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(92年4〜5月の紀行)

竜宮城は、絵空事の世界と思ってはいたが、この世に存在するのをこの目で見てきた。
そこは、ヒマラヤの小さな王国ブータン。

『グズザンポ』おはよう、こんにちは、こんばんわ、さようなら挨拶は全てグズザンポ。
面積は九州と同じ、人口70万、中国国境に7000メートルを越える雪山が幾つかある。鎖国体制から最近広く解放されたが、この国を訊ねた人は、まだ少ないと思う。

首都テンプー、『ゾン』城塞と訳す、
王室、行政、僧院、宿舎、貯蔵庫を併せた世界最大級の巨大な木造建築物がある。それが実に竜宮城的である。

この国の衣装を見てあっと驚く。
『ゴ』と呼ばれる男性の正装が、わが国の厚手の着物そっくり。
女性の服装は巻きスカート風の『キラ』。

秋の味覚の王者マツタケ、この国ではワンサと採れるが、食べる習慣がない。しいて値段を付けるとキロ当たり200円位という。わが国の店先には、内緒でブータン産の物が並んでいるらしい。

昔からの道路で、車より馬の数の方が多く遠くへ出かける時は、馬の背に食料寝具を積み、テクテクと自分も一緒に歩く。
私たちも、ドウルックパスという氷河湖の続く、4000メートルの雪の峠を歩いてきた。
外国人では、あなた方が初登行ですよと褒められた。

共同登山用具、個人装備、食料寝具一式等を運搬のために、ブータン馬12頭、馬方3人と、現地スタッフ10人(ガイド、コック、ボーイ)が同行、私たちメンバーは10人。
現在の日本では考えられない、ほんとに夢のようなヒマラヤ贅沢登山である。

男の子の遊びは、投げ矢、弓、石投げ。女の子は、ゴム飛び、石蹴り。
テレビなし、ラジオは夜3時間のみ、新聞は週1回刊行。映画館は首都に1軒のみ。貸しビデオテープ屋が繁盛している。


ヒマラヤの朝

ブータン ヒマラヤの朝
3000メートルのキャンプ地
赤いテントはメステント(Mess hall=食堂)
これら全て、馬が運ぶ
ほんとに ご苦労様です。


国境の山

ブータン、中国国境の7000メートル級の山


ヒマラヤシャクナゲの森

ブータン ヒマラヤシャクナゲの森


ブータン馬

ブータン馬、小型で力強い。


ドゥルック パス

ドゥルック パス 4000メートルにて
石積みのチョルテン(佛塔)


ターキン

ブータン 首都ティンプー動物園にて
世界3大珍獣のひとつ“ターキン(TAKIN)
伝説のシフゾウという。


こども

ブータンの子供達


正装

ブータンの正装
男子は“ゴ”
女性は“キラ”という


国立舞踊団

ブータン国立舞踊団
観客は私達日本人 10名だけ。


竜宮城

ブータンの首都 ティンプー
タンチョゾン 世界最大の木造建築物。


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