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■ 十六万フィートの彼方 ■
 
 
 

 
Unit GrowSphereのオリジナルアルバム第六弾は、
「十六万フィートの彼方 -Over the Stratosphere-」
「地球大気圏」をテーマに、成層圏から中間圏、電離層、そして宇宙へと、
順に上昇してゆきながらそれぞれの光景を描き出す異色作です。
そしてまた、宇宙へ飛び出した遥か先。
人類史上最初に太陽系最外縁部へと到達した無人探査機パイオニア10号。
もう誰の声も届かない漆黒の世界を、未だ遥かな銀河へと孤独な旅を続ける、
そんな彼女へのラストメッセージを最終トラックに込めてみました。
大気と宇宙が織りなす神秘的な光景をお届けします。


 
【トラック構成】
 Tr.1 二十六ヶ月の刹那
対流圏の果て、蒼き成層圏。そこには、約二年の周期で流れゆく先を翻す大気の流れが横たわる。
目まぐるしく変化する対流圏の雲海の上には、静かに変化する大河の世界があった。
 Tr.2 空の防人
上空20,000メートル。そこには紫外線や宇宙線を遮り、地上生命の全てを護るオゾンが広がる。
彼らの発する熱は、遥か辺境で死力を尽くして戦う防人のそれに似ている。
故に成層圏下で氷点下70℃にも下がった気温は、オゾン上面へ向かうにつれ0℃付近まで上昇してゆく。
 Tr.3 天上のブルーリヴァ
対流圏上面、積乱雲付近で生じる雷は、天空に向けて蒼い稲妻を放つ。
その蒼き流れに乗り、無数の妖精達が天上へと旅立ってゆく。
 Tr.4 翅を広げた妖精達 -Splite Spread-
成層圏の果て、上空50,000メートル。
オゾン達の戦場の最前線へと踊り出した妖精は、そこで一斉に赤く輝く翅を蒼茫の果てへと広げる。
どこまでも伸びゆくその光は、「スプライト」と呼ばれる壮大な天空の気象現象だ。
 Tr.5 夜光の棲み処
成層圏の彼方、上空70,000メートル。
中間圏と呼ばれるその空間には、夕陽の残光に照らされ、蒼く輝く薄い雲……夜光雲が現れる。
これより上に雲はない。そしてこれより上は、形を保たぬエネルギー……魂の世界。
 Tr.6 スポラディック・ゴースト
上空100,000メートル。気まぐれに現れては消える局地的電離層。それがスポラディックE層。
熱圏と呼ばれる宇宙への入り口には、地上の声を気まぐれに反射する姿なき幽霊が住まう。
 Tr.7 一万レイリーの戦乙女
幽霊達の庭から上空200,000メートルにかけて、優雅で神々しく、だが力強い光のカーテンが踊る。
戦死した勇敢な戦士達を従える戦乙女ワルキューレ達の鎧の勇壮な輝きは、天の川の100倍にも及ぶ。
 Tr.8 かくも熱き神々の庭
上空一万キロ。熱圏の果て、大気圏の果て、外気圏の彼方。それが地球、この地上世界の最終境界。
護る防人もなく、踊る妖精も幽霊もなく、戦乙女達が遥か天上に見上げる神々の座。
世界の果ては、更なる未知の世界への入り口でもあった。
 Tr.9 122億キロの虚空 -Last Message-
太陽系の遥か辺縁。太陽風と渦巻く銀河の恒星間風とが激しく衝突する末端衝撃波面。
2003年、この遠く光も微かな虚空より、「彼女」からの「声」が届いた。
その声はあまりにか細く不鮮明で、光速にして12時間弱という遠大な距離、
そして何より彼女自身の余力から、それはきっと「最後の手紙」だった。
パイオニア10号。1972年3月、地球発。2003年1月22日……122億キロの虚空より、ラスト・メッセージ着。


【作曲・ジャケットデザイン】
諌月 呉霞 / Unit GrowSphere
【頒布価格】
500円

2007/12/31(日) コミックマーケット71にて発表しました。
[ 全曲クロスフェードサンプル( mp3 ) ]
 

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