2002年6月4日 VINEXPO (業界向けのワイン博覧会)
「VIN」はワインのこと。
6月4日、東京のお台場で開催されたワインを中心とした博覧会の模様です。世界No1ソムリエである田崎真也氏によるワイン・テイスティングセミナーに出席したのですが、これは大変印象的でした。今の日本のソムリエに対して辛口の批評をされています。
たとえば、一流のフランス料理レストランでは、ビールを飲める店がほとんどありません。そんな店のソムリエも、自宅に帰るとまずビール。暑い日の冷たいビールは素晴らしく旨いのに店では出さない。「出そうと思えば出せる」のに「出そうとしない」。
ソムリエの仕事は、「お客様に素敵な時間を過ごしていただく」ためのお手伝い。
にも関わらず、お客様の一番求めるものを出さないのは、お客様本位で考えていないから。そう田崎氏は語った。これには私も納得。私たちは高いワインを飲みたいのではなく、料理に合い、価格的にも財布の範囲で一番美味しいワインを飲みたいからフレンチ・レストランに行くのだ。
ちょうどいい温度で保存され、私が今飲んだら美味しいと感じるワインを選ぶのがソムリエの仕事。いいワインであっても、料金を支払う時に、「これなら納得」と思えるものでなければソムリエ失格なのだ。ああいい時間だったと感じることができる、そんな非現実を楽しむのがフレンチ・レストラン。それを力説していた田崎氏を私は支持したい。