ナマステ・インド

祖父川 精治

気候風土が大きく異なる広大なインド各地に住み暮らす人たち、人口12億は多種多様で顔立ちが実に個性的である。  
わが国にとって人口14億の中国に次ぐ2大市場といわれるインド、アジアでは第3位を誇る経済大国で収入も中間層が増えたとはいえ相変わらず貧困層も多い。人口構成も正三角形で、人口の半分が25歳以下といわれ若年層が占めている。大家族主義というか、3世代同居し一族大勢で住み暮らしている。  
渋滞する市内で走行する車は、小型な日本車のスズキに人気がありホンダは高級車級で憧れの的である。最近、TATA社が低所得者向きへ販売を開始したミニ乗用車ナノ(極小の意味)、10万ルピー(25万円)600CC、ワイパーとバックミラーは片側のみ。世界的な話題では、アメリカの企業は優秀なこの国のIT頭脳技術者を大勢迎え入れているという。

20数年来インドへ9回訪れ、昨年一昨年と2年連続して出掛けている。大きく変わったものは、コブのある野良牛の存在で首都デリー市内から一掃され完全に消えていた。変わらぬものは、物乞いの存在で手先を口に「バクシーシー(喜捨を)」と纏わりついて来る。車で信号待ちしても、窓越しに哀れな顔つきで寄ってきて実に危険である。  
町中を徒歩で行くと、リクシャーに必ず呼び止められ自由に歩くことができない。道路は車、オート3輪のリクシャー、サイクルリクシャー「ホロ付自転車」、歩行者で溢れこの国の人たちはほんとに働き者だなと感じる。

身分階級のカースト制度はこの国の人たちでも良く分からないという。紙幣にはヒンズー文字のほか異なった14言語の文字が印刷され多民族国家を表徴している。共通の第2国語は英語で、子供たちからもハローと盛んに英語で問いかけられる。

NAMASTE「ナマステー こんにちは等の挨拶用語」、と言って両手を胸に合わせて合掌するのが一般的。

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