ローライダーとの対話(2000年 No1)   2000年3月20日更新
 2000年1月〜3月

1月 9日 「ミレニアムRUN in秩父路」
2月 6日 「武蔵嵐山を走る」
2月12日 「さわやかタンデムRUN」
2月27日 「埼玉チャプター水戸偕楽園」
3月12日 「南房総を走る」


2000年1月9日(日曜日)「ミレニアムRUN in秩父路」

今年の初ツーリングとなる今日。
12月に花園キャンプに行って以来走っていない。

とても気になっていたが、 コンピュータの西暦2000年問題が仕事に影響し、そしてライフラインの確保のための備蓄などを真剣に行ったため、ローライダーの整備や年末ツーリングが出来なかったのだ。
愛馬は車庫の中でいつも寂しそうに眠っていた。
昨夜はバッテリーテンダーで補充電を行い、今日に備えた。

さあ朝8時、愛馬のボディカバーを外す。
途端に眠っていた獅子は起きあがり、私に出発を急かす様子を示した。
それはまるで散歩を催促する我が家の愛犬「ラッキー」のようだ。

伝わってくるその意気込みに、私は一瞬負けそうな思いがした。
日帰りRUNなので積載する荷物は殆ど無い。
準備が終わり、キーを差込む。
暫く走っていないためだろうか、セルを2〜3回廻して始動した。
アイドリングが安定しないので暫く暖気する。
やはり愛馬は機嫌が悪いようだ。

ジモティーしか走らない裏道を通って、関越の所沢インター付近まで抜ける。
気温は低く、歩いている分には何とも感じないが、流石に50〜60Kmで走ると刺すように寒い。
ルート463号線で所沢から狭山へ、そして299号に入る。
299号線は都心方面から秩父へ入るときによく使われる道だ。
高麗川(こまがわ)と平行して走るその道は、この時期だからだろうか、とても空いていて快適だ。
吾野、正丸と走り、正丸トンネルに着く。

ここは高校生時代に友人と輪行自転車を荷物として西武池袋線に乗り、峠を走った思いでがある場所。
その自転車も、20歳になった頃に自宅前で盗難にあったために、今は手元に無いのは残念でならない。
この付近をローライダーと走ることは、私と愛馬にとって感慨無量だ。
さっきまで駄々をこねていた我がローライダーも、このあたりではすっかり機嫌を直し、私の思うように走ってくれるようになった。

全長約2Kmの正丸トンネルを抜けるとその先はもう秩父地方になる。
秩父といえばやはり札所参りだろう。
走っていると、「8番札所」などの案内板が目立つ。
いつか歩いて見るのも面白いかも知れないが、今日は見ながら通過する。

今日は愛馬も私とソロで走れるからだろう、とても従順だ。
アクセルワークとブレーキは、すっかり私の思い通りに動いてくれる。
天気はよく、気温も暖かくなってきた。

秩父駅前にある市営「秩父まつり会館」を訪れる。
秩父の夜祭はいつか見てみたいと思っていて、今だ夢が叶っていない。
ここではそれを少しだけ感じることができた。

「武甲酒造」という秩父では知らない人がいない有名な酒蔵を訪れる。
駅前の一等地にあるその酒蔵で、3本の日本酒を買い求めた。
こうしてツーリング先で地元の名産を探して買うことは、旅に来たことの楽しみだと感じられ、私は好きだ。日帰りでも旅を味わうことができるこの幸せを有難く思う。
土産については興味無いライダーもいるだろう。
まあ個人的な気持ちと捕らえていただきたい。

秩父駅からはルート140を北上する。
右に「和銅遺跡」という表示を発見、右折してみる。
ここは、宮本銭が発見されるまで日本最古貨幣として有名な「和銅銭」が発見された場所だ。
残念ながら記念碑は探しても見つからなかったが、景色を撮影することができた。

さらに北には、長瀞がある。
ここの石畳には、たしか小学生の頃に遠足にきた記憶がある。
昔懐かしい、あの時の思いでが瞬間的に蘇る。
うむ、感無量である。

川を眺めていると、そこにカヌーが現れた。
今風のスポーツと、昔からのその景色のアンバランスにしばし浸る。

ここから少し走ったところにあった蕎麦屋に入り、昼食にした。
手打ちの蕎麦は、観光地にしてはまあまあであった。
2000年初めてのローライダーとの対話に満足して帰路についた。

    本日の走行170km (オドメーター13794Km)


2000年2月6日(日曜日)「武蔵嵐山を走る」

今日はロードキングに囲まれながら走る蕎麦通リングの予定だった。
残念ながら予報では午後に雨の確立が高く、昨日のうちに延期となった。
そして今朝、起きてみると薄曇りだ。これなら走れるぞ。
そう判断して支度をする。

午前10時に出発する。
愛馬ローライダーは、今までなかったほど、エンジンの始動が悪い。
まるで冬眠でもしていたようだ。
長く廻しすぎないように気をつけながら、セルを3〜4回廻してみた。
ようやく目を覚ました愛馬は、若干の不機嫌さを残しながらも出発に応じてくれた。

雨に降られないように様子を眺めながら北に向かう。
幸いなことに薄日も差し、風もなくて暖かい。
昨年、実家のそばにあるハーレー乗りでカメラ屋さんを経営しているご主人にいただいた革の冬用ジャケットを着てみた。ペア・スロープのフリースも合わせて着ているので、上半身はポカポカだ。

愛馬の機嫌持ちなおし、絶好調。
道路も空いているため、嵐山(らんざん)町まではさほど時間が掛からなかった。
この地は武蔵嵐山(むさしらんざん)と呼ばれている。
付近には東武線の武蔵嵐山駅もあり、国営森林公園もある自然豊かな場所だ。
地名の由来を知ったときから、ここに来てみたいと思っていた。
それは京都の嵐山(あらしやま)にあった。
嵐山の景色に似ているこの地を見た人が、武蔵の国にある嵐山ということで命名されたそうだ。

まだ子供だった頃、初めて京都に行ったときに見た嵐山は、いまでも素敵な場所であったと記憶している。
そして数年に1度は、関西に行った際に嵐山に足を伸ばしたりしている。

国道を走っていると、「菅谷館跡(すがや・やかた・あと)」という表示があった。
立ち寄ってみることにする。
そこには1200年頃から有力者が構えていた館の跡で、広大な敷地は今散策コースになっている。
とても短時間では歩けないその場所は、改めて時間をとって来てみようと思った。

さて昼食にしよう。
なんと都合のいいところに蕎麦屋がある。
与作というその店は、地粉を使っている手打ちとある。
期待が持てそうな店と判断して入ってみることにした。

「てんもり」を注文する。
ここにはざる蕎麦が無く、もりそばなのだ。
店主の書いた張り紙が目に付いた。
手間を惜しまないで作った「にしん」が自信作だそうだ。
お土産に買って帰ることにした。
テーブルに出てきた蕎麦は、黒い蕎麦の実が残り、手打ちのいい仕上がりだ。
店は清潔で、一般の民家をそのままにした作りになっている。
入って少しすると、この店を目当てに来た人ですぐに満席になってしまった。
話しからすると、みんな常連のようだった。

蕎麦を食して、私は愛馬と嵐山渓谷へ向かう。
どこを走っても表示が見当たらず、地元の人に道を尋ねながら行き止まりになる。
ここが嵐山渓谷の入り口だ。

駐車してしばし山道を奥に入っていくと、お目当ての渓谷が見えてきた。
    嵐山渓谷だ。
流れのほとんど無い川であるため、音が殆ど無い世界に驚く。

音を立てるものが無いという環境は、私の住む都会からは別の世界に見えてくる。
静粛な渓谷に時間を忘れてしまいそうだ。

丁度今頃は、梅が咲く季節。
それを思い出して、帰路は梅の里の越生(おごせ)を経由することにしよう。
越生町の市街を通過すると、いたるところに梅林が現れる。
愛馬を停止させ、梅の花と一緒に記念撮影する。
季節を感じながら自然溢れる埼玉を走ることに、なにかほっとする一日だった。


    本日の走行130km (オドメーター13923Km)


2000年2月12日(土曜日)「さわやかタンデムRUN」

今年2回目の3連休は、快晴と穏やかなものとなった。
朝から暖かい中、愛犬ラッキーの散歩をしてから昼食を兼ねてタンデムRUNをすることにした。
シーシーバーにクッションを取り付け、スタンバイ完了。
タンデムはチャンスが無く、今までお預けとなっていたので、多少緊張する。
暖気運転をしてから乗車、下車方法を教える。
よし、出発。

重心が上になっている感じがする。
地元道を低速で走る間もソロ走行より安定感が無くなっている。
でも元々低重心で安定しているハーレーは、国産バイクよりは走りやすい。
暖かい日差しが気持ちいい。

外環の下道を走り、荒川に差し掛かったところで景色のいい場所を探して記念撮影する。
実に爽快な気分だ。
ファースト・タンデムには最適な日だったようだ。
私の好きなルート122に入り、川口までは難なく到着する。
行き付けのショップであるセントラル・モータースでセールをやっているので暫く店内をブラつく。
2月27日に埼玉チャプターのツーリングがあるので、これに申し込んだ。
2月も走行距離を少しは伸ばせそうだ。
セントラルは、用事が無くても立ち寄ってゆっくりできるので、気に入っている。
試乗車にローライダーやソフテイル・ディユースもあるので、今度定期点検の時にディユースに試乗してみよう。
午後4時頃に帰路につき、丁度真正面にオレンジ色の大きな夕日を見ながら楽しく走った。
初めてのタンデムは、少し緊張しながら爽やかだった。


    本日の走行 50km (オドメーター13973km)

2000年2月27日(日曜日)「埼玉チャプター 水戸偕楽園」

この寒い時期に開催されるチャプター・ツーリングに、何台参加するのか?
それは参加申し込み前から興味あることだった。
朝7時過ぎに出発する時の気温は、マイナス3℃だった。
それでも、完全装備をしていったために寒さによる辛さは大したこともなかった。
昨年春に、生まれ故郷の写真屋のおじさんに貰った真冬用の革ジャケットのお陰だ。
ペア・スロープのフリースとグローブも寒さには強かった。

集合場所には8時少し前に到着。
なんと今日は100台が参加するという。
早めに集まった人から順に出発していて、私は4グループ目だそうだ。
唖然としながらスタートした。

先週、12か月点検を済ませてあるので、寒い朝だったがエンジンは快調そのもの。
外環道から有料道路に入り、常磐道へ。
このコースは、昨年7月に北海道へ行くために大洗のフェリー乗り場へいった時と同じだ。
快晴のなか、風も弱くツーリング日和だ。
関東を除き、全国の天気は悪いというから、何とも不思議な気持ちになる。
この恩恵を有難く頂戴し、100台のバイク集団は走る。

途中、友部サービスエリアで休憩する。
出発してから90km。
参加車が全て集合した姿を見る。
100台が給油と休憩をとるため、1時間弱の時間が必要だった。

愛馬も満タンになり、準備は出来た。
じゃあ...とおもむろに参加車を眺めてローライダーを探す。
おお、いるいる。
早速写真を撮影させていただき、ローライダー・セレクションとなった。
シガータイプのブラスマフラーもある。
ドラッグバーもある。
ローライダー至上主義の私だから、仲間をひいき目に見てしまう。
まあこればかりはお許し願いたい。

サービスエリアからは水戸インター経由で偕楽園までだ。
そこでまた大変なことになった。
料金所に100台のバイクが来たものだから対応しきれない。
でも急遽、閉まっていたゲートをオープンしてくれた。
うん、JHもいい仕事をしているじゃないか。

偕楽園の駐車場は混雑していて、臨時駐車場へと誘導された。
ここは土の上に薄く雪が積もっていた。
こりゃ出る時が大変そうだ。

偕楽園の中は凄い人だ。
それでも梅林の中には入れないので写真を撮るには問題無い。
青空と梅の花が何とも綺麗だ。
ターコイズブルーの空には、ほんの少しだけ雲があるだけだった。
約1時間程を使って、偕楽園の中を各自散策し、おみやげの水戸納豆を買い求めた。

駐車場からの出発は、思った通り難儀だった。
見ると立ちゴケしているものもある。
下はぬかるんでいて、思うように出られない。
補助してくれる人のお陰で脱出。
そのままグループを形成して大洗方面へ向かう。
信号待ちですこしづつバラバラになってくる。

昼食場所は大洗マリーナ
昨年乗船した大洗のフェリー埠頭の隣ではないか。
そこには先客としてフェラーリ集団がいた。
混じってランボルギーニがある。
カウンタックに似たその車を見て、昔のスーパーカーブーム時代を思い出し、懐かしかった。

ここでお腹一杯食べた後、国道51号線を潮来方面に向かう。
海沿いを走ると潮の香りがただよい、真冬であることをしばし忘れさせてくれた。
あの暑い夏が妙に懐かしく思えた冬の一日となった。

    
本日の走行 327Km (オドメーター 14348Km)

2000年3月12日(日曜日)「春の南房総を走る」

以前より予定していた南房総を走る日。
朝から雨が降っている。
でも午後には降水確率が10%になるという予報を見て行くことにした。
昨日はショップへ行って愛馬のオイル漏れを見てもらい、車体も綺麗にしてあったが、
いきなりの雨に少し意気消沈気味になる。
それでもしっかりと着込んだレインウェアのお陰で全然濡れないし寒くも無い。
環八を第三京浜まで向かうが、天気のせいであろうか、全く渋滞していない。
予定よりも早く8時10分に集合場所に到着する。

にゅりカップルや埼玉 金さんなどが見送りに来てくれた。
久し振りに伊勢さんの顔もみることができて嬉しかった。
雨の中を出発し、横浜横須賀道路を終点まで走る。
久里浜にある千葉までのフェリー乗り場には余裕で到着。
次の便の手続きをすませ直ぐに乗船する。
しばしの船旅気分はいいものだ。
わずか30分ほどで金谷港に入港する

雨は小降りになりつつある。もうすぐ止むようだ。
ここからは海沿いの国道127号をひたすら南下する。
すぐに鋸山が見える。
ここを上る道は自動二輪禁止なのだ。
ローリング族排除のためのようだが、私には納得できる規制ではない。
ここを上れないことが誠に残念である。

岩井海岸を通る。
ここは小学生の頃、臨海学校で来たことのある思いでの海。
海岸に行って当時を思い出す。
なんとも言えない気持ちになる。
ここでどこかのチャプターツーリングとすれ違う。

南房総で最も有名な地、館山市に入るとそこは南国のような景色だった。
まるで宮崎にでも来たような気分に、今日のツーリングが満足できるものだと感じた。
日常生活から離れることで、開放された気持ちになる。

海沿いを走る。房総フラワーラインと呼ばれるその道には菜の花が咲乱れ、走っていて楽しい。
写真を撮影する時間的な余裕も嬉しかった。
黄色い道を走り続けると鴨川に到着する。
ここから県道24号、鴨川道路を経由して房総スカイラインを走る。
千葉というと海が想像されるが、この道では山が主役だ。
その主役を後方に見ながら脇役の愛馬と写真を撮る。

さて雨はすっかり上がってきた。晴れ間も出始めて気分が上向く。
県道92号で木更津に向かう間に晴に変わる。
東京湾アクアラインの入り口では何と快晴ではないか。
きれいな海の上を走る気分は滑走路を走るジェット機のようだ。
海ほたるで休憩し、10kmの海底トンネルを越える。
そこは川崎市。
高速は羽田で降りて下道を行くことにした。
目的は羽田空港を見ること。
ローライダーは駐機しているジャンボをまじかに見て、驚いているようだ。
気分はパイロットになって、帰路についた。

♪もうすぐ春〜ですねえ♪

  
本日の走行252km (オドメーター 14650km)