ベルクさんの大型自動二輪免許 取得記 その9

○第二段階17時限目(見極め)(2000/10/21)

 今日は見極め。いよいよ教習修了か・・・・・。

<見極め>
 見極めである。上手くいけば、本日で最後の教習となるはずである。ただ、第一段階の
見極めよりは意識していない。大丈夫という自信があった。スケジュールも本日で修了と
なるように、2週間も前から考えていたくらいである。

 これまでの総括であるが、検定を意識した走りに徹することにした。無理をしないで
ということである。教官からの指摘はない。入所の頃を思い出しながら、走る。
  “楽しかった・・・・”
これが正直な気持ちである。やがて時間終了。いつものところへバイクを返す。
  “ああ、終わってしまった。”
心地よいというか、脱力感というか、得も知れぬ気持ちが支配していた。
バイクのエンジンを切り、所定の位置に押していく。
今となっては良く覚えていないが、そのとき、確かにバイクが傾いたような気がした。
  “ああっ?・・・・・・・ガシャ”
教習最後の最後に立ちゴケをやらかした。それもみんなが集合しているところで・・。
  “あらら?・・・・・・・まあミソギだな”
これで二回目だが、コケルことはもう恥ずかしくない。明日の心配も無い。不思議な気持ちだ。

見極めを確認した後、明日の検定を申込み、帰途についた。

 31/31修了・・・・・。全ての教習が終わった・・・・・。


○検定一回目(2000/10/22)

 さあ、検定である。昨日とは打って変わって緊張モードに切り替わっている。
この教習所では、二段階に入った時点で、二段階練習コースというのをマスターさせられる。

これは、一般的に内周コースと呼ばれるもので、課題と組み合わせることにより、そのまま検定コースとなる。
検定コース1,2の違いは、課題が先か練習コースが先かの違いであり特に意識して検定コースを学習するわけではない。
二段階では、実質15時間も乗っているので、十分頭に刷り込まれている。
問題ない。
あとはいかにして普段の走りを出せるかである。
 教習所につくと、自分の名前とゼッケン、そして今日の検定コースの発表がされていた。 
  「7− ベルク」「本日のコースは2コースを使用」。
  “ラッキー。2コースじゃん”

2コースは課題が後に来るので、少し嬉しい。
検定の説明を受けた後、いよいよ検定スタート。私は二番目である(大型受験者は10人。3台同時に進行する)。
前の人が終わった。特に何もいわれない。
私の番がきた。

決められた手順で乗車。サイドミラーを直すふりをする。
外周をまわる。そして最初のトラップ、S字に差し掛かる。

  “最初に転んだのは、この出口だったな・・・”
今では問題なくクリア。次にクランク。

  “ここで検定中止になるケース多いよな〜。”
これも問題なし。

次、波状路。少しばらついたが、エンストを避けるため、いつもより速いスピードで入ったのがばらついた理由。
これも問題なし。

  “さあ、いよいよか・・・・”
スラロームである。実は、この一週間、検定中にスラロームでパイロン接触という、悪いイメージが、なぜかよく沸き起こった
とにかく、接触だけは避けようと、意識的に大回りしようと考えた。

  そ・の・と・き・・・・
急に足が震えだした・・・・なんで?
ニーグリップをする内腿がバタバタとタンクを叩くような感じ。

  “緊張しているんじゃないぞ。ちょと寒いだけ〜”
無理やり押さえ込みスラロームに入る。
大回りを意識したが、そんな場合ではない。

  ・・・・・・なんとか、いつものペースでクリアした。
 そして、最大の関門であろうと予想した一本橋・・・・。
足のバタツキは・・・・・・・・・・、私の意識とは別のところでタンクを叩いている。

  “びびってんじゃないぞ。寒いだけ・・・・・”
後方を確認し、スタートしようとした。
が、このままではダメだと気が付き、大きく深呼吸した。もう一回、そしてもう一回。

これ以上は焦らせないと思われる時間まで、その場でとまり、そして覚悟を決めた。

  “落ちたら壱万円。落ちたら壱万円。落ちたら壱万円・・・・”
ブツブツ言いながら、予定どおり半分までを最速のスピードで到達する。

  “なんとか安定しているね。じゃあここから焦らしていくぞ”
まだ安定している。

  “落ちたら壱万円、落ちたら・・・・あれ?壱万円だっけ?・・・・”
<<<<<<<<<グラグラ。>>>>>>>>>>>
魔がさしたのか、検定料を思い出そうとして、緊張感が途絶えた。
そこからは良く覚えていない。クラッチつないで、急発進させたのは覚えている。
多分、これまでで最速であろう。
最後のトラップ、急制動。これに関しては苦手意識はない。
余裕を残しクリア。そして、発着地点に戻る。

  “検定終了。おわった・・・。”
ホッとした。多分、大丈夫と確信した。
皆様の期待に添えなくて申し訳ない・・なんてことは思っていない(笑)
検定官が近づいてくる。
  「ベルクさん。最後の発着場に戻るところでライン股いじゃってるね。」
  「ほげっ?」
  「あそこの点線から進入しないとダメですよ。次は気をつけてください」
  「^^;(^o^)(・・;)^^;(-_-;)(-_-メ)」
  “おいおい、そんなこと初めて知ったぞ。だれも教えてくれなかったぞ。
ウィンカー出して、スピード落として寄せれば良いんじゃないのか?・・・・・
・・・・・それに、次は気をつけてくださいってなんじゃ?
次、まだあるの?・・・・・・・・・”
教習塔の二階から、検定をボーと見る。

  “「次は気をつけてください」”
スラロームのパイロンをはじく人。クランクで足をつく人。エンストで焦って転ぶ人。
中型の人の苦戦が続いている・・。
  “あれは明確な失敗だよな。でも、私の場合って何?。
   減点があるとすれば、一本橋くらいかな?累積でアウトってこと?“

 全ての検定が終わり、別室で待機する。
今日は30名程検定を受けている。シーン。誰もしゃべらない。受験以来かな、それも高校の・・。
受かる受からないって、普通自覚できるでしょ。でも私の場合、
ちっともわからないので、余計に不安になる。

  “「次は気をつけてください」・・・・なんじゃそりゃ?”
そして、OHPに合否が発表される。合格であれば、受験番号にマルがつけられる。
そっと、見る・・・・・・・・・・・・・。

<発表>
 白板に映し出されるOHPをそっと見る。
  1,2,3,4,5,6,7,8,9,11
もう一度確認。
  1,2,3,4,5,6,7,8,9,11
  ・・・・・7・・・・・
  “受かってんじゃん。なんだ、受かってんじゃん。”
あちこちで、歓声が聞こえる。
私は騒ぐ年ではないので、静かに喜びをかみ締める・・・・・・・・・・・・。
  ????んな訳ないじゃろ!!
思いっきりガッツポーズして、知らない人に握手を求めて、大騒ぎ。
「うっしゃ〜〜!!」
それからは、卒業式を行い、解散。

皆さん、ご声援有難うございました。やっと免許を手に入れることが出来ました。


今の気持ち1→本当にこれで免許もらっていいの?
今の気持ち2→もうこれないという寂しい気持ち・・・って、そんなの吹っ飛びました(笑)。
         資格もらったら、教習所とは、とっととおさらばじゃ〜!!
今の気持ち3→「次は気をつけて?」。なんだったんだ、意味深な言葉。今もって不明。 
         それとも、人の気持ちをもてあそんでないか?
今の気持ち4→免許センターの帰りは、試乗してこよーっと!!
ってな感じです。

ではっ・・・・・と大事なことを忘れていました。
このレポートの目的は、ただの教習記ではなく、三十路の男がいきなり大型二輪取得を目指してよいのかどうか?
という人柱的目的がありましたね。
では手短に・・・・

  「いきなり大型でもOK。いやっ、いきなり大型の方がいいぞ」

あくまでも、私の場合ですけどね。理由としては、
 1、検定が少ない(少ない方がいいっ!。免許センターも一回行けばよいし)
 2、大型を乗る時間が圧倒的に多い。
この2点でしょうか。特に、短期間で大型まで取得しようとする人は、この方が効率的ですし、技量だってはやく
上達するのではないでしょうか(750cc以上の場合)。
あと、お金も安いですよね。多分。
以上が結論。(最初から考えると大分脱線した気がする・・)

これにて、「大型二輪免許への道」を終了させていただきます。
お付き合いしていただきまして、ありがとうございました。


<追伸:フェーズ1>

 「大型二輪免許への道」は終了しましたが、HDを乗るまでという目標を考えると、第一フェーズ、
いやゼロフェーズ“Fisibility Study”がやっと終了したところか。免許は取った。
次なる関門は・・・・・・・・。
 「家庭内合意!」

問題としては、こちらの方がやっかいだ。
教習所に通いながらも、色々作戦を考え、実行している。
結論としては、まだ同意を得ていない。

 なぜ「同意が必要」かって?

色々ふか〜い事情があるのよ。
それは置いといて本題にはいる。

作戦1:「ディーラー、販売店を引きずりまわす作戦」

    →熱意を理解してもらう作戦であったが、これは大失敗。新車価格がバレてしまい、むしろ状況は悪化した。

作戦2:「ツーリング雑誌を無理やり見せて「ツーリングに連れて行ってやる」と誘う作戦」

    →楽しそうなツーリング風景を慎重に選択し、見せる。

     「楽しそうだろ。バイク買ったら連れてってやるよ。」と優しそうに微笑む。
     「本当に連れて行ってくれるの?」
     これは少し効果的であった。キャンプなどに少し興味を持ったようだ。
     しかし、妻は知らない。高速道路でタンデムできないこと。そもそも一年間はタンデムできないことを・・・・・・(笑)

作戦3:「四六時中「ドコドコ」とか「ドドドドドッ」といった意味不明の言葉を発する作戦」

    →トイレに行っても「ドドドドドッ」といった言葉を発する。これは子供を真似るように行なった。
     「もう、バイクのことを考えると子供になっちゃうのね」
     などと、母性本能をくすぐる作戦だ。
     これも失敗だった。「うるさい」と一喝されてしまった。
     そもそも、母性本能をくすぐるような関係ではもうないのかもしれない。

作戦5:「狼少年作戦」

     →これは、作戦2と並行して行っている。少し機嫌が良い時に、「バイク買っちゃった」とカマかけてみる。
      最初は当然、烈火の如く怒る。抑えること
      が出来ないと判断した時は「うっそ〜(笑)」と告げる。これを繰り返すと、
      結果的に色々と詰問され、相手の心理状況が読めてくる。

      今の状況は、「百万円の中古を5年ローンで買ってしまった。来週の火曜日に納車される。」設定である。
      もちろん、買ってはいない。「整備が間に合わない」とか言って、ごまかすつもりである。

作戦6:「とにかくすっとぼける作戦」

     私の知人に、車を5台保有している人物がいる。さすがに3台目からは申告出来なくて、奥さんの知らない
     駐車場に2台、300k以上離れた地で知人名義で一台買い付けた猛者である。
     幸いなことに、江戸川区に仲の良い車屋があり、広大な駐車スペースがある。
     少し不便だが、最悪の場合はここに置かせてもらおうかと思っている。

以上が第一フェーズをクリアするための作戦である。
これをアップすることで、奥様や女性に厳しいご指摘をもらってしまうかもしれない・・・・。
もちろん、合意の下、手に入れることが最善であるということは十分に認識しているので、何かいい案があったら教えて欲しい。

 ひどい旦那と思われるかもしれないが、「夫婦でツーリング」を夢見る普通の男である。
 (たぶん、ふつうだと思う・・)
 HDを手に入れるまではまだまだ試練が続く・・・・・・

 ではでは、ごきげんよう、さようなら。

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