活動日誌
 
tokyo's cup

 7月29日(木)  今日も朝から風が強い。夢の島からもらったファックスでは平均10m最大で19 mだ。大 丈夫かいな? 夕食を食べながら考え込んでいると、GB Hさんから電話が入る。 "結構吹 いてるよ!待ってるから一緒に行こう"とたんに気が重くなってきた。行きの車 の中で木 更津の 某艇のオーナーから電話が入る。Bコースに出るんだけど2人しかい ないとの 事。クルーを貸してくれと頼まれるが、それよりあなた無事に着いてちょうだい ね。結局 陸番の人たちのために、お茶を濁した返事で可能性を残す。  22:00新木場駅到着。すでに村上、鈴木両氏到着であった。森君はなんと黒の RX-7で登 場。"前の車は家内の専用になったんですよ"一気に若返ったようで何ともうらや ましい限 りである。よし俺も、、、良からぬ考えが頭を過る。やっぱヨットと両立は無理 かな?吉 村、山下さんは遅れるとの事で早速サンクスに買出しに行く。サンクス前の路上 にはヤン キ−の車やバイクが多数停まっている。"森君車、溶け込んでいるな−"村上の言 葉に妙に 納得する。ビールに食料、氷、使い捨てカメラと電池、結構いっぱい買いこみま した。 ハーバーでまずGBにご挨拶、カーボンマストと新調した3DLメイン が非常に 精悍な雰囲気を醸し出している。GPSがコックピットに付いている。これは便利 そうだが 防水になってるんだろうか?聞いてみたら"わかんない"との返事。さすがにリッ チだ。VH F74chでの連絡を取り合うこととした。結局一度も通じなかったけど。 23:00山下さん到着、23:30吉村から携帯にコール。あとは助っ人を待つのみ だ、でもち ょっと遅すぎないか?日付はとっくの昔に変わって、時計の針は1時に近い。 と、伊藤さ んからコール "そちらへの到着は1時半頃になります"、やっぱりヨット業界は アバウト だ、結局全員集合したのは2時に近かった。

7月30日(金) 2:30大島へ向けて出航。B&Gのジヤンボメーターは18から20ノットを表示してい る。ほぼ 真向かいの風、でも思ったよりは波をかぶっていない。相談の上、用のない人は ワッチオ フとなった、お言葉に甘え寝ることとする。でも思ったより熟睡してしまい起き たら久里 浜沖、舵は吉村、その間横浜付近ではかなりたたかれた様子。どうも皆さんスミ マセン。 途中33フィート位のモーターセーラーに追い抜かれる。すごく悔しいがどうな るもんで もないか。マムなんて知らないんだろうな。彼らから見ればレース派なんてほん のひと握 りの変人かもしれないね。 10:00城ヶ島をこえる頃から徐々にうねりが出てきた、前方にはもう三原山が見 えている 、東には富士山がくっきり。時間のあるうちにアンカーを組み立てておこうとば かりキャ ビンに入ったが、軽油の臭いで不覚にも酔ってしまった。急いで組み立てを終え てデッキ に駆け上がる。それにしても皆船に強い、誰一人として酔っていない様子だ。自 分がヨッ ト始めた頃はキャビンにあまり長く入ってらんなかったのに、、、人種が違うの かね?村 上なんてもう10年近く一緒にやってるのに一度も酔ったところを見たことがな い。三半 規管、無いんじゃないの?12:30ちょうど中間地点くらいで風が若干西に回り、見かけ15度位になる。相談 の上メイ ンセールをアップ、見かけ20度位まで若干沖出しして快調な機帆走となる。 14:00大島もほぼ島の中腹といったところ、あと1時間か。背後から1艇がすご いスピー ドで迫ってくる。フルメインにNo.3、かなりの大型艇だ。グレーのハルに黒いセ ール、あ れがカリフォルニアドリーマーか、初めて見たがすごいもんだ。うーん、明日は あれと一 緒に帆走るんか。思わず"ずるいよな、大人気ない"と思うが考えてみれば僕らも 普段はそ う思われてるわけで、人のことは言えないんでした。よくよく見てみればその後 ろにもか なりの艇数がいる。9時か10時に相模湾を出ればちょうどそんなもんか、近く てうらや ましい。お金があれば逗子マリかシーボニアに置いて、マンションも買ってと夢 は広がる が結局は金がない、仮にあったとしても持ち家のほうが先か。 15:00予定より2時間遅れで波浮港に入港。出航が遅れた分遅くなったという感 じだ、ま あ予定通りと言うことか。岸壁にはもう50艇以上が停泊中、出来るだけ岸の近 くと言う ことで旧アーカンベイの後ろに着けさせてもらう。まわりのAコース参加艇は、 バリバリ のIMSボート(一応うちもそう)からCR艇、はたまた旧IORボートまでバリエーシ ョンに富 む。IMS が20、CRが22艇の予定だ。出艇申告では、選手の半数以上がJSAFの会員 じゃない といけないとのお言葉。一人足りない。"聞いてないよ"とダチョウ倶楽部のよう に言って みたところで許してくれるはずも無く、結局1万4500円も村上が払ってくれて、 彼は晴れ て?会員になりました。めでたしめでたし。 18:00今年は東京都が協賛を降りたんで(慎太郎さん頑張ってよ、あなたヨット マンでし ょ。)パーティーはなし、焼き鳥もビールも花火もなし、当然太鼓もなし、大人 の乱れ打 ちもなし。残念だったね山下さん。今日お世話になる民宿筆島荘のオヤジが車で 迎えに来 てくれた。日に焼けてランニングシャツ、大島の風情を感じる。全部で10人乗 り、荷物 満載なのに波浮港からの急坂を楽々と登っていく。このパワー、なんかこのオヤ ジただ者 じゃないぞ!と思ったものの単に車が良いだけか。 ところが展望風呂はプレハブ、日焼けの足が痛い僕はつかることすら出来ず。食 堂は温室 のようで渡辺さん曰く"飯場"、照明だけがやけに豪華でミスマッチ。食事の品数 は多かっ たものの味はそこそこ、あげくクーラーは1時間100円(4枚まで入る)。一 人6000円 じゃこんなもんかな?いまどき高校生もだまされないよこんなの。2人もぐりこ むから( 予約は7人)まあ良いかと思いきや、食後オヤジが港まで車を出してくれるとい う。そう かこの距離を歩けるはずもない、やっぱこのオヤジただ者じゃなかった。徹底的 に打ち負 かされて、結局二人分の宿泊も頼みました。

7月31日(土) 6時10分"宮川さ−ん、電話"オヤジの声に目を覚ます。フェリー組が到着したと の知らせ である。こちらはまだ朝飯前、コンステの場所はわかったようなのでとりあえず 待ってい てもらうこととする。皆は予定通り7時起床。昨日とうってかわって風はなさそ う、少し ほっとする。昨日は夜で良くわからなかったけど結構風光明媚な場所である。そ の分宿の ボロさも昨日以上だ。十字架や海から突き出た岩があってなんか本当にハワイみ たいだ。 相変わらず温室(メロンを作るらしい、民宿は農業の片手間ってわけか)でご飯 である。 オヤジ特製の朝食はまずまずといったところ、しばしろくなもん食べられないん だからと ありがたく頂いた。森君は納豆が食べられないと、やっぱ関西人。"でも子供に は食わせ るんですよ"、ハハハ。相変わらず場を和ませてくれる。 オヤジの運転するワンボックスは今日も快調だ。昨日ほど道のりは遠く感じな い。"結構 近いみたいですね"誰かがつぶやく。待ってましたとばかりにオヤジ"歩いて20 分くらい かな、近道があるんだよ"。あの上り坂わざわざ歩きたくないね、でも彼なら歩 きかねな いか。簡保の宿(オヤジの話では経営不振で今年で閉鎖だって!あんたのとこま すます儲 かるね)からはセーラーと思しき人たちが大勢歩いてきている。送ってもらって 感謝!で ある。途中老舗のくさや工場の前を通る。大島といえば何たってくさやだ、買っ て帰りた いけどマンションじゃ焼けないな。そう言えば昔僕の実家で松下に無理やり食わ せたっけ 。レース中また何か言われるんだろうな。 8:00波浮港は異様な雰囲気に包まれている。ここは湘南か?要するに色が黒く てアヤシ ー人が多いんだ。ヨット、特にレースやってる人ってどうしてこうなんだろう? 自分たち もひとのことは言えませんが。なんぞといってたら開会式は知らぬ間に終わって た。陸番 の皆さん大島観光楽しんでね。レースメンバーはバウ鈴木、マスト森、ピット松 下、梅田 、ミドル鈴木、吉村、渡辺、メイン村上、ランナー伊藤、ヘルム宮川。アンカー を上げて いざ出港!でもアンカー全然効いてなかった。フォートレス、世界の一流品なん でしょ? 2個も買っちゃったよ、どうしてくれんの。 9:00元町まで機帆走でパレードだ。波浮の沖は潮が速くどんどん流される。景 色が変わ らない!戻ってんじゃない?ゆっくりとしたペースで千波を目指す。舵は森君、 こうやっ て見ると色は黒いしとても初心者とは思えない風貌だ。後方にはセール、セー ル、セール !なかなか壮観だが皆苦労しているみたいだ。しっかり記念写真を撮る。ところ がどんな 状況でも速い船は速いもの、からすが力強く抜いていった。 11:30スタートライン付近はごった返している。アウター寄りにするか、本部 (防波堤) 寄りで出るか?明らかにアウター有利、本部のピンエンドは避けたい、だって逃 げられな いもんね。結局アウターより少し離したところから出ることにする。12:05アウ ター付近 は超混雑、怒声が飛び交う。良かったあそこにいなくって。ライア(スロット 31CR)に続 いて出遅れスタート。あれ?スピードが伸びない、頭は上に向いているんだけど 失速して いる。マムのキールは細くて深いから、、、なんぞと考えてとにかく少し落とし 気味でス ピードをつける。それにしても前を行くライアは上手い、全然追いつかない。 12:30利島は遥か彼方。全然進んでない!上を見ればタートル、CD等々。という ことは決 して悪い位置じゃないのか。落ち着いているうちに食事、山下さんが気をきかせ て民宿に 注文してくれたお握りだ。一人2個づつ、塩加減がなかなか良い。"この壷漬け がまた良 いんですよ"と森君。確かに美味い、オヤジを見直す。でも作ったのはおばさん か。 タートルはポートにタック、沖出しするようだ。コース選択に迷いながらもとり あえずス ターボのまま利島を目指す。下からはラハイナ、結構いい角度で上ってくる。こ ちらはと 言えば徐々に東に流されているよう。昨年、一昨年の優勝艇センチュリーファー ストは、 はるか下、前方をいく。写楽は沖出し、なんだかよく分からん。結局このままで は埒があ かないとの判断でタックをうち、沖のコースをとることとした。沖へ向かうポー トのレグ は、波の向きか結構帆走りやすい。途中織姫が前方を横切る。比較的沖に出たと ころでス ターボに戻す。利島の東を目指した艇はかなり落とされているようだ。"だいぶ ゲインし たね"と伊藤さん。ポートのレグを帆走る織姫のはるか前方を通過。しかしなが ら向こう はコンステなんて知らないんだろうな。後方には、は組。着実に着いてきてい る。角度は ほぼイーブン、スピードでややこっちが勝っている。ノンオーバーラップのヘッ ドセール にカーボンマスト、微風とは言え決して侮れない存在だ。沖に出てタック、これ で利島の 西をかわせるはずだ。は組はタックせず、一気に伊豆半島に近づくつもりか?ど ちらが吉 と出るか。とにかく利島沖を目指しヘルムに集中する。ここにきてマム nンドリングには大分慣れてきたようだ、風速7―10ノット、波ほとんどな し、非常 に走りやすい条件のはず。さっきまで先行されていたポートの艇団の前方を横切 る。サエ ラもいる、なんかいい気持ちだ。それにしても利島が遠い、これじゃ夕方になっ ちゃうよ 。自分だけが遅れてるわけじゃないんだけど妙に焦る。と"サメだ!"。コンステ の左舷後 方にヒレが見える。"イルカならいいのに"、体長1−2メートルと言うところ か?結構早 い。始めてみたけど映画とおんなじだ。こんなのが居るんじゃ昼間でも落水に気 をつけな きゃ、スターンでおしっこなんかしてたらパクッといかれちゃうかも。 利島の沖を通るつもりがどんどん東に落とされていく。リードしていたはずの (そう思い 込んでいただけ)利島の東をねらった艇団がポートに返しわれわれの前方を横切 る。それ に対して我らは利島にまっしぐら、ほんと潮が強いんだなー。一艇だけ利島の沖 をいく、 雰囲気としてはからす、でも遠いので特定はできない。前方利島ギリギリを沖出 しするの はCDのよう。双眼鏡を手に渡辺さんがつぶやく。島の近くは潮が弱いんだろう か?漁港 や建物が比較的よく見えるくらいまで近づいてポートに返す。夕日が眩しい、丁 度テルテ ールのところ。それにしてももう5時だ、決して悪いスピードじゃないのに。艇 団は大分 ばらけて、遥か前方をいくからす(?)は別としても比較的団子状態。これで再 スタート 、再び沖に出してタック、今度は利島をかわせそうだ。 18:00ヘディング190度―200度で新島沖を目指す。やはり潮が強い、 ほとんど 川、ザーザー流れている。そうかああ、これがトウキョウズカップか!(注:例 年はこん なでないそうです) 18:05ロールコール、コンステは7−8ノットの風で艇速6.5ノットをキ ープ、他 艇は大体5.5ノット位のよう。いい線いってるんだ。暗くなる前にハーネスの 準備、繰 り返すが安全第一だ。 利島の南、ここで記念撮影。月はまだ出てこない、闇が 立ち込め る。"月は西から昇るんだっけ?"それじゃバカボンだ、情けない。それにしても 潮が強い 、今度は新島北岸に一直線。蒼海がそのまま突っ込む、コンステはラルを恐れて 再びポー トにタック。ヘディングは270度、ほぼ真西に向かっている。GPSを覗き込 む松下が "戻ってるよ!"頭は西に向ってても実際は若干北西だ。沖は潮が強そうなので岸 寄りをと る作戦か?再びスターボに、新島にほぼ平行になり新島南の岩に向ける。これで も式根に はいけないんだ。またも岸に寄せられる。蒼海のはるか前方を通過、レーティン グが違う んだから当たり前。新島中腹で再び沖へ、やはりヘディングは270度、中途半 端にやっ ててもしょうがないから一気に沖出ししようか、優柔不断である。しかし救う神 あり、強 烈なヘッダーが入る、30度以上、すかさずタック。やった、式根島に向かえる ぞ!しか し時すでに20:00、式根島に向かっているとはいえ南北的には新島 の中腹あたり。星がいっぱい、東京では絶対見れない光景。天には星、海にも 星、つまり 波間に夜光虫が居るわけだ。サメにトビウオ、夜光虫、良い経験である。天の川 がクッキ リ、目指す式根島沖の洋上に大きな星座が見える。"あれがさそり座、あれが夏 の第三角 形、、、"松下が語り出す。そういえば今向かってる式根島も、通過している新 島も奴と いっしょに行ったんだっけなあ。そうか、俺との差はそこだったんだ。きっとあ の時も奴 はこんなうんちくをたれてうまくヤってたに違いない。なんかすごく悔しくなっ てきた。 21:00新島沖を行ったりきたり、何とか式根島が見えてきた。新島の裏、雲 間から満 月が昇る。まるでラッセンのリトグラフのようだ。こんな景色、普通じゃ見られ ないよな ほんと。月明かりのおかげでわずかながら島影が見える。明朝4時に陸番を波浮 に送って もらう予定だったが、これじゃ無理なんで断ろうと言うことになった。新島沖か ら民宿に 電話、と"明日早いから勘弁してくれ"いきなりオヤジに切られる。何と言う早 寝、気の短 さ。再度電話し納得していただく。新島の西岸は光の洪水だ、ナンパアイランド の面目躍 如である。それに比べて式根島の暗いこと、島にただ一つの信号がいい目印だ。 目指す神 津島は遥か彼方の洋上にひときわ高く影をおとしている。とにかく遠いが風の振 れで何と かそっちを向いているからありがたい。艇速6.5ノット、対地3−4ノット、 まるで亀 である。この分じゃ神津島廻航は明け方か?明日中に帰れるんかいな。

8月1日(日) 24:00日付が変わった。予定ではあと2時間でフィニッシュである、甘かっ た。現在 式根島沖、0:05がロールコールの時間。今回は艇団が大分バラけたようで、 まったく 感度がない。他艇の位置も分からない、仕方がないので森君に電話で連絡をして もらう。 電話に出たのは野口先生、"もう廻航した?"それじゃは組はもうスピンラン?焦 りが走る 。それにしてもドコモは優秀だ。まさしくどこでも通じる。俺のはシティーフォ ンなんで 駄目だけど。いいんです、都会派ですから。 艇は神津島沖を目指して順調に南下中。1:00式根島南端、"ここ廻航ならい いのに"誰 ともなく言葉が漏れる。偽らざる本音である。パワーボートかなんか(誰の だ?)が走っ てきて知らせてくんないか、真剣にそう思う。優秀なドコモで本部に電話してみ ようか? CRクラスと思われる艇のスターンライトが見えている。式根廻航、何ともうら やましい 限りである。吉村は船酔い、松下はダウンビロウと称して熟睡、鈴木さんはお腹 がダウン ビロウである。吉村がフラフラしながらデッキにあがる、ハーネスを掛け、ハイ クアウト 。すごい根性である。彼は本当に真面目だ、年上ばっかりでやり難かろうに、で もいつも 明るい。ロングはどうかと思ったが、なかなか堂に入っています。ところがやっ ぱり気持 ち悪いらしくペッペとやっている。吐くときはキャビンか風下で、全部風に乗っ て全部ヘ ルムスにかかってます。 GPSで見ると神津島に突っ込む様子、頭は沖に向いているのに、もーこの潮イ ヤ!!! 仕方なく若干落し気味のポートタックで神津沖を目指す。沖からはまっすぐ上ら せてくる 艇団、先行を許す。ここで危ないのは洗岩と恩波瀬である。夜のため神津の岸に 近く感じ る。でもかなり沖、洗岩は大丈夫である。恩波瀬は伊藤さんが見つける。何で見 えるの? 経験のなせる業か。おかげで無事恩波瀬を通過。いきなりうねりが大きくなる。 ここでタ ック、潮に押されいきなりすごいスピードで帆走りはじめる。はっきり言って恐 い、風上 には鈴木、村上、伊藤さんがハイクアウト、梅田さんメイン、渡辺さんジブトリ ム、他の 3人はダウンビロウのままである。風は10ノット、低速の割にスタビリティー 不足は感 じない。風下からサエラが迫る、"4777"こっちのセールナンバーを読んでい る。大し た余裕だ、それにしても夜目が利く。神津廻航3:30。結局サエラの突き上げ にビビっ て上らせすぎて失速、先に行かれてしまった。申し訳ない。 神津廻航後はタイトリーチ、サエラはスピンをあげるがこちらはジェノアのまま 粘る。艇 速は明らかにサエラが速い。そろそろ東の空が明るくなってきた、タイムリミッ ト8時だ ったな、大丈夫なんだろうか?かなりの差をつけられながらもヘディングが新島 沖に向か った時点で0.5ozをアップ。サエラはかなり東に向けスケーティング、VMGで は不利な ように思い、コンステはあくまで利島沖を目指す。波が悪く暴れるスピンと大格 闘。式根 沖を通過、CRの何艇かを式根島沖に確認。よく見れば後方神津沖にもスピンが 見える。 ジェノアで上がってくる艇が2艇。みんな苦労しているようだ。 5:00新島沖。新島東岸の白い砂浜は異国のよう。寝ている森君を無理矢理起 こし、景 色を見せる。何とも迷惑な話である。一路利島沖を目指す。サエラとの差は変わ らず。利 島沖に見えるブラックセールは織姫だろう。タイムリミットまで残すところ2時 間、残航 は15マイル。神風でも吹かないと駄目だろうな。 6:50先行する織姫がセールダウン、相談のうえリタイア。エンジンスター ト、スロッ トルレバーはスキッパーである僕の手で前進に入れた。"終わった"何とも言えな い気持ち が全身を包む。不思議な安堵感、何故か充実している。フィニッシュしてたら天 にも昇る 気持ちなんだろうな。お楽しみは次回に持ち越しである。メインを畳んで機走で 波浮を目 指す。吉村は太腿が日焼けで原爆状態、痛そうなので日陰に非難、氷で冷却。ヘ ルムは森 君、日に焼けてベテランの風情だ。とたんに気が抜けてものすごい睡魔、トライ スルをシ ェード代わりに張り巡らし涼をとる。まあしょうがないか、でも楽しかった。こ んなに長 くヘルムをとった経験は始めてだ。 8:30波浮到着。表彰式のビールだけはちゃっかりもらって、一路夢の島を目 指す。港 を出ると一艇がメインを上げている、オーナーはパイロット、クルーは スッチー 。敵対心がムクムクと。風速10ノット、敵?はスピンアップ、こちらも負けじ とスピン の準備。オーニングを張っているのでメインは上げず、0.5oz赤スピンを上げ る。ヘルム 山下、トリム土佐、なかなか上手い。新人の人たちはやる気があり、のみこみも 早い。古 参メンバーもうかうかしていると負けちゃうよ絶対。頑張りましょう。 方位30度、村上の指示で千倉の沖を目指す。帰りは千葉側をいく作戦。彼をG PS班長 にしてよかった、今回大活躍である。中間地点で富井にヘルム交代、一瞬戸惑っ たようだ がすぐに勘を取り戻す。彼はああ見えて努力家だ、ヨットを始めて10年、マッ チョにな り、色も黒くなった。参加率も高く真面目なメンバー、素早い動作は苦手なよう だが案外 ロングのヘルムなんて適任かもしれない。二人とも発足時からのメンバー、気心 は知れて いる。 房総半島沖は波もなく機走りやすい。風は14ノット、前方に"は組"快調なスピ ンランで ある。こちらが機走のみとはいえまったく追いつかない。第二海保沖を通過、8 月末の保 田でのシミュレーションである。今年はアクアライン橋脚右を通ろう、ネ、富井 君。 第二海保通過後、川崎沖に向ける。ジャイアントロボ(アクアラインの空気抜 き)目標。 徐々に風速が上がり、18−20ノット。昨日この風が吹いてくれれば良いの に。伊藤さ んのレクチャーでサーフィングの練習、ティラーを小刻みに動かす。吉村君、若 いだけあ って頑張っている。見てるとやりたくなって舵を代わってもらう。結構ハード だ、やっぱ 風がなくて良かったか?軟弱である。それにしても皆疲れた様子、このままいけ ば夢の島 は19時頃だろう。それにしても楽しい3日間だった。来年はこのメンバーでハ ワイだ! 風は上がってきているものの快調な走りで19:00夢の島無事到着。さあ、次 は保田だ

by 宮川