ひろさんのたわ言(15)

弥生雛



長女の初節句で、ほとんど一月分の給料をはたいて内裏雛を買った。
昭和44年のこと。当時気鋭の金林真太呂作の「弥生雛」。
木目込人形という。
木地に布を差し込む技法とのこと。真太呂オリジナルか、どこかの伝統工芸なのかわからない。

その長女に女の子が生まれた。
昨年の初節句の時は、狭いアパートに持ち込めなかったが、今年は近所に引っ越してきて、弥生雛を自分のアパートに飾ると言いだし持ち帰った。
男雛が右か左かもわからず、ともかく、雛祭りに飾ったとのこと。

今、金林真太呂は2代目という。
物価体系が変わって、2代目作の弥生雛は幾らぐらいするのだろうか。






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