Hobby World

レインウェアの選び方

私は99年にローライダー購入後、すぐにレインウェアを購入すべく、東京の上野近辺でバイク用品屋を歩き回り、某有名ブランドのもの(約1万円)を買い求めました。そのレインウェアは春先の千葉ツーリングや、夏の北海道などで何度となく使いました。しかし......まさか数ヶ月にして棄てることになるとは思ってもみませんでした。

棄てなければならなかった理由は2つありました。たぶんハーレーライダーがレインウェアを購入する上で、今後も共通点になると思いますので、それを掲載し、そしてお勧めする製品とその理由をお知らせすることにしました。

1. 右側にある排気管とマフラーに触れると一瞬で溶けてしまった。
ハーレーは停車すると左側のサイドスタンドを出しますので左に傾斜します。私は地図を見ようと思っていたら、右側の前側マフラーにレインウェアが触れてしまい、「ジュ」っと一瞬で溶けました。ポッカリと間抜けな穴が開いたレインウェアは、ハーレーを前提として設計していませんでしたので、右足部分にヒートガード素材などは無く、当然のことでした。

2. 土砂降りの中で雨があちこちから入り込み、みじめな思いをした。
約7時間程の土砂降りの中を帰宅途中、襟から前と背中に入った雨水で、着ている物はずぶ濡れになり、雨の中を走ることを放棄したくなりました。袖からも浸水し、腕まで濡れていました。

そこでもっといいレインウェアをと探して、とりあえずの物は購入しましたが、右側にヒートガード素材があるものに出会えませんでした。


私が偶然出会った方は、スノーボードのウェアを企画・デザインされ、ハーレー、それもローライダーを購入されたばかりという方でした。スノーボードのウェアは濡れるので、ゴアテックスを使います。従ってゴアテックスを知り尽くした方でもありました。

彼はハーレーに乗る際のレインウェアを探しても、私と同じ意見を持ち、欲しい商品を見つけられず、それなら自分自身で企画してみようとしたのでした。ですから、試作品の段階からパンツ右側にヒートガード素材を付け、ウェア素材には高価であってもゴアテックスを使うことにこだわりを持っていました。そして製品化されたものが、POWERAGEというブランド名で、レインウェアとしては「デイリースーツ」として店頭に並ぶようになりました。彼はローライダーに合わせて企画・デザインをしていましたが、ソフテイルのようなフォアード・コントロールの場合は浸水する部分があるという意見を聞くと、直ぐに改良し、年々機能性・デザイン性共、向上していきました。

あるツーリングで私がデイリースーツを着て高速道路を仲間と走っていた際の話です。サービスエリアに入った仲間は、寒そうだったり暑そうだったりしていましたが、私は快適でした。ここでゴアテックスという素材が他の素材より優れていることを感じました。しかしゴアテックスは、素材自体が高価なのが難点なのだそうです。

最近、他社でもゴアテックスを使ったレインウェアを販売しています。素人には分からないので私は直接POWERAGEの、その友人に電話で聞いてみました。すると私も詳しくは知らなかった事が分かってきました。ゴアテックスには2層(2レイヤー)と3層(3レイヤー)の素材があるということです。そして他社は2レイヤー、POWERAGEは3レイヤーの高価な素材を使っているというのです。

なお、2005年まで「デイリースーツ」として発売されていたレインウェアは、2006年から「レインボースーツ」として改名して発売されています。


以下は製品に付属しているパッケージの記載内容を、POWERAGEの許諾を得て掲載しています。

3レイヤー(3層構造)とは
アウターファブリック+ゴアテックスメンブレン+トリコットを1枚貼り合わせたものです。通常モーターサイクル用では2レイヤー(裏面トリコットが無く、白く見える)が使用されてりいるのがほとんどですが、3レイヤーとすることで、裏面トリコットがゴアテックスメンブレンを保護し、ダメージが入るのを大幅に軽減することができます。さらに、裏地付きにする必要がないため、1枚仕立てが可能になります。 その結果、軽くコンパクトなレインウェアになっています。 2レイヤーの場合は、裏を保護するものが無いため、必然的に裏地付きのウェアになります。









難燃性素材の使用
パンツ内股部には難燃素材で最高峰とされるデュポン社のNOMEXを使用、マフラーの高熱からウェアを保護します。(注:長時間の接触には限界があります)

■レインテスト
POWERAGEのレインウェアは、GORE-TEX社が行うレインテストで最高基準であるGPX-6をクリアしています。

ゴアテックス・レインウェアは消耗品ではありません
通常5年以上は使用(使用条件によります)していただける考えています。さらに、社内に生産ラインを設け、修理等に万全の体制でアフターフォローいたします。

タイプ
ジャケットとパンツがセパレートのものが「レインボースーツ」、上下が一体になったものが「ZSRスーツ」です。

ここに記載した、ゴアテックス、GORE-TEX、NOMEXは、それぞれの登録商標です。


ここからはまた私の意見です。

洗濯機で洗える?
通常、雨の中を走った後は、レインウェアは泥だらけになってしまいます。ゴアテックス使用の某メーカーの注意書きには、「洗濯機で洗わないでください」とありました。しかし、POWERAGEのものは洗濯機で軽く洗い、干すだけで新品のように綺麗に戻ります。これには驚きます。そして洗濯した後も、表面の撥水素材の撥水性能は落ちることなく、水玉コロコロ状態で使えます。不思議なウェアです。

※ただし、レインボースーツでは、ファスナーなどの操作性を高めるために金具類が大きめになっています。これが洗濯機内で生地に傷をつける場合もありますので、ガンガン洗うのではなく、ソフトに洗うか、できれば手洗いがベストでしょう。利便性を考えて洗濯してください。

使用可能年数
POWERAGEでは通常5年以上は使用可能といっていますが、破れない限り少なくとも10年は使用できると思っています。今まで1万円程度で買ったものは蒸れやすく、洗濯しても汚れは落ちなく、汚いので仕方なく棄てたりして、もったいないことをしました。今後は、このもったいない精神が1着で続けられると思うと安心します。

※先が尖った岩などに座ったりすると、パンツの生地が破れる場合がありますから注意しましょう。もちろん破れても修理はPOWERAGEが行ってくれるので安心です。

通年使用するなら
私なら、ジャケットはちょっと奮発してスカルジャケットを、パンツはレインボースーツのパンツだけを別売で購入という組み合わせがいいかと思っています。スカルジャケットなら、肩・肘・脊椎パットが装備されているので、革ジャケットに拘らない方にはお勧めです。スカルジャケットは体にぴったりしたサイズなので、真冬は想定されていません。真冬用には以前から大きめの暖かいジャケットを使っていましたが、最近は「電熱ウェア」+「ペアスロープのフリース」を着て、通年ジャケットを着るようにしています。これなら着膨れになりませんので。スカルジャケットの場合、真冬は下にトレーナー程度なら着られますが、やはり真冬用は別途用意するほうが良さそうです。

どんなレインウェアをご購入されるのかは、各自の予算やデザインセンスなどもありますし、雨でもカッパは着ないという方もいます。みなさんの選択はご自由にどうぞ。そして雨でも快適なツーリングができますように。


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