■北海道における速度取締り

ライダーにとって憧れの地である北海道ですが、短い夏の間に発生する交通事故は、県外者による無謀運転に起因することが少なくありません。そこで北海道警察では、夏の間に速度取締りを強化します。

オービスによる取り締まり
北海道の各地には、相当数のオービスが設置されています。
オービスの設置地点の前には、皆様ご存知のように必ず「速度取締り中」の常設看板がありますので気が付くでしょう。

移動式レーダーによる隠れた取締り
関東地方の首都圏では、もはや滅多に見なくなった移動式レーダーによる取締りは、北海道ではまだまだ現役の方法として行われています。

[2001年8月の例]
ツーリング・マップル北海道をお持ちの方は16ページを開いてください。
富川の交差点のところに「スピード取締り」と記載されていますね。
この交差点付近では国道235号と237号において、頻繁にレーダーによる取締りが行われています。
私は国道237号を日高方面に向かった数キロ地点において発見しました。
時間帯によっては地元車も少ないこの道では、未然に発見することは難しいでしょう。
レーダーによる取締りの場合、「速度取締り中」の看板はありませんでした。

パトカーによる移動式取締り
もし北海道でパトカーを見たら、天井を眺めてください。
赤色灯が2つ搭載されていて、その間に白い大きな箱があったら、それは速度取締り用のレーダーです。
パトカー自身が走行中のスピードをこのレーダーで計測するのではなく、路地などに停止してそこを通過する車両の速度を計測し、違反車両を発見するとその場で追跡するという方法です。
パトカーは道に対して直角方向に停止し速度を計測できるため、左右両方向に対して取締りが可能です。

[2001年8月の例]
日本海側の国道232号、羽幌付近でこのパトカーを発見しました。

私からのこのメッセージは、スピードを抑えて違反の無いいい思い出を残していただきたいことを願ったものです。下記の卑劣な取締りを必ずお読みください。地元車は違反した速度で走行していることを私自身も体験して分かっています。この速度に合わせて走ることは安全ではありません。長い間、無事故無違反を続け、ハーレーライフを楽しんでください。


知りたくなかった道警の卑怯(ひれつ)な取締り

以下は、私の知り合いが2001年7月、初めて車で北海道に行き、レンタカーで周遊観光した経験談です。

地元住人の弟の案内で走り回って来ました。
死亡事故のペースが過去最悪なんだそうですが、あれだけ無謀運転ドライバーが多ければ当然だろうと思いました。
一般道にも関わらず、地元の車に混じり、80キロ前後で流している集団を100キロを軽く凌ぐ猛スピードでごぼう抜きにしていく輩が少なくないのです。トラックまでやっている。地元のおじいさんの40キロ運転の車から100キロ超運転まで、とにかくドライバーによる速度差が大変にあって、危険な状態と感じました。

国道以外の地方道がここ数年で劇的に良くなってきたそうで、今回はもっぱら地方道を使って国道はあまり走らなかったんですが、それでも2日の間に国道での取り締まりを5件見ました。

パトカー3台とねずみ取り2ヶ所。
全部の場所で車がつかまっていました。
弟は殆ど国道は使わないんだそうで、なぜなら北海道では交通取り締まりは殆ど国道でやっているからだそうです。
県外車を捕まえるのが目的だからのようです。
捕まっているのは確かに全部県外車、と言うよりは全部「わ」ナンバーでしたね。

足寄の町に入る手前でとんでもない取り締まりを見ました。
4台ほどの車の集団を、100キロ以上の猛スピードで追い抜いて行った地元ナンバー車。
その直後、何とグッドタイミングで「ねずみ取り」!
ところが何とその地元の車には旗をチョットかざしただけで見送ってしまい、その悪辣な警官どもは我らが目の前を75キロほどで流していた先頭の「わ」ナンバーの女性二人連れのレンタカーを捕まえたんです。
弟も取り締まりは何十回と見て来たけれど、こんな露骨なのは初めて見たとあきれかえっていました。

[上記体験談に対する私からのコメント]
上の事実を拝見し、正直言って呆れたと同時に失意の念に駆られました。
違反車両の取り締まりを行うことは結構です。事故を減らし、また速度超過を行う悪質なドライバーに対する威嚇効果もあるでしょう。しかし、一斉に取締るのではなく、最も悪質な違反をした地元車両を見逃し、続く県外車を選んで取締ったというこの差別的事実に対し、嫌悪感を覚えます。

4281通達という警察内部の通達があります。昭和42年8月1日に出されたもので、これが無効となる通達が出されていない以上、現在でも有効とされています。
これによると、悪質な違反と軽微な違反の両方があった場合、取締りしやすいという理由で軽微な違反のみを取締るということをしてはならないとされています。要するに、国民が納得するような取締りを行ない、結果として安全かつ円滑な交通を保つのが取締りの目的なのです。今回の事例は、明らかにこの通達に反したものです。

同じ経験をした方がいましたら、是非私までメールで詳しいことをご連絡ください。


北海道では降雪の期間が長いため、道路状況のいい夏の数か月間に、1年分の取締りを全て行うと仮定すると、全道において一斉に実施するというのも肯けます。
もちろん、県外車である私たちが事故を起こさないように、自己責任で速度を適正に保ち、いつまでも北海道が楽しい聖地であるように心掛けることが一番です。