二度上峠 (群馬県長野原町−倉淵村)

二度上峠の看板

碓氷峠の北、浅間山の東に屏風のように連なる山並みは、群馬・長野の県境が西に折れ曲がる鼻曲山(1654m)を起点として、浅間隠山(1757m)を最高峰に、概ね1400メートルの高度を保って北上し、菅峰(1474m)から高度を減じ、最後は崖となって吾妻川に落ち込みます。地図上では特に名称はありませんが、一般に浅間隠山系と呼ばれています。この山並みには南から二度上、栗平、万騎須賀尾の4つの峠が並んでいます。


国道406号線を高崎から北西に走る。
倉淵村の権田で国道406号線と分かれた道は、県道長野原倉淵線となり、烏川の源流の谷に沿って走り、浅間隠南の尾根を越えて北軽井沢へ下りていく。その尾根が二度上峠である。以前の地図では未舗装の区間が長く、心配したが、意外にも全線舗装が完了していた。

権田の信号を左折して烏川を渡る。そこから峠までが川浦地区。隣の国道406号線に劣らぬ快適な道を走る。行く手には右が笹塒(ささとき)山、左は剣の峰、角落山から流れた尾根。烏川の源流を幾度か渡ってしばらく行くと、沢のどん詰まりで折れ曲がり、峠の登りになった。舗装されているのにも驚いたが、交通量の多さにも驚く。東京周辺のナンバーが目立つのは、八月最後の日曜日とあって、軽井沢方面に来た車が抜け道としてやって来るためだろう。しかし、慣れない急峻な峠道でとろとろ走っている車が多いのに閉口する。

やがて右奥に浅間隠山が姿を現す。1757メートルの山頂は雲に覆われていて暗く、見えない。一方、南は晴れていて剣の峰から十六曲峠を経て鼻曲山に至る稜線が時折見渡せた。角落山の特徴ある突起が、尾根の上にちょこんと鎮座している。

何度か峠らしい切通しを抜けるが、まだ先に上り坂が続いている。正面は駒髪山の突起となり、その左に硫黄山と永妻(ひづま)山が並んでいるのが見え始めた。カーブの先に西日が差している切り通しにかかる。そこが二度上峠だった。
峠の名と標高1390メートルと記した看板が立ち、小さな駐車スペースには、東京方面の車が何台も止まっていた。権田から19キロの道のりである。

峠を越えると浅間山が正面に見える。そこから北軽井沢までの11キロの道も、ほぼ完全に整備されていた。やがて道の両側はカラマツ林になり、高原らしい雰囲気を漂わせながら北軽井沢の十字路で国道146号線にぶつかる。

さらに別の峠に行こうと国道146号線に入ったが、渋滞に巻き込まれ早々に引き返し、再び二度上峠に向かう。
北軽井沢からの登りは、碓氷峠から南の群馬・長野の県境の峠と同様、西側は基盤の高原からの標高差が小さいため、谷は広く登りもさしてきつくない。鷹繋山の東の裾を通って登りが始まり、西日を受けつつ20回もカーブを曲がると峠である。

そこからの下りは、登りの時の想像以上に豪快だった。とにかくぐんぐん下っていく。登り口から権田までは、高速コーナーの続く快適な道だ。
(1993.8.29)


前橋ICから県道前橋群馬高崎線に入り、西に走る。
以前は前橋安中線と記憶していたが、分割されたか、改称されたか,最初の認識が間違っていたかのどれかである。このまま国道406号線に入っても良いが、沖町十字路で右折し、県道高崎榛名線に入る。この道は国道406号線と並行して烏川の北岸を走っている。高崎から来る道は、以前は狭い十字路だったが、今はバイパスができている。榛名山の裾をアップダウンしつつ進み、途中で北陸新幹線の工事をしているのを見かけた。直進すれば下室田で国道406号線に合流するのだが、下村で左折し、烏川を渡って上里見に出る。上里見の十字路を右折して国道406号線、草津街道に入る。直進は雉子ヶ尾峠を越えて秋間に出る道だ。国道は森下橋の袂で右折して橋を渡るが、そのまま直進して県道落合榛名線を行く。こちらの方が榛名山を望めるだけ眺めが良いが、今日の天気では今一つというところ。落合で国道406号線に合流し、倉淵村に入る。三ノ倉から権田まではだらだらとした登りである。

権田で左折して県道長野原倉淵線に入り、二度上峠の道をとる。烏川源流の谷間の道はすこぶる快適で、ぐんぐん速度を上げて走って行く。右上に笹塒山が見えていたが、それが隠れる頃に『わらび平森林公園』入口を過ぎ、今度は左上に鬼神岩が姿を現す。それを過ぎてしばらく走ると、川から離れて峠の登りが始まる。

去年初めて来た時は、夏休み最後の日曜日で、観光バスまでが走っている有り様だったが、今日は夏休みが終わり、しかも平日とあって車などいないに等しい。厳しいカーブと登りが続いて見る見る高度を上げていく。右手には浅間隠のボリュームのあるピラミッドがそびえている。やがて道が尾根を巻くようになると、左手に剣の峰や角落山の岩頭が姿を現す。

2、3台車が止まっている浅間隠登山口を過ぎると、すぐに二度上峠である。峠の左上の小さな駐車場に車を止める。雲が多く、高崎方面は見通せない。近くの剣の峰や角落山が見える程度だ。一方、反対側は浅間から草津白根に至る山々が一望にできる。雲が多いが、湿度の高いこの時期なら上出来の部類だろう。
北軽井沢側は快適な高原の道だ。大学村の脇を過ぎて北軽井沢の十字路に出た。
(1994.9.1)


雉子ヶ尾峠を越えて国道406号線に戻り、中里見の十字路を左折して二度上峠に向かう。
下室田で烏川を渡って榛名山へ登る道と別れ、上室田、倉渕村に入って三ノ倉の十字路を過ぎる頃にとうとう雨が降り始めた。

権田で国道406号線と別れて県道54号長野原倉渕線に入る。後は峠まで一本道。
烏川源流を詰めて行く道が右へカーブして谷から離れていくと本格的な登りになる。路面はいくらか良くなっているが、相変わらずカーブも勾配もきつい。
次第に紅葉が目立つようになる林の中を登る。時折、目の前が開けて雨に煙る浅間隠が覗くが、視界は良くない。
尾根を巻くようになると角落山の岩頸が見え隠れするようになるが、ここからが長い。

浅間隠登山口が近づくと歩行者の姿が目立つ。いわゆる中高年登山者だが、道路を塞ぐように歩いている人達もいる。交通量が結構あるのに無神経極まる。そもそも雨が降るのが分かっていて来るのは仕方ないとしても、こういうマナーの良くない人達のせいで中高年登山者の評判が落ちるのだろう。

彼らの姿が消えると、1390mの峠に着く。
晴れていれば東西に展望が広がるのだが、今日はあいにくの雨で見えるのは尾根続きの浅間隠と角落山くらい。
浅間は裾野だけで、その先は灰色一色。雨が強くなってきたので、撮影だけして早々に退散する。

北軽井沢までの下りはカーブと勾配はきついが、広く快適な道。以前狭かった区間も改修されて広くなっていた。

北軽井沢に下り、万騎峠に向かう。
(2002.10.19)

烏川の渓谷
倉渕村川浦地区の峠道にある公園で烏川源流部の谷を見る。残念ながら、この辺りは現在建設中のダムにより水没する運命にある。
倉渕村側から見た峠
倉渕村側から見た二度上峠
峠東方の稜線上のピーク群
峠東方の稜線上のピーク群。角落山や雨坊頭は火山岩頸で、第三紀末に活動した火山の残骸である
峠から見た浅間隠山
峠から見た浅間隠山。
別名矢筈山とも言われるのは、その形が弓矢を射るときに使う”矢筈”に似ているからだという。
浅間隠山系は浅間山から草津白根に至る現在活動中の火山列より以前、第三紀末から第四紀初めにかけて活動した火山列の残骸といわれる。この火山列で火山といえるのは最後に活動した鼻曲山周辺だけだが、北は吾妻側左岸の松岩山から南は碓氷の山々を経て荒船山に至るまで続いている。
岩科山の紅葉 浅間山
峠の北軽井沢側。岩科山の紅葉 北軽井沢から見た浅間山。雨と霧で煙っている。

今回は北軽井沢を訪ねた帰途、いつもとは逆方向からのアプローチになる。北軽井沢の標高が1100mほどあるため、峠までの登りはややきつい部分もあるが長くはない。峠のたたずまいは変わらず、浅間山を望むことができたのが今回唯一の収穫だった。

倉渕側は相変わらずの豪快な道。ただし、はまゆう山荘から先の道の付け替え工事が終わっており、以前谷底を走っていた道は、かなり上の方の斜面を橋や鷹巣トンネルを使って走り抜ける高規格道路に変身していた。
(2005.5.1)

浅間隠山と峠の看板
峠から浅間隠山を望む。右下に見える看板が、このページの先頭に掲げられているもの

浅間山
雲で半ば隠されているが、今回初めて浅間山を拝むことができた。

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