ローライダーとの対話(2001年 No1)   2001年5月19日更新
 2001年1月〜

2月4日 ショートツーリング
5月19日 新潟県南魚沼郡 ソロツーリング


2001年2月4日(日曜日)

2年前に愛馬ローライダーを購入後、これほど乗らなかったのは初めてのことだ。
昨年の暮れは暖かかった。
21世紀を控えて私は20世紀の終わりをとても楽しんだ。
こんな偶然の時を生きられることを幸せだと感じるひとときだった。

明けて21世紀は寒い日が続いた。
ライダーにとって大切な週末は2週続けて関東でも雪が降った。
2回目となる1月27日の土曜日は、20cm以上の積雪となる大雪。
雪かきの日曜日。

暖冬と云われていたこの冬は、寒さがいつまで続くのか分からない様子だ。
テレビでは9月に行った北海道の雪景色を目にすることが多くなる。
屈斜路湖では御神渡りが見られたそうだ。
あの時は暖かかったなあ...そんなことを考えるのが好きだ。
そしてまた今年もあの北海道に行くことになるだろう。
旅を振り返り、次の旅でも新しい出会いがある。
それは新しい景色かもしれないし、新しい友かもしれない。

愛馬は私が起さない永い正月を冬眠していた。
昨日は久し振りに手入れをするために車庫のカギを開けた。
まだ眠いのかもしれない。
バッテリーの補充電も完了し、今朝は早くにたたき起こす。

さあ、また一緒に走ろう。
始動するためのセルモーターはキュンキュンと音を立てる。
眠りから覚めないのだ。
さあ、行くぞと心の中で愛馬に声を掛ける。

ドドーン。

やあ、おはよう。
今日は北に向かうぞ。

ほんの少しの日差しがヘルメットの後ろから指すのがわかる。
東北道を北に走ると、景色がかわってくるのが面白く感じられる。
埼玉から群馬、栃木と流れているにつれて、空気が冷たい。
周りの景色を眺めると、白くもやが掛かっているように見える。
そう、ここでは空気に色があるように白く見えている。

色のついたその空気の間をローライダーはいつものように走る。
冬眠していたことなど忘れるように、私を載せて走る。
この瞬間が何ともいえない素敵な時間。
鉄の鼓動を感じながら、往復200kmは一時のようだった。

北へ向かう途中、佐野サービスエリアで休憩した時、となりのエリミネーターのライダーが寄ってきた。
「寒いだろ、これあげるよ」と云って手渡してくれたのは、ホッカイロだった。
有難くいただいて、小さめのそれを私はグローブの中に入れた。
お陰で手は暖かくて快適なツーリングになった。
今日一日、日差しは少しだったけれど、人の暖かさを感じる小さな旅になった。
暖かくなるまで、あと少し。
また次の旅でも新しい出会いが楽しみになった。

オドメーター 24652km

2001年5月19日(土曜日)

久し振りにローライダーとの対話を書くことになった。
乗ること、ホームページの更新、盗難対策の活動などで多忙になったことで遠ざかってしまった。


今朝は前日の予報通り、いい天気。
午前5時30分に起床して準備をする。
福島まで走るつもりだったが、テレビの最新予報では栃木と福島が午後に雨だ。
降られるのも悔しいので、目的地を新潟に変更。
出発前の点検を済ませ、新潟まで宜しくと愛馬に挨拶をする。
さあ、今日は長距離を走るぞ。

午前6時30分、準備を済ませて発進する。
朝の空気はとても気持ちいいものだ。
ローライダーも新鮮なエラーを取り入れて機嫌がいい。
 「今日は高速?それとも下道?」
という愛馬からの質問に、
 「とりあえず関越に乗ろう」
と私は答えた。


高速に入っても、渋滞している様子は無い。
こんなに天気がいい土曜日なのに不思議だ。
100kmで巡航する。
ああ、なんと気分がいいのだろう。
風が爽やかそのものだ。
暫くすると左に山並みが見え始める。

新緑の若葉色と、深緑のグラデーションが楽しい。
春の息吹を全身に感じ、絶好調の愛馬とともに過ごす時間は、日常生活を忘れてしまう一時。

何という目的があるわけでもないが、こうして走っているというだけで楽しい。
体に伝わる心地いいこの振動が好きだ。

月夜野インターで高速を降りることにした。
ここからの下道は、国道17号。
いつも冬に苗場スキー場に行く為に何十回も走った道。
しかし冬以外に走ることは滅多に無い。

雪がないと、これほど走り易い道だと感じる。
法師温泉の看板が目に入る。
奥深い1件宿のある古い温泉。
まだ行ったことがないなあ...そんなことを思いながらスロットルを回す。

三国トンネルだ。
ここを越えれば新潟県になる。
冬にこのトンネルを通る時に思い出すのは、
 「トンネルを越えると、そこは雪国だった」
という一節。
今日は気温が20度もある。
トンネルの向こうは素敵な緑の世界だった。

苗場スキー場が見えてきた。
通りの両側にある旅館や民宿も、スキーシーズンの終わった今はヒマそうだ。
苗場プリンスの前で停車。
ゲレンデには極僅かの残雪が見える。
先シーズン、雪の多さでは例年をはるかに凌いでいたが、この天気でも頑張って残っている。

苗場名物の大斜面。
初めてスキーをしたのがこの苗場。
その時、私は大斜面にもて遊ばれた。
20分も掛かって降りた辛いゲレンデだ。
今年の2月に来た時は、そこを半径50mの大パラレルで一気に滑り降りた。
所要時間わずか1分。
昔と今を思い出して感無量となる。
また来年来るからなとゲレンデに手を振る。

湯沢を経由し、そのまま17号を北上する。
六日町付近には、よく来た八海山スキー場があり、またお酒の八海山もここで生まれた。
ここまで来ると、この天気のいい日には少々暑く感じる。

案内版は「塩沢」と表示されるようになった。
そう、ここに着たら買って帰りたいものがある。
ここは南魚沼郡。こしひかりの産地。
旨そうな米を買える店を探す。
地元の米屋なら、最高のこしひかりを取り扱っているはずだ。
5kgを買い求める。

そろそろ引き返すことにしよう。
17号を南下し始めると不思議なもので、気分が変わる。
さっきまで見ていた景色が逆さまになって面白い。

湯沢から高速に乗り、11kmもある長い関越トンネルを越える。
関東に帰ってきたという思いで暑くなっている群馬、埼玉を駆け抜けた。
往復で460km。
まだまだ走り足りないと感じる1日だった。
疲れを感じないのは、ウィンドシールドを付けていたためだろう。

愛馬を綺麗に拭いて車庫に入れる。
さあ次は知多半島のキャンプだ。

オドメーター 27268km


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