自称、三国一伊達な書店案内
なぜ、本の注文は時間がかかる? |
本を注文する前に、書店で本を取り寄せた時に、
なぜ時間がかかるのかを簡単におさらいしてみましょう。
書店で本を注文した場合、
下記のようなルートで注文が流れます。
客→書店→取次
この時、書店の間に入る取次が曲者です。はっきりいって、つかえません。
よく、書店員がお客さんにすまなそうにいう、
『一週間から、一月ぐらい見てください』の台詞は
全部(8割5部ぐらい)彼らのせいです。
正直、流通量の多さからいって、そうなるのは仕方ないという、
同情や諦めはあるのですが、たぶん、奴等は仕事しませんし、無能です。
注文が一ヶ月はあたりまえ、届いてみたら品違い、それが毎日、といった、
そんな現状ですので、注文は気長に、無かったモノとして、待ってやってください。
書店にあたってもしょうがない事なんです。
あまり書店員を苛めないでやってくださいね。
どうしても文句を言いたい方は取次に電話かけてみましょう。
で、取次にいった注文の処理は下記のようにすすみます。
それぞれのケース別に説明します。
普通の文字が理論上の最低所要日数で、
小さい文字で書かれている部分が、
僕が経験的に『これぐらい』と考えてる日数です。
1 取次に在庫があった場合。
客→書店→取次→書店→客
この際、一つの(→)を情報が通過する際に最低でも1日かかります。
この場合だと、矢印の数が4つですので、 最短で4日です。
(個人的には取次から出て行く(→)には3日以上かかると思ってます)
つまりこの場合だと、取次からでる→が一つあるので最短6日です
しかし週6日動いてる取次は少ないので土日分プラス2日。
(基本4+取次加算2+土日分2=最短8日)
実際には最短で8日ぐらいです。
2 取次に在庫がなく、出版社取寄せとなった場合
客→書店→取次→出版社→取次→書店→客
最短で6日ですが、土曜・日曜日に動いている取次・出版社はほとんど無いため、
間違いなく土日にかかってしまうので、
土日分の2日を加算して、最短で8日はかかります。
(基本 6+取次加算 4+ 土日分 2=最短12日)
しかも、取次が毎日集荷に行くような大きな出版社でないかぎり、
集荷は週1〜週2であったり、下手すると月に1回なんてところもあります。
2+ 取次に在庫がなく、出版社取寄せとなった場合
出版社によっては、扱う書籍の多さなどから、
在庫の管理や発送を別な専門の管理会社に任せているところがあります。
有名なところでは、昭和図書などがあげられますが、
ちょっと数えられないくらいそういった倉庫会社がたくさんあります。
客→書店→取次→出版社→倉庫会社→取次→書店→客
(出版社を飛び越えて、倉庫会社に直接行くパターンも多い)
最短7日ですがやはり土日を挟むため2日プラスで最短9日となります。
倉庫会社も時間がかかりますが、基本的に取次よりは信頼できます
倉庫会社からの→は2日ぐらいで計算しましょう。
つまり
(基本 7+取次加算 4+倉庫会社加算1+土日分2
=最短14日)
3 取次に在庫が無く、且つ、集品会社を通して取寄せとなった場合(在庫有り)
規模が小さい出版社は、取次が集品に来てくれないので、
間にもう一つ取次のような会社を通して取次に納品しているところがあります。
たとえば、出版物共同流通センターなどがあげられます。
正確にはちょっと違うけど地方小出版流通センターなんかも同類かな。
客→書店→取次→集品会社→取次→書店→客
最短6日ですが例のごとくプラス2日で最短8日となります。
ただし、この手の会社の納品は週1〜2回程度なので、
その分のタイムロスも考えないといけません。
また、よほどの定番でないかぎり、集品会社に在庫があることは稀です。
集品会社からの→はまちまちで計算不可ですが
希望的観測を交えて最短3日と計算してみます。
うまくいけば
(基本 6+取次加算 4+ 集品会社加算
2+ 土日分 2 =最短14日)
3+ 取次に在庫がなく、且つ、集品会社を通して取寄せとなった場合(在庫無し)
さて、上記のパターンで集品会社が在庫を持っていなかった場合
客→書店→取次→集品会社→出版社→集品会社→取次→書店→客
ちょっと気が遠くなってきますね。最短で8日ですが例のごとくプラス2日で、
理論上は最短10日。
しかし取次←→集品会社でタイムロスがかなりでる可能性は上で述べた通りで、
また、集品会社←→出版社の間でそれ以上の時間がかかる事は確実です。
(月に1回納品があれば御の字といった出版社もあるからです)
これも計算不可ですが、この場合の出版社に5日加算で計算します
(基本8+取次加算4+集品会社4+出版社特別加算4+土日×2で4=最短24日)
4 取次と帳合がない出版社の本の場合
その書店が契約している取次によっては、その出版社と直接の取り引きが無いため、
他の取次Bに集品を依頼して、本を取り寄せる場合があります。
『○○廻し』と呼びます(○○には取次名が入る)
客→書店→取次A→取次B→出版社→取次B→取次A→書店→客
はっきり言って絶望的な状況です。
しかも、このルートに上記の集品会社や倉庫会社が絡む場合があります。
(大手取次と帳合を持ってない出版社である事を考えればそうである可能性の方が断然高いです)
上記のパターンで済んだ場合でも、最短8日プラス2日。
理論的には最短10日ですが、取次2つをまたいだ時点で、有りえない話しになってしまいます。
取次同士を結ぶ→を特別に5日計算。出版社→取次を7日で計算します
(基本8+取次加算4+取次間特別加算8+出版社特別加算6+土日×3で+6=最短32日)
実際には、
書店→出版社
と直接注文を入れることが可能なので、
(出版社のやる気しだいでは不可)
書店と出版社のやる気によっては、のぼりの過程は省略できます。
つまり、2なら
客→書店→出版社→取次→書店→客
4なら
客→書店→出版社→取次B→取次A→書店→客
と、ある程度ですが、省略することが可能です。
このように、如何に間に挟むルートを少なくするかが、
書店の注文のスピードと密接に関わってくる訳です。
他にも、仕入れとか、直取り引きとか、書店集めての即売会とか
鈴木とか西村とか使ったりとかあるんですけど、
僕はまだ片足の指先を突っ込んだレベルの
元・駄目バイト書店員&新米オンライン書店員なんでよくわかりません。
基本的には首都圏の書店でしか意味がないですよねぇ?
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