメンバーたちに加え、彼の音楽活動に縁りあるアーティストたちを総動員して開かれたコンサートが、この日のはにわオールスターズでした。
ジャズ、邦楽、ロック、ポップスとジャンルを超えた50人以上の出演者は、いずれも名の通った人たちばかり。まさに、2度と一同に介することはありえないという歴史的なイベントだったのです。私の目当てはれいちさんを始めとする、名人芸を持ったジャズメンの皆さんに、戸川純や小川美潮の歌といったところでした。しかし開場前から盛り上がっていたのは、大勢詰めかけた若い女の子たち。彼女たちの目当てはただ一つ、当時人気絶頂だったユニコーンの奥田民生でした。
コンサートは、バラエティに富んだゲストに合わせたバラエティあふれる曲目で構成…日本の民謡、インドの民謡、ハワイアン調にアメリカンポップにロックにジャズに、アニメにシューベルトまで。演奏はドラムカルテットとか、パーカッション部隊のアンサンブル、邦楽器の魅力など独特の音楽空間が展開されて、とても刺激的でした。しかし、終盤になってやっと奥田民生が登場した瞬間、女の子たちが絶叫と共に立ち上がって場内のムードはまったく違うものに変わったのでした。彼女たちが、それまでの音楽をどんなふうに聴いていたのか…変わっていて面白いと感じたか、早く民生が出てこないかとただ退屈して聴いていたか…わかりませんが、やっぱりこのコンサートの意味はそこにあったと思います。

このコンサートはビデオにもCDにもなっていて、今でも振り返ることができます。ゆっくり観ると改めて凄いメンバーが名人芸を披露していて、同時にお祭り感覚で楽しんでいることが伝わってきます。仙波清彦は白衣姿で指揮棒替りに扇子を振る怪人ぶりを発揮し、他の女性ボーカリストは全員看護婦、その他出演者は皆パジャマ姿で、なんでもありの渾然一体オーケストラを盛り上げる…この泥臭いセンスゆえに、祭りの恥はかき捨てって感じだったでしょうか。
出演者リスト
| 指揮、パーカッション | 仙波清彦 | |||
| ヴォーカル | 戸川純 | デーモン小暮 | 小川美潮 | 奥田民生 |
| 阿部義晴 | 木本道子 | 木津茂理 | 三橋美香子 | |
| ギター | 渡辺香津美 | 板倉文 | ||
| ベース | バカボン鈴木 | 渡辺等 | 吉田智 | |
| アコーディオン | 小林靖宏 | |||
| クラリネット | 十亀正司 | |||
| トランペット | 石垣三十郎 | |||
| トロンボーン | 松本治 | ボーン助谷 | ||
| サックス | 坂田明 | ダディ柴田 | 矢口博康 | |
| バイオリン | 金子飛鳥 | 斎藤ネコ | ||
| キーボード | 久米大作 | 清水一登 | ||
| 笛 | 福原徹彦 | 福原百華 | ||
| 三味線 | 藤尾佳子 | 太田幸子 | 杵屋五吉郎 | 田中悠美子 |
| 琴 | 内藤洋子 | 内藤久子 | ||
| 邦打 | 望月左之助 | 仙波大明 | 仙波和典 | 仙波宏紅 |
| 田淵結 | ||||
| タブラ | 若林忠宏 | Ma・To | ||
| コンガ | マック清水 | 田中倫明 | ||
| パーカッション | 横沢龍太郎 | Whacho | 田中顕 | 梶原茂実 |
| 植村昌弘 | 鈴木賢治 | |||
| ドラム | 村上秀一 | 青山純 | れいち | 阿部薫 |