写真術

注 : 写真ビギナ-向けに書いている記事で対プロ仕様ではありません。
プロを名乗る方々なら当然知っているバズの事なので・・・


職業柄、これが一番よく聞かれる事なのですが...

おそらく誤解している方が多いと思うので、この場を借りて書きますがプロが撮った写真だから
きれいに写っているのではなくプロは光を読んで、
最適に撮れるであろうと思う瞬間に
(場合によっては何時間でも何日でも待っていたりしますが・・・)
シャッタ-を切っているに過ぎないと言う事です。

写真という現象は、化学と光学の法則によって成立しているものなので
きちんと法則に乗っ取って撮れば、
プロでなくても十分きれいな写真を撮影する事が出来ます。

細かいウンチク等はいろいろあるのですが、自分の様な無名の者が何言っても説得力にかけると思うので、
ここではさし控えます。が・・・、必要最小限の
要点を少々...

昔からのオヤクソク1
光を背にして撮る(順光撮影)

何か特別な作画意図でも無い限り、順光で撮影すれば
現代のカメラは賢いので、とんでもない写真にはならないと思います。
撮影の前には、まず
太陽の位置を確認の事!

昔からのオヤクソク2
作画

特に風景などではそうなのですが、
広さを表現したい場合は横位置で、奥行きを表現したい場合には縦位置で撮影します。
普通に撮っている人は、
あまり縦写真を撮らない傾向がある様なのでこの際挑戦してみては?!

 [縦写真作例]  [横写真作例] 

昔からのオヤクソク3
写真は引き算

これはどういう事か ? と言うと、
絵は足し算で、写真は引き算と昔から言われていまして、
絵(絵画)の場合は、自分の表現したい物を
自分の思った所に描き足せると言う事で足し算です。

写真の場合は、ファインダ-の中に入った物は全て写ってしまい、自分の表現したい物が何なのか解らなくなりがちです。
そこで、
絵画の場合と反対で自分の表現したい物以外を出来る限りファインダ-から排除
すると言う手段を使うので引き算なのです。

細かい事まで書くときりがないのですが、上記の昔からの
オヤクソクを守るだけでも
貴方の写真が変わると思いますので
お試しあれ ! (^^;)

フイルム
現在の標準は、
ISO400になりつつある様ですが場合によりISO100も使ってみてはどうでしょうか?
今のISO400は、一昔の物と比べるとかなり良くなっています。
がっ ! 、やはり比べてみるとISO100の粒状性にはかなわないのです。
例えばツ-リングから帰って来て、お気に入りのカットを
大延ばししたい時などには有利なのです。

ただし、粒子が細かくなった分
光量が必要となりシャッタ-スピ-ドが落ちてしまい
シャッタ-ぶれ(手ぶれ)に注意が必要となります。場合により三脚の使用を!

手ぶれの目安
大体の目安
なのですが、使用しているレンズに対してシャッタ-スピ-ド分の1です。
例えば100ミリレンズを使っている場合では、1/125sと言った具合です。
それ以下での場合は、
三脚の使用を ! と言う事になります。

フィルタ-
みなさんも北海道の観光パンフやバイク雑誌の北海道特集などで、
空の色がやたらと青かったり
花の色が強かったたりする写真を見かけた事があると思いますが、あれは
ポジフィルム
使っていると言う理由もあるのですが、
PL(偏光)というフィルタ-を使って撮影すると
あの様な写真が撮影出来ます。


最近のAFカメラでは、AE(自動露出)が誤動作する可能性があるので、
サ-キュラ-PL(円偏光)
というのがあり、こちらの方が良いかと思います。
それと、PLフィルタ-はその性質上
一眼レフタイプのカメラでしかその効果を撮影時確認出来ません
一眼レフ以外のカメラでも使えなくはないのですが、その場合は
事前の試写をお勧めします。

後、PLフィルタ-はその特性上露出が落ちて、
シャッタ-ぶれ等を起こし易くなるので
場合により三脚使用が必要です。

いずれにせよ、何事もぶっつけ本番では何かと不都合が起り易いと思うのである程度試し撮り
をしてから本番に望んでは如何でしょうか。

ディヂタルカメラ (2005/07/04追記)
このHP開設当初 (1999/9月)では、デジカメがこれ程早く普及するとは思ってもみませんでしたねぇ〜
昨今の普及に合わせて、ちょっとした注意事項など・・・
既に御存じの通り、デジカメの記録媒体はCF、SM、SDカ-ド等の
メディアと呼称される電子デバイスです。
そこで重要になるのが、電子デバイスであるが結えの弱点だと思います。

夏とはいえ、地域によっては春、秋装備が必要な北海道、
フリ-ス等の起毛素材を着用する方も多いと思いますが
知っての通り、この手の衣服は
静電気を起こし易くメディア (接点を含む)を触ったまま静電気にやられると・・・
折角の思いでが、
一瞬にしてオダフツになってしまう事もあり得ます。
メディア交換等の作業には注意しませう !

具体的な
静電気除去方法ですが、キャンプ場等にはほぼ水道が完備されていると思います。
静止した状態で、
蛇口の金属部分を触れば静電気はほぼ除去されるハズです。

北海道では、渡道前の予想より沢山撮って、途中で
メディアの容量が無くなったって事が起りがちですね
少し前までは、専門店にしかメディアが売ってなく、
ル-トを変えてメディア買いに行ったなんてハナシも耳にしてました。
昨今では、コンビニによってメディアが売っている所もある様なのでそういう心配も軽減されたかと思います。

そうはいうものの、まだフィルムみたいに何処でも手に入るって訳ではないので、容量切れがない様に
大容量メディアを !
と、思われる方も多いかと思いますが・・・

上記した様に、電子デバイスはちょっとした事で
デ-タ (画像情報)取り出せない状況に陥る可能性が高い
(対フィルム比)
と自分は思っています。
ツ-リングライダ-としては、
荷物を極力増やしたくないという心理も分かりますが、大容量メディアを使っていて
もし、
静電気に限らずナニかの不具合でデ-タが取り出せない状況になってしまったら・・・と考えると恐いですよねぇ〜

自分が思うに、大容量メディアを一枚持って行くよりも、
中容量メディアを数枚持って行った方
不測の事態が起った際に被害を最小限に防げるのではないかと思います。

もし事情が許せば、
現場でストレ-ジ(デ-タバックアップ)をした方が、より確実性が高いと思うのですが・・・
最近では、ノ-トPCを積んで走っているライダ-さんも増えて来ている様なので、そういう方はやっておいた方が良いと思います。
そうでない方には、
電池駆動のバックァップ装置が各社から出ています。必要に応じて検討されては如何でせうか ?

もし、不幸にして、そういう状況に陥ってしまったら・・・
カ-ドリ-ダ-にメディアを装填してPC画面に「このメディアは読めません」とか「フォ-マットしますか ? 」とか出ても
まずは、慌てず落ちついて・・・同じ作業をもう
何度か試してみませう ! 間違ってもフォ-マットをポチットナッ ! しないように !
それでもダメだったら、デ-タレスキュ-用のソフトがあるにはあります。
ですが、
間違いなくレスキュ-出来る訳ではなくその状況によって復旧率は様々なのが現状です。
まっ、ここでレスキュ-出来ればめっけもん ! ダメ元でやってみる価値はあると思います。
あっ、それとデ-タの形式は
RAWよりもjpgの方レスキュ-率が高い様です。

レスキュ-ソフトも一種類試してダメたったからといって
諦めるのではなく、自分の経験上別のソフトを使ってレスキュ-出来た事例がありますので、
そのデ-タの重要度とか費用対効果と相談して試してみては如何でせうか ?

でっ、これでもデ-タが復旧出来なかったら、
デ-タ復旧の専門業者がありますが・・・
かなぁ〜り
法外としか言い様がない値段を要求して来るらしくあまり現実的ではないみたいです。

デジカメならでは・・・(2006/03/31追記)
色温度
フィルムには色温度ってのがあって、その場の光源によってフィルムを変えたり、フィルタ-を使ったりして、適正に写る様
人為的操作をしていましたが、デジカメではAWB (オ-トホワイトバランス) ってのが働いて適正に色温度を設定して撮ってくれます。
まっ、細かい事を言うとその性能はメ-カ-、機種、によってさまざまなんですがね。 (^^;)

ISO感度
ISO感度もフィルムの場合では気にする要素だったのですが、デジカメになって気にする場合が少なくなった様に思います。
フィルムのISO感度は数字が小さい程粒子が細かく、逆に大きくなると粒子が荒くなりますが、デジカメでもフィルムと
同じ様な事が起きまして、それが高感度ノイズと呼ばれるものです。
高感度に設定すればする程ノイズが乗って画質も荒くなります。
個人の感覚なのと、メ-カ-、機種、によってさまざまなので、何処までが許容範囲か一概には言いがたいのですが、
普通のプリント (2L程度まで) にするとかの使用で画質優先だったらISO400 〜 800・・・までは使えるのでは ? と思います。

記録方式
画像記録方式にJPGとかRAWとかありますよね。
JPG方式はどのデジカメにも採用されていますが、一眼デジカメや一部のコンパクトデジカメに採用されているRAWってナニ?

RAWってのはを意味する英語で、その名が示す通り記録メディアにはCCDやC-MOS等の画像受光素子から出た画像情報が
そのまま記録されるのがRAW方式です。
それに対して、JPG (メ-カ-によりTIFもあり) は、画像受光素子からの画像情報を映像エンジンと呼ばれる部品で一度画像処理
を施された後、dataを圧縮されたのがJPG方式 (メ-カ-によっては非圧縮なTIF方式) です。

では、実際の撮影ではどっちを使ったら良いか ?なんですが、自分の場合その最終目的によって使い分けています。
その区分ですが、手軽に見たい時はJPGで、なんらかの後処理を考えている時なんかはRAWで撮っています。
とっ、いいつつも自分の場合多分80%強はRAW撮影です。(笑)

JPGとRAW、使い勝手の違い
JPG画像は、昨今の画像ビュア-だったらほぼ展開出来るハズです。
それに対しRAWデ-タの場合は、専用のソフトが別途必要で (カメラに標準添付の場合もあり) おまけにRAW展開 (RAW現像ともいう)
をしないと、画像が見れません。 (昨今ではRAWデ-タから展開処理なしで直接出力出来るプリンタ-もありますが)

メディアには容量制限があり、当然ですがJPGの方がRAWに比べると沢山の枚数を記録出来ます。
では何故RAWがあるのかという事ですが、上記している様に、JPG画像は映像エンジンから出力された画像なので、
その時点で画像のがほぼ決定されてしまいます。
それに対しRAWデ-タは自分の処理次第で、一定のアルゴリズムでしか処理しないJPGよりも高品位の画像を創る事が出来るからです。

カメラがフィルムからデジタルにとって変わろうとしている昨今、画素数のアップもそうですが、映像エンジンもRAW展開ソフトも
日々進化しています。
JPGで撮った場合、現在の映像エンジンの性能でしか出力出来ませんが、RAWで撮った場合今後もっと進んだ展開ソフトによって
現在よりも高品位の画像に出来る可能性は十分有ると自分は思っています。


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