鳥見指南 その 6

海辺の鳥と山野の鳥

鳥の仲間は大きく分けると、海上や河川・湖水など水辺で生活する水辺の 鳥と、森や山地や私達の身近な陸地で生活する山野の鳥に分類できます。
日本は海に囲まれているので、色々な水辺の鳥を見ることが可能です。
山野の鳥と同じように、海辺の鳥も渡りを行います。ツルやカモやカモメの仲間はシベリヤなど北の方で繁殖し、秋になると日本に渡って来て、日本で冬を過ごし、冬の終わりから早春にかけて北に帰って行きます。

シギやチドリの仲間は、冬は東南アジアやオーストラリアなどの南半球で過ごし、夏は繁殖のためシベリアなどの北半球で過ごします。そしてこの間を往復する途中で日本に立ち寄り休息します。この休息と食事の場所が干潟になります。
したがって干潟が埋め立てられたりして無くなってしまったら大変なことになります。以前に較べると日本の干潟は大幅に減ってしまい、今でも未だ埋め立てられようとしており、大きな干潟は殆ど無くなってしまいそうです。大変心配なことです。

イソヒヨドリ(オス)

全長:25.5センチ

海岸の岩場や崖、電柱や人家の屋根等でいつでも見られる鳥(留鳥)です。
囀る声が美しいです。城ヶ島や観音崎など三浦半島ではどこでも見られます。
小網代にも現れることがあります。

マガモとかオナガガモと言った淡水型のカモの場合は池などで比較的近くから観察できますが、一般的に水辺の鳥は遠くから観察することが多いので識別のためには双眼鏡だけでなく、もっと倍率の大きなフィールドスコープが必要となることがあります。
洋上観察と言って、大島とか三宅島とかに行く船のデッキからのバードウオッチングも楽しいです。アホウドリとかオオミズナギドリなどを身近に観察することができます。

水辺の鳥の中にも日本で繁殖するものいます。河原や海岸に巣を作るコアジサシとか、海岸の岸壁などに巣を作るクロサギ、それからイソシギやコサギなどはその一例です。

水辺の鳥に対する陸上の鳥をまとめて山野の鳥と言うことにします。従ってスズメやカラスも山野の鳥と言うことになります。

山野の鳥にも初夏に南の国から渡ってくる鳥、秋に北の国から渡ってくる鳥、日本を通過して、もう少し北の方で夏を過ごす鳥もいます。
日本国内でも平地と山地を移動する鳥もいます。
また、今までは山地に棲んでいた鳥が平地にも徐々に生活の場を拡げてきているものもいます。コゲラやアオゲラなどがその一例です。

アオゲラ

全長:29センチ

最近はコゲラとともに都市部の林や公園でも見かけられるようになったキツツキの仲間で、留鳥です。
小網代でも鳴き声や姿を見かけることがあります。

農地や宅地開発、その他大きな施設の建設や土木工事のために生活の場を少しずつ狭められ、種として絶滅の危機にさられている鳥もいます。
オオタカやクマタカ、イヌワシなどと言ったタカの仲間です。

既に人類が絶滅に追い込んでしまった鳥が沢山いますが、オオタカやクマタカ、イヌワシには、こんなことが起こらないよう、なんとしても守ってあげたいものですね。


目次へ TO HOME

“うらがのカラス”のコーナーへリンク